あなたはこの"キテレツ白アスパラ"を愛せるか。それが、おそらくこのドラマを楽しめるかどうかの最大の分かれ道でしょう。

10月19日スタートの新ドラマ『婚姻届に判を捺しただけですが』(TBS系/火曜22:00〜)。500万の借金のカタに、会ったばかりの男と偽装結婚する。そんな現実ではちょっとありえないようなお話です。ここを「ありえない!」と回れ右するか、「何それ最高」と突き進むかは、あなた次第。

僕はと言うと、もう全力でアクセル踏んだ。なんならキノコとか使って、ちょっとスピードアップするレベル。

なぜなら、そこに"キテレツ白アスパラ"こと百瀬柊(坂口健太郎)がいるからです!

百瀬が坂口健太郎じゃなかったら、間違いなくぶっ飛ばしてます

主人公は、27歳のデザイナー・大加戸明葉(清野菜名)。今のところ結婚願望はゼロ。仕事が楽しく、ひとり時間を満喫している明葉にとって、結婚は不要な変化でしかなかった。

ところが、両親に代わって自分を育ててくれた祖母・初恵(木野花)の小料理屋を守るため、急遽700万円もの大金を用意しなければならない事態が発生。貯金が200万円しかない明葉は、残る500万円を知り合ったばかりの百瀬から借りることに。

借金の条件は、ただひとつ。愛のない結婚を望む百瀬と、偽装結婚することだった――。

この百瀬という男、率直に言うと、とんでもなくヤバいやつ。何かとうるさい世間をあざむくためのカムフラージュ婚というところまでは、まあギリギリわからなくもないです。この世の中は、独身に肩身が狭いようにできている。ここまで露骨じゃないにしても、親に「早く結婚して子どもの顔を見せてほしい」と言われたり、周りから「なんで結婚しないの?」と聞かれるのが面倒くさくて、とりあえずとっとと既婚者になりたい、と思っている20〜30代はそこそこいる気がする。

ただ、その手口がエグすぎる。祖母の入院先へ強引についていき、ちょっと目を話した隙に初恵と仲良くなって、明葉と付き合っていると偽称する。これはもうただの顔がいい詐欺師です。

しかも結婚しようと考えているとまでうそぶき、せがむ祖母の前で婚姻届にサインまでさせる手口の鮮やかさ。「おばあさまが悲しみますよ」とささやくその語り口は、完全にゆすりのテクニック。なんならこのまま壺とか買わされそう。

そんなコンフィデンスマン・百瀬の口車に乗せられ、結局明葉は百瀬と結婚することに。婚姻届を突きつける明葉に、「その逆プロポーズ、お受けしましょう」とドヤ顔の百瀬。え・・・? 最初にプロポーズしてきたのはそっちじゃない・・・? なんでこんな上から目線なの・・・?

一緒に暮らしはじめてからも、鍵をダイニングテーブルに置いたら注意され、くどくどと生活ルールを説明され、シンプルに言って、この人、めちゃくちゃ面倒くさい。これで坂口健太郎の顔じゃなかったらぶっ飛ばしてるからな〜〜というレベル。

だがしかし、ここで見限るのはあまりにももったいない。なぜならこの百瀬という男は、ギャップ萌えの塊だからです!!

これから3ヶ月、坂口メガネ健太郎が生きる糧になりそうです

第一のギャップは、その寝起きの悪さ。朝が弱い百瀬は、目覚まし時計をいくらセットしても、なかなか起きられない体質。しかも苦情を言いに部屋に入ったら、とんでもないカッコで寝てた。なんだこの寝相の悪さ。一回ベッドから落ちたのにまだ起きないの?

しかもそれが、普段はビシッとスーツを決めて、完璧そうに振る舞っている百瀬だからたまらない。

第二のギャップは、わりと素直。話す内容は理屈っぽく、常に態度はナチュラル失礼な百瀬だけど、寝起きの悪さに関しては潔く非を認め、「これから毎朝、大加戸さんが僕を起こしてください」と殊勝な顔で提案。決して話が通じないタイプではないのです。

しかも、事務所の前で明葉を待っているときの百瀬は、完全に廊下に立たされた小学生状態。坂口健太郎は、身長183cmとスタイル抜群。あっさりした顔立ちなので、どちらかと言うと落ち着いて見えるタイプなのですが、なぜかたま〜に妙な子どもっぽさが漏れ出てくる。

今回で言えば、怒った明葉がいきなり自分の部屋に入っていったときの「ここは僕の!」の台詞も、普段よりずっと高めの声で、なんだか泣き虫の少年みたい。坂口健太郎には一生「俺」ではなく「僕」と言い続けてほしい。

さらに、第三のギャップが、なんか可愛い。部屋のインテリアや普段のファッションを考えると、明葉に渡した目覚まし時計の電池はもっとシンプルなものでいいはずなのに、なぜかキャラクターもので妙にファンシー。これを百瀬が自分でセレクトしたのだと考えると、ちょっと引き出しの中とか全部見せてほしい。普段人前で使っているのはモンブランの万年筆だけど、家では絶対ポケモンのボールペンとか使ってそう。

寝起きは超絶テンションが低いくせに、むにゃむにゃ言いながらも、起こした明葉に「ありがとうございます」とお礼を言うところとか、デカい息子にしか思えない。今すぐ毎朝お弁当つくりまーす!

その上で、やたら上等そうなパジャマを着ているところだったり、家ではメガネをかけてるところだったり、一緒に住んでいるから覗けるプライベートに品の良さと知的さが感じられて、なんつーかありがてえ。これから3ヶ月、坂口パジャマ健太郎とか、坂口メガネ健太郎を補給できるのだと思うと、忙しい年末もなんとか乗り越えられそうです。

ふたりが恋におちるのはわかっている。早くキュンキュンさせてくれ!

ストーリーとしては、絶対に好きになるはずのない百瀬のことを、明葉がどんどん好きになっていくのはもう目に見えているので、そんな片想いのドギマギを安心して楽しませていただきたい。ダイニングには、借金の残額が書かれたホワイトボードがかけられているけど、この数字がどんどん減っていくことにせつなさを感じる2人の未来が、占い師じゃなくてもはっきり見えます。

また、百瀬の不毛な恋の相手は、兄・旭(前野朋哉)の妻・美晴(倉科カナ)のようで。百瀬とはまったくタイプが違うだけに、そんな兄を好きになった美晴が百瀬に傾くことは絶対になさそう。これはもうボーナスゾーンだと思って、叶わぬ片想いに翻弄される坂口健太郎をたっぷりと拝ませていただきたいと思います。

他人と深く関わる生活を望んでいなかった明葉と百瀬が、この偽りの夫婦生活を経て、どんなふうに変わっていくのか。とりあえず、坂口健太郎を毎朝起こす仕事がリクナビNEXTに載っていたら、今すぐ応募したいです!

(文:横川良明/イラスト:まつもとりえこ)

【第2話(10月26日[金]放送)あらすじ】

百瀬(坂口健太郎)と偽装結婚して、早2週間。

・・・他人同士が突然一緒に暮らし始めてうまくいくわけがなく。キッチリしている百瀬の生活スタイルに合わせるズボラな明葉(清野菜名)。さらに、趣味のカプセルトイ集めに文句を言われ、明葉はイライラで我慢の限界!!

そんなある日、明葉が家に帰るとそこにはなぜか百瀬の兄・旭(前野朋哉)が。百瀬に週末だけ、モモズ弁当を手伝って欲しいというお願いにきていたのだ。バイト代に目がくらんだ明葉は、仕事の百瀬に代わってお店を手伝いに行くことに。

初の百瀬の実家で、義兄嫁の美晴(倉科カナ)とも仲良くなれ、浮かれ気分の明葉。料理が苦手なので多少(?)の失敗はあったけど、できることは率先してやりたいと頑張っていた。だが、明葉が良かれと思ってやったことが、取り返しのつかない大失敗に!! 百瀬からもキツイことを言われ、明葉は落ち込むのだが・・・。

◆番組情報
『婚姻届に判を捺しただけですが』
毎週火曜日22:00からTBS系で放送中。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信中。
また、Paraviオリジナルストーリー「とにかく婚姻届に判を捺したいだけですが」が独占配信中。