町田啓太を主人公とし、めちゃコミック×テレビ東京の共同開催により、漫画化とドラマ化作品を同時に選ぶドキュメンタリープロジェクト「水ドラ25」の『僕を主人公にした漫画を描いてください!それをさらにドラマ化もしちゃいます!!』、通称「僕ドラ」。作品の選考やドラマのメイキングなどが1月5日から4週にわたって放送された。見事大賞に選ばれたのは、めちゃコミックで『とうきょう便利屋24時。』シリーズを連載中の主婦漫画家・大盛のぞみの『ダメな男じゃダメですか?』。

そのドラマ化の第1話が、2月2日に放送された。町田が演じるのは、東京で偽りの人生を送る見栄っ張りな大学生・田町権太。また、彼が入れ替わってしまう田舎暮らしのパワフルなおばあちゃん・カツヨを宮崎美子が演じる。

冒頭では、夜空に雷が鳴り響く中、権太とカツヨが向かい合う、特撮の対決シーンのようなシーンが描かれた。そして、「身ぃ染みろい!」というカツヨの喝とビンタがさく裂し、白目をむいた町田の顔が・・・確かに、これは"ニュー町田啓太"かもしれない。

なにせエリートを演じることも多いイメージの町田啓太が、本作で演じているのは、「子どもの頃から周りに流されやすい」ダメ男。就活では憧れの会社の面接担当者に「『見た目は良いけど、つまんないって言われない?』・・・って商談相手から言われるかもしれないから」と嫌味を吐かれ、不合格となる。しかし、それで奮起するわけでもなく、親には「大学留年して公認会計士の資格とる」と思い付きだけで言い、親も親で「何がやりたいのかさっぱりわからないけど」と言いつつ、やらせてあげてしまう甘々家庭だ。

さらに、権太は、たまたまSNSの投稿がバズッたところから、ダメ男ぶりを加速させていく。彼女・真央(深川麻衣)と一緒にいても、SNSに投稿するための写真を撮ることに夢中で、上の空。投稿した写真から、年齢や出身地の嘘や、内定がとれたという嘘、彼女はいないと書いていた嘘などが彼女にバレ、「ダサい」と非難されると、「人の気持ちがわかんねーやつのほうがダセーよ」と逆ギレ。

そこで真央にフラれてしまうが、それで気持ちを入れ替えるわけでもなく、まさかの3年後も学生として親のすねをかじり続け、勉強するわけでもなく、親の電話にも出ず、飲食の宅配業をしながらSNSでの虚言を繰り返していたのだった。

そこで、連絡のとれない権太を心配した両親が、様子を見に行ってくれるように頼んだのが、カツヨだったわけだ。

「学校、身ぃ染みて行ってるんかい?」と問い詰められ、全部うまくいっていないとボヤいた権太は、今度はカツヨ相手に逆ギレする。

「ばあちゃんは、群馬の山奥で農業しかやってこなかったから、俺の気持ちなんてわかんねえんだよ」

そこで飛び出したのが、冒頭と同じようなセリフ&ビンタだ。

ちなみに「身ぃ染みろい」は、町田の出身地・群馬の方言を聞いてみたいという作者が、急遽群馬県出身者を探し、翻訳してもらい、盛り込んだセリフで、「一生懸命やれ」「手を抜かないでやりなさい」といった意味だそう。

SNSでは、作者の狙い通り、町田の群馬弁に萌える視聴者の声が続出していたほか、「入れ替わり」のストーリーそのものを楽しむ声も多かった。

初回では、町田啓太のダメ男ぶりが新鮮だったこと、さらに発声方法や姿勢、動き方など、ぱっと見では宮崎美子と全然わからない「豪快なおばあちゃん」ぶりに役者のすごさを感じたが、それが次回以降、入れ替わった後にどう演じられるのか。設定がシンプルであるだけに、役者の力が問われる、楽しみな展開になってきた。

(文・田幸和歌子/イラスト:まつもとりえこ)

【第2話(2月9日[水]放送)あらすじ】

ひょんなことから入れ替わってしまった田町権太(町田啓太)と祖母のカツヨ(宮崎美子)。権太はセミナーに参加する予定だったが、カツヨに参加してもらうことに。会場では破天荒なカツヨ節がさく裂し、担当者とバトルが勃発。セミナーの後、元の体に戻れるよう二人で試行錯誤したが、失敗してしまう。すぐには戻れないと考えたカツヨは、堕落した権太を変えるため、まさかの行動に出る。

◆番組情報
『ダメな男じゃダメですか?』
毎週水曜深夜1:00からテレビ東京ほかで放送※初回2月9日、16日は、深夜1:10スタート。
動画配信サービス「Paravi」で 配信中