定時上がりの総務部長・堤司治(竹財輝之助)と残業三昧の社畜OL "まるちゃん"こと丸山真由美(中村ゆりか)との"お試し同棲"とほぼ時を同じくして始まった、堤司部長VS社畜仲間・拝島(佐野岳)のまるちゃんを巡る社内恋愛バトル。そんな中、拝島とまるちゃんの取引先ホテルをまわる箱根出張の様子が描かれた『部長と社畜の恋はもどかしい』(テレビ東京ほか)第8話。

同棲開始から1週間が経過し、ようやく2人でゆっくりできるかと思いきや、恋人同士の2人の間に流れる甘いムードを営業部のチャット通知音が尽く邪魔する。その後も結局すぐに眠りについてしまったまるちゃんを愛おしそうに眺める堤司部長と、その直後に彼女の口から「ハイジ」と拝島の愛称を呼ぶ寝言が飛び出し、気が気じゃない堤司部長が見られた。さぞかし気になって眠れなかったのだろう、翌朝目を真っ赤に充血させた状態でまるちゃんを送り出す堤司部長の姿が杞憂だが愛おしい。

そんな彼に追い討ちをかけるかの如く、取引先旅館の社長の計らいにより拝島とまるちゃんがその旅館に宿泊することになったという知らせが堤司部長の耳にも入る。人事部長の諌山(丸山智己)の「男女の友情ほど信用ならないものはない」という言葉がさらに堤司部長をモヤモヤさせていく。最初はまるちゃんの方がありもしない自らの妄想に一喜一憂していたのが、ここにきてむしろ堤司部長の方が自らのたくましすぎる想像力に自爆してしまっている。

しかし、そんな彼に知られてしまってはならぬ真実をここで我々は知ってしまう。実は過去に拝島のことが好きだったまるちゃんは、3年前のバレンタインに本命チョコを渡したことがあったのだ。翌朝、チョコを入れた紙袋がそのまま返却されていた、「好きです」と書いたまるちゃんからのメッセージカードと共に・・・。それをまるちゃんは、拝島が自分の気持ちに気づいていたけれど"気づかない振りをした、私を傷つけないために"と受け取ったようだが、本当にそうなのだろうか。メッセージカードの封は確実に開けられていたようだったが、まるちゃんは拝島から返ってきたそのカードの中身を確認したのだろうか。あの中に、本当は拝島からの返事が入っていたなんてことはないのだろうか。

箱根でも拝島は「茶化すなよ。俺、まるこがいないと困る。本当に困るんだよ・・・」と、真剣に自身の気持ちを伝えようとするも、まるちゃんは途中で話をはぐらかし、彼の言葉を遮った。まるちゃんからしても、過去に自分が振られた気まずさや、何より自分を振るために拝島に気を遣わせてしまった申し訳なさもあるのだろう。だからこそ、拝島とはこれまでの社畜仲間としての良好な関係性を続けるために、敢えて自らカラッとした態度をとって、もう過去のような好意はないことをどこかで印象付けたいのかもしれない。そして、いくら鈍感なまるちゃんとは言え、どうして拝島の真正面からの好意は尽くスルーで、警戒もせずに社畜仲間として近くにいられたのか不思議だったが、なるほど、彼女には拝島に"振られた"という揺るがぬ既成事実があり、それが自分たちの間には何も起こりはしないという安心感にも繋がっていたのだろう。

"脱・社畜仲間"を掲げまるちゃんとの関係を進めたがっている拝島が、まるちゃんの部屋に来ると言い出した。まるちゃん、その前にとりあえず、きっとずっと気もそぞろだろう堤司部長にどうか1通、1通でいいから連絡を入れてあげて欲しい、切に。

次週、拝島がさらに強引にまるちゃんとの距離を縮めようとするようだが、3年前のバレンタインの真相も気になるところだ。

また、残業の鬼だった営業部時代の堤司部長を今の正反対のスタイルに路線変更させるきっかけになった彼の過去の秘密も明かされるようだ。その鍵を握るかつての部下・根津(上川周作)とどんなやり取りが繰り広げられるのだろうか。

(文:佳香(かこ)/イラスト:月野くみ)

【第9話(3月2日[水]放送)あらすじ】

取引先との飲み会から戻り、真由美(中村ゆりか)の部屋へとやってきた拝島(佐野岳)。そして、真由美のことがずっと好きだったと告白をするが、一方で、かつて拝島のことが好きだった真由美は、その時すでにフラれたのだと思っていた。今になって明らかになる3年前の出来事。そして、真由美が「好きだよハイジ、でもそれは...」と言いかけた時、そこに現れたのは、真由美を迎えに来た堤司の姿だった・・・!

◆番組情報
ドラマParavi『部長と社畜の恋はもどかしい』
毎週水曜深夜0:30からテレビ東京ほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」で前週水曜日の夜9時より毎話独占先行配信中