町田啓太を主人公とした、テレビ東京×めちゃコミックの合同プロジェクト『僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!』で大賞を受賞した大盛のぞみ原作のドラマ『ダメな男じゃダメですか?』。その第3話が、2月16日に放送された。
SNSで自分を偽って生きる見栄っ張りでダメダメな大学生・田町権太(町田啓太)と、田舎暮らしのパワフルなおばあちゃん・カツヨ(宮崎美子)が入れ替わってしまう物語。今回は、自分の顔が好きという権太の顔を生かすべく、権太と入れ替わった自分がアイドルになると宣言したカツヨのオーディション風景と、権太の元カノ・葛西真央(深川麻衣)の新たな一歩が並行して描かれた。
これまでクローズアップされてきたのは権太のダメな部分ばかり。しかし、葛西が中2のときに権太を好きになったこと、漫画を描いていた葛西に声をかけた権太が「可愛いのにおもしれえ絵描くな」と"嬉しいこと2つ"を言ってくれたことで、漫画家を目指すようになったことなどが、回想で明かされる。当時の素直な感性の権太は、現在の権太自身より、むしろカツヨのようだ。それだけに、いつ失ってしまったのかが気になるところ。
葛西からの告白で付き合った二人だが、別れて3年。時間が止まったままの葛西は、友人カップルの紹介で有川(前原瑞樹)に出会う。調子の良いウザ男かと思いきや、これが案外良いヤツで、葛西は二人で会う約束をする。
一方、権太はオーディションの二次に進むが、残したのは、前回セミナーで権太(中身はカツヨ)が揉めた大告堂の矢上(田口浩正)だった。二次にネット配信があるため、権太に恥をかかせるのが狙いだったのだ。
ところが、二次で、権太はキレのあるダンスを披露する。町田啓太がダンスすること自体新鮮だが、予想以上の巧さに、SNSは大盛り上がり。しかし、矢上の企みは、ダンスの後。SNSで経歴詐称していることをネット配信でバラすためだった。しかし、なぜこんな嘘をついたのかと問われたカツヨは、少し考えた上で言う。
「たぶん気に入られたかったんでねーんきゃ?」
「そのまんまの自分じゃ誰にも受け入れられねえって、そう思っちまったんだと思う」
嘘はつかないと約束したと話し、「嘘は人も自分も傷つけっかんな」と呟くカツヨ。それをネットで聞いていた権太の表情に、変化が現れる。しかし、その発言に触発されたのは、権太だけじゃなかった。
矢上は「満場一致で不合格!」と言い渡したが、突然、人気インフルエンサーのよっしー(ゆうたろう)が、自分も嘘をついていたと言い、実は妻子がいて、人気のため・お金のために隠してきたことを告白するのだ。それを機に、身長詐称、尊敬する人物の詐称など、参加者たちは次々と自分の嘘をカミングアウトし始める。すると、ネットでは「矢上退場」などの声が続出し、権太は無事二次を通過するのだった。
一方、権太がSNSで投稿するポエムを見た葛西は、有川に「ごめんなさい!」と告げ、群馬に帰ることを決める。それにしても、見事だったのは、有川のフラれ具合。
「ひょっとして今、僕、フラれました? まだ告白もしてないのに?」と驚きつつ、「......うし! 待ってろ、次の恋!」
もはや名人芸のような絶妙なウザ愛おしいフラれぶりで、SNSには「めっちゃいいキャラ」「応援したくなる」などの声が散見された。
というのも、前原瑞樹は主演映画『アボカドの固さ』において、5年付き合った彼女にフラれ、1カ月という期限を設けてヨリを戻すために往生際悪く悪戦苦闘する様を滑稽かつ魅力的に見せた "名フラれ役者"なのだ。
有川君のその後も見てみたくなる、良いキャラ&キャスティングだった。
(文・田幸和歌子/イラスト:まつもとりえこ)
【第4話(2月23日[水]放送)あらすじ】
権太(町田啓太)はアイドルオーディションの最終審査を控えていたが、まさかの事情で辞退する。そしてトイレの清掃バイト中に声をかけてきたイケメンは後輩の中野(加藤清史郎)だった。一流企業で働く中野は今も昔も権太を慕っていて、起業の相談をする。一方、カツヨ(宮崎美子)は実家に戻ると、慣れない畑仕事に苦戦しながら、都会にはない"エモさ"を感じ始めていく。しかし健康診断の結果を見て自分の病名を知るのだった。
◆番組情報
『ダメな男じゃダメですか?』
毎週水曜深夜1:00からテレビ東京ほかで放送
動画配信サービス「Paravi」で 配信中
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