モチはモチでも、ラブコメという米からできるモチはな〜んだ?
はい、答えは「ヤキモチ」です。
いいラブコメには「ヤキモチ」がつきもの。『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系/火曜22:00~)第3話は、みんな大好き「ヤキモチ」回でした。
「ヤキモチ」をやいている姿は、男も女も最高に可愛いのです
なぜでしょう。ラブコメ大好き人間の私ですが、昔からハグとかキスとか、いわゆるキュンシーンよりも、まだ付き合っていない、なんなら恋愛感情すら自覚していない2人が、相手が他の誰かと仲良くしているのを見てモヤモヤしたり、可愛げのない態度に出てしまったりするシーンの方が俄然キュンとします。
なぜなら、恋とは自分でコントロールができないもの。手に負えない感情に振り回されて、ジタバタしているときの表情にこそ、その人らしさというものが出るからです。
ということで、今回は明葉(清野菜名)が初めて「ヤキモチ」をやく回。家に帰ると、玄関に女性物の靴が。百瀬(坂口健太郎)の部屋から聞こえるのは、聞き覚えのない女性の声。どうやら百瀬には、美晴(倉科カナ)以外に、体の関係だけを目的とした相手がいるらしい。そう勘違いした明葉は割り切れない想いを発散させるように夜のバッティングセンターへ。そこで偶然出くわした麻宮祥子(深川麻衣)に「実は百瀬さんのこと、好きだったんですね」と指摘されます。
まあ、そうなのです。別に百瀬に好意がなければ、相手が何をしようが勝手。モヤモヤするのは、自分に何も関心を寄せてもらえていないことが寂しいから。明葉の中で、確実に百瀬はただの偽装結婚の相手ではなく、ひとりの男性になりつつあるのです。
一方、百瀬はといえば、明葉が唯斗(高杉真宙)に抱きしめられているのを見ても、相変わらずの能面顔。今のところ明葉のことはまったく女性としては意識していない様子。むしろ自分と同じフィナンシェを旭(前野朋哉)が美晴に買って帰ってきたのを見て、黙ってストールを置いていったときの方がよっぽど寂しそうでした。
ということで、ここからの見どころはズバリいつ百瀬が明葉に対して「ヤキモチ」を焼くかです。ラストの「友情のハグ」で距離が縮まったようですが、そこで男女として意識しはじめるかと思いきや、むしろ初めての女友達ができて、すっかり百瀬は明葉になついていくよう。なんだそれ。どれだけ可愛い生き物なんだ。
今期のドラマは子犬だったり忠犬だったり番犬だったり、犬系男子が盛りだくさんですが、その中で百瀬は我が道を行く猫系男子。とっつきにくそうに見えて、心を許せば膝の上でニャーゴロする、そんな百瀬を次回以降見られるなら、そのためだけに10年以上前に買った我が家のテレビを、最新の4Kテレビに買い換えたい。
確かに次回予告を見る限り、今までの無表情から一転、明葉に見せる顔も愛らしい微笑みが増えてきたみたいで。需要としてはよっしゃこーい!なのですが、肝心の「ヤキモチ」からは完全に遠ざかっている。早く坂口健太郎が「明葉さんは僕の妻なんで」って牽制するところとか、嫉妬を隠すように「いいんじゃないですか。僕たちは偽装結婚なんですから」ってムキになって強がるところとか見せてくださいお願いします。
百瀬と唯斗は、お互い"こじらせている"のが共通点?
そこでキーパーソンになってきそうなのが、唯斗です。異常にパーソナルスペースが近い唯斗は街中で平気でハグしちゃう、高杉真宙でなければ通報確実のパリピキャラです。とはいえ、単に根が明るいだけでもなさそうな一面が見えてきました。
「結婚なんて契約のひとつに過ぎないし、愛のない夫婦なんていっぱいいるじゃん?」
明葉と百瀬の関係を知った唯斗は、何でもないようにそう言いました。この発言から見るに、唯斗は夫婦という関係性、もっと言えば愛というものを信用していないのでしょう。それは自分の両親を見てのことなのか、あるいはこれまでの恋愛経験がそうさせるのか、今のところバックボーンはわかりませんが、少なくとも唯斗もまたやや"こじらせた"恋愛観の持ち主ではありそう。
つまり、百瀬が陰のこじらせ男子なら、唯斗は陽のこじらせ男子。一途に人を愛しているけど、それゆえに他人を寄せつけない百瀬と、永遠の愛なんて信じていないけど、他人の懐に入るのが上手な唯斗。根っこは同じ。でも、方向性が真逆に振り切った2人が、明葉との関わりを通じて、どう変化していくのか。どうぶつかっていくのかも期待したいところ。
次回は早速「あんたにアッキーはもったいないよ」と唯斗が百瀬に宣戦布告している場面が。基本的にこじらせているやつは全員まとめて大好物なので、おいしくいただきたいと思います!
最後に余談ですが、坂口健太郎、まじでスーツ似合いすぎじゃないですか? スーツは胸板で着るとよく言われますが、肩幅も広いし胸板も厚いし、クレリックシャツが似合いすぎる。脚長スラックスとか3倍くらい効果あると思うので、今すぐ「洋服の青山」のマネキンをすべて坂口健太郎にしてください。
(文:横川良明/イラスト:まつもとりえこ)
【第4話(11月9日[火]放送)あらすじ】
友情のハグをしたことで、初めての女友達ができたと喜ぶ百瀬(坂口健太郎)。食事は各自、お互いの食器は使わないという百瀬自身が決めたルールをまるっきり無視して、明葉(清野菜名)に懐きまくり。「友達」という言葉を嬉しそうに繰り返す百瀬の態度に、明葉は戸惑うばかり。
そんな中、温泉旅館の招待券を貰った百瀬は明葉を日帰り温泉旅行に誘う。百瀬への不毛な恋に悩みながらも、"友達だから"と結局は一緒に行くことにした明葉。覚悟を決めた出発当日、そこには美晴(倉科カナ)と旭(前野朋哉)の姿もあり・・・!
◆番組情報
『婚姻届に判を捺しただけですが』
毎週火曜日22:00からTBS系で放送中。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。
また、Paraviオリジナルストーリー「とにかく婚姻届に判を捺したいだけですが」が独占配信中。
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