総務部長・堤司治(竹財輝之助)の自宅に大量にストックされていた缶コーヒーが、そのまま残業三昧の社畜OL "まるちゃん"こと丸山真由美(中村ゆりか)を待っていた時間を物語る、不意打ちで大人胸キュンな展開が詰まっていた『部長と社畜の恋はもどかしい』(テレビ東京ほか)第5話。
まるちゃんが退社するのが見えるようにとオフィス1階のエレベーター近くにある自動販売機でひたすらに缶コーヒーを買いながら彼女を甲斐甲斐しく待つ堤司部長。"大人だから"敢えて「待ち合わせ」をするのが小っ恥ずかしいからって、偶然を装ってまるちゃんと一緒に帰れるようにずっと自動販売機で缶コーヒーを買うポーズをとっていた堤司部長、さすがに愛おしすぎませんか・・・?同時並行で進んでいたまるちゃんの"脱・都合の良い女計画"と堤司部長の"脱・都合の良い男プロジェクト"が不毛なやり合いで遠回りだったことの種明かしもまた素敵だ。べランピングしながら、バーナーで温め2人で飲んだその缶コーヒーはさぞかし格別に美味しかっただろう。2人が「とっても幸せ」だと言い合う姿もお似合いで微笑ましい。"部長が私のために待っててくれた分だけ美味しい"とその温かみを噛み締めるまるちゃんの心から安心した表情が見られて、こちらまで幸せな気持ちになる。
堤司部長に連れられて行ったインテリアショップでコップを選ぶように頼まれ、てっきり堤司部長の"ご自宅用"かと思っていたら、それがそのまま"自宅丸山用"だったのも、そうとは知らずそのコップがこれからずっと部長の家で一緒に過ごせることに対して"幸せ者め"と羨ましがるまるちゃんも、全てが可愛かった。
しかし、やはりまるちゃんにとっては"残業"はもはやライフワークで、後輩が言うように"推しはお仕事"なのだろう。ようやく両想いで正式な彼氏彼女であることを互いに確認し合えた直後、堤司部長に誘われたキャンプを断る。月が替わって残業カウンターがリセットされるため休日出勤するのだと言う。
そして、こんなところでも"いいよ、いいよのまるちゃん"からの卒業が発揮されるとは。大好きな人からの誘いともあれば、これまでのまるちゃんなら迷わず首を縦に振っていただろうに、もしかすると彼女は "好きな人の前でいる自分"のことも好きでいたいと考えるようになったのかもしれない。これまで散々邪推を繰り返し、無理して、都合の良い関係からの脱却を図ろうと足掻いてきた彼女だからこそ、今度は"そのままの無理していない自分"で堤司部長の前に立とうとしているのかもしれない。確かに、まるちゃんが堤司部長の飲まれていない缶コーヒーの大量ストックに気づき、さらにはその裏に隠された彼のこれまでの自分への想いを引き出せたのも、今までとは違い「私、大人だけど、でもやっぱりこんな関係耐えられません」と宣言し、帰ろうとしたからこそだ。今まで通りの自分とおさらばしたから、また新しい自分や2人の関係性に出会えたのだ。
何はともあれ想いを通わせ合った2人の元で、"堂波(ドーハ)の悲劇"の教訓からもたらされた堤司部長の"社内レンアイ極秘プロジェクト"なるものがどう進行していくのか。
今度こそ営業部のエース拝島(佐野岳)が大阪出張を終え、本社に帰ってくるようで、彼は2人の関係に波乱を招く脅威になり得るのだろうか。
(文:佳香(かこ)/イラスト:月野くみ)
【第6話(2月9日[水]放送)あらすじ】
無事にお付き合いが始まり、真由美(中村ゆりか)をキャンプに誘う堤司(竹財輝之助)。しかし、残業カウンターがリセットされ、休日出勤もできるようになることを理由にあっさり断られてしまう。自分より仕事を優先する真由美に、ショックを受けていた堤司だが、ある企画を思いつき...。一方、社畜の脊髄反射でキャンプより仕事を優先してしまったことを反省している真由美は、二人の時間をつくるため、定時上がりを目指して必死に働いていた。そんな中、重大な仕事案件が動き出すことになり...。
◆番組情報
ドラマParavi『部長と社畜の恋はもどかしい』
毎週水曜深夜0:30からテレビ東京ほかで放送。(※2月9日は深夜0:40から放送)
動画配信サービス「Paravi」で前週水曜日の夜9時より毎話独占先行配信中
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