2022年1月期に「JOUR」(双葉社)連載中の坂井恵理原作コミックを実写ドラマ化した『シジュウカラ』が放送されることが分かった。主演は山口紗弥加が務め、大九明子監督とのタッグで40歳という人生の節目を迎えた女性と22歳の青年の新たな年の差ラブストーリーが描かれるという。

本作は、「JOUR」(双葉社)連載中の、女性から圧倒的支持を得ている漫画家・坂井恵理による同名コミックが原作で、主人公は売れない漫画家・綿貫忍。自作は中々日の目を見ず、一方家庭では結婚長年アシスタントをしていた売れっ子漫画家のもとを離れ、筆を折る決意も固めた。しかし、10年以上前に描いて人気薄だった自作が、知らないうちに電子書籍で大ヒットし、新作を描くことを勧められた忍は、不安を抱きつつも挑戦することに。そこでアシスタントを募集したところ、応募してきた橘千秋という22歳の美しい青年と出会い、次第に惹かれていくという姿が描かれる。

そんな、恋と仕事、同時に訪れた「セカンドチャンス」に向き合う主人公・忍を演じるのは、確かな演技力と美しさを持つ、女優の山口紗弥加。働く女性として、妻として、母として、様々な葛藤の狭間で生きる40代女性をどう演じ切るのかに注目だ。

忍と恋に落ちるアシスタントの橘 千秋(22)役も近日公開予定だという。その他、忍の夫役や、新たな不倫相手...?などの情報にも期待が高まる。

【コメント紹介】

◆山口紗弥加

――「シジュウカラ」テレビドラマ化のオファーを受けた時の異気持ちは?

不倫×サスペンスと聞き、まずはタイトルの「シジュウカラ」を漢字と平仮名に変換しました。
「四十からの不倫は、サスペンス」。いただいたお話を有難いなと思いながら、一方で、血に塗れたドロドロの愛憎劇を想像し後退りする自分がいたのも事実です(笑)。

――原作を読んだ感想をお聞かせください。

予想に反し、妙にリアルな痛みを伴う社会派の作品でした。
私には夫も子供もいません。なのに前のめりになってしまうのは、同年代ということと、30代最後に訪れた連続ドラマ初主演の奇跡が主人公に重なるからかもしれません。
"18 歳差の恋"は私には現実味がありませんが、漫画の世界の御伽噺では終わらせない説得力も感じています。

――ご自身の役を演じるにあたっての思い、意気込みをお聞かせください。

私が演じる綿貫忍は、その名の通り言葉を飲み込み耐え忍び、年齢的に少しずついろんなことを諦めながらも、毎日を懸命に、穏やかに過ごそうとする女性です。
若くはなくとも気力・体力ともに充実した40 代で不意に訪れた"人生のセカンドチャンス"に戸惑い、悦び、悩みながら、結局は現実的な選択をしてしまう主人公には共感する部分が多くあります。
だからこそ、原作キャラクターを追いすぎず、私自身のリアリティで演じたい。そう思っています。

――視聴者のみなさんへメッセージをお願いいたします。

「ある属性からの、自立」
私はこの作品をこのように捉えています。もしかしたら、描かれることの大半が拒絶されるかもしれません。それでも挑戦したいと思うのは、この作品が、どこかの誰かの"突破口"になればと願うから。そしてそれは、私自身かもしれないからです。
この作品が、ひとりでも多くの方に届きますように......願いを込めて演じます。

◆大九明子監督

――原作を読んだ感想をお聞かせください。

ひやっとするサスペンス感があって面白かったです。

――山口紗弥加さんの印象をお聞かせください。

初めてお会いした日は雨でしたが、山口さんはいつも太陽があたってるみたいに眩しそうな目で、ずっとニコニコしていました。40歳から人生を獲得し直す、忍という主人公を一緒に作ってゆくのが楽しみです。

――視聴者のみなさんへメッセージをお願いいたします。

結婚している人の恋愛をはじめて描きます。忍とどこまで突っ走れるのか。お見届けいただけたら嬉しいです。

祖父江里奈チーフプロデューサー

結婚している人がパートナー以外の人と恋愛する、いわゆる「不倫モノ」ではありますが、この作品で描きたいのは男女のドロドロではありません。40歳を超えた女性が恋愛だけでなく仕事や夢、そして人生へどう向き合うかをふと立ち止まって考え直す物語です。不倫モノは苦手!とどうか毛嫌いせずご覧いただければと思います。

北川俊樹プロデューサー

「シジュウカラ」のコミックスを最初に読んだ時、いくつかのワードが頭に浮かびました。
「18歳差の恋」「年上の女性」「年下の男性」「女性のキャリア」「夫婦」「性暴力とは」......。
そして読み進めていく内に心に残ったのは、閉塞感を抱えて生きる不器用な主人公が何者かを目指すその生き様でした。
女性の生き様を描くのは自信ないが、不器用な人間の生き様なら描いてみたい。そう思い、女性層から圧倒的支持のある坂井恵理先生に恐れ多くもドラマ化の相談をしたところ、ご快諾していただきました。
原作の世界観を大事にしながらもドラマならではの展開を盛り込み、新しい年の差ラブストーリーを描いてきたいと思います。
そんな思いに賛同してくださったのが大九明子監督。女性主人公の素晴らしい映画をいくつも演出されています。
そして主人公・忍 役には山口紗弥加さん。数々の作品の中で女性を多面的に演じていらっしゃる魅力的なお芝居。
大九監督と山口さんの化学反応により、主人公の抱える年が離れた男性への複雑な想い、そして一人の人間が自分の人生と真剣に向き合う姿がどう展開されていくのか......。
1月からの金曜日に切ないのに見逃せない、そんな夜がやってきます。
是非、ご期待ください。

(C)「シジュウカラ」製作委員会
(C)坂井恵理/双葉社