企画・原作を秋元康、演出を三木康一郎が手掛ける "不倫コメディ"『じゃない方の彼女』(テレビ東京)の第5話が11月8日に放送された。目立つことのない人生を送ってきた「じゃない方」の男性で大学准教授の雅也(濱田岳)は、発熱で寝込んだ女子大生・怜子(山下美月)を見舞ううち、つい「帰りたくない」と思ってしまい、そんな自分に戸惑いを感じる。

もう後戻りできない状況に見えるが、そこでブレーキとなるのは、妻・麗(小西真奈美)に嘘を重ねる罪悪感によって蘇ってきた、2人の出会いの思い出だった。大学時代、学食で雅也の向かいに座ったのが大学院生だった麗で、互いにレアな「山菜炒め定食」を頼んでいた偶然により、「好みが合うね」と会話するようになる。

後に白飯+エスニックのような夕食ばかり作るようになる麗と、本当はさんま定食が食べたい雅也。全く好みが異なり、接点もなさそうな2人だが、実は出会ったばかりの頃には食べたいものが一致していたというのは、驚きであり、若干の寂しさもある。

とはいえ、当時、麗には高校時代からの彼氏がいて、結婚するだろうと思っていた。ところが、あるとき麗が一方的に別れを告げられ、落ち込んでいるところに、事情は知らないままに雅也が缶コーヒーを手渡す。恋はタイミングとはよく言うものだが、まさしくそのパターンで、徐々に交際に発展した2人はやがて結婚。しかし、それでも麗が雅也に「好き」と言うことはなかった。

こんなに素敵な妻がいるくせに「じゃない方」と自称し続ける雅也の自己肯定感の低さは、実は妻の元カレへの嫉妬や引け目からなのだった。

しかし、そんな自分が麗と結婚できたのが奇跡だと改めて感じ、怜子への思いを絶つ決意をした雅也は、結婚記念日のお祝いの提案をする。だが、その日は高校の同窓会だと麗は言うのだ。

かつて好きな食べ物も一致し、偶然のタイミングをつかんで一緒になった麗とはすれ違いになる一方で、断ち切ろうとする怜子とは偶然再会してしまう雅也。しかも、階段から転倒しそうになる怜子をキャッチし、手に怪我を負い、介抱されることに。

「やっぱり運命ですね」と怜子は言い、自分がこれまで自分から相手を好きになったことがないこと、相手に好きと言われても嘘がつけず「ありがとう」と返してきたことを明かす。

男の妄想そのもののような展開だが、そこで「好き」と言われた雅也の答えは「ありがとう」。これはいつも自身が使ってきた言葉であるだけに、怜子は「その言葉はイヤ」と返すのだった。そんな怜子に、ついに雅也は自分からキスをする。

受け身だったこれまでとは違い、もはや言い訳のできない段階に自ら一歩踏み出してしまった雅也。はたしてどうなるのか?

(文:田幸和歌子/イラスト:月野くみ)

【第6話(11月15日[月]放送)あらすじ】

怜子(山下美月)を助けるために怪我をした雅也(濱田岳)。怜子の家で手当を受けるが、終電間際になってしまう。「泊まっていってください」と言う怜子に悩んだ雅也は・・・。翌日、実家に帰っていた麗(小西真奈美)と沙織(宝辺花帆美)が帰宅し、結婚10周年のお祝いをした雅也はなんとか平静を装うが・・・。
一方の大学では、怜子の親友の彩菜が彼氏である誠(豊田裕大)の怜子に対する気持ちを疑いはじめていて・・・。盆栽教室の帰り、怜子から「助けてくれませんか?」と頼まれ、再び怜子の部屋にいくこといになってしまった雅也。しかし、そこにまさかの訪問者の登場で大ピンチに!

◆放送情報
『じゃない方の彼女』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送。
地上波放送終了後には、動画配信サービス「Paravi」にて配信中。
Paraviオリジナルストーリー「じゃない方の夜~恋は突然、生まれない。~」
を独占配信中。