ブレイク寸前の注目俳優・藤代瀬那(櫻井海音)と憑依型女優・白川雪乃(森田望智)の距離がグッと近づき、マネージャー・冴島千歳(大原櫻子)の中に嫉妬心が湧き上がった『つまり好きって言いたいんだけど、』(テレビ東京ほか)第9話。

映画『アムネジアフラワー』での共演が話題を呼び、瀬那には雪乃との共演依頼が立て続けに入る。さらには世界的にも有名な映画監督からトップ俳優だけを集めたワークショップにも2人揃ってお誘いを受ける。

ワークショップの様子も本格的で臨場感たっぷりだ。本気のぶつかり稽古のような様相を帯び白熱するが、その様子を見ていない千歳は元々雪乃が持つ妖艶で奔放な雰囲気も相まってあらぬ方向にばかり想像が膨らみ、気が気でない様子だ。

「俳優同士でしかわからないことで盛り上がっているんでしょうね。白川さんのようなタイプは藤代さんにとって刺激的だろうな」と言う加賀見(東啓介)の言葉がずっと引っかかっている千歳は、「俳優さん同士でしか分かり合えないことがあると思うとちょっと寂しいですよね」とポツリと本音をこぼす。またこの一言が、加賀見の千歳への恋心にさらに火をつけるとも知らずに...。しかも加賀見はやはり千歳が瀬那に好意を寄せていることに気が付いている。それも承知の上、千歳に告白をするのだ。

そう言えば、以前瀬那の想い人をあゆみ(松井愛莉)だと勘違いしていた加賀見だったが、瀬那の矢印には気が付かないのだろうか。なんとも近場で切なく厄介な四角関係が出来上がってしまった。

遂に瀬那に一世一代の大きなチャンスが舞い込み、瀬那だけでなく千歳にも改めて覚悟が問われる。世界的巨匠から瀬那と雪乃を主演にした映画を撮りたいと直接オファーが入るも、「2人の究極の愛」がテーマでベッドシーンも極限まで描かれるというのだ。きっと今すぐにでも飛び付きたいに違いないこのオファーを前に、瀬那がまず気にしたのは外でもない千歳の反応だった。俳優・瀬那のお芝居の第一号のファンであり、俳優としてのステップアップを願うマネージャーとしての千歳の気持ちも本当だが、一方で瀬那がどんどん遠く、自分の知らない世界に行ってしまうのが寂しいという一人の恋する女性としての気持ちもまた真実。複雑だ...。

矛盾した相反する感情の間で揺れ動く千歳が出した答えは、瀬那への想いを断ち切り、マネージャーに徹して彼のサポートに専念することだった。何より好きな相手が自分のために夢を諦め、せっかく掴みかけた大きなチャンスをみすみす逃そうとしているのが見るに耐えられないのだろう。

「藤代さんの良い演技を見ていたい。それをもっと沢山の人に見てもらいたい。それが私を笑顔にする方法です」と言った千歳の言葉に嘘はないだろうが、千歳の笑顔が頑張るモチベーションだと言う瀬那の前で彼女は本当に笑っていられるのだろうか。また、同棲解消が2人にどんな影響を与えるのか。

「毎日冴島さんと仕事できるだけで幸せですから」と言う加賀見と、「俺はちぃーちゃんの笑顔を見るために頑張ってるんだよ」と言う瀬那。千歳が瀬那への想いを必死に打ち消そうとしている今、加賀見にとってはまたとないチャンス到来だ。少しでも恋の番狂わせが起きるのだろうか。瀬那と雪乃の関係性がどうなっていくのかも含め、楽しみだ。

(文:佳香(かこ)/イラスト:月野くみ)

【第10話(12月8日[水]放送)あらすじ】

マネージャーとして瀬那(櫻井海音)を支え続けようと誓いマンションを出ていった千歳(大原櫻子)。しかし、映画の撮影の中で心を通わせ、本当に恋に落ちたかのような瀬那と雪乃(森田望智)にやるせない気持ちでいっぱいだった。
そんな千歳は瀬那に呼び出されマンションに向かった。すると、瀬那からある思いを伝えられ...。そんな中、瀬那に一本の電話が。血相を変えた瀬那が、千歳に「一緒に来てほしい」と言ったある場所とは...。

◆番組情報
ドラマParavi『つまり好きって言いたいんだけど、』
毎週水曜深夜0:30からテレビ東京ほかで放送。
動画配信サービス「Paravi」で前週水曜日の夜9時より毎話独占先行配信中。