企画・原作を秋元康、演出を三木康一郎が手掛ける "不倫コメディ"『じゃない方の彼女』(テレビ東京)の第二話が10月18日に放送された。特別目立つことのない人生を送ってきた「じゃない方」の男性で大学准教授の雅也(濱田岳)は、とあるアクシデントから女子大生・怜子(山下美月)と知り合い、彼女が自分の勤める大学の学生だったこと、趣味の盆栽教室が一緒だった偶然などを経て、頬に突然キスされる。
この"天然魔性"ぶりに戸惑う雅也は、翌日の講義中、気もそぞろだ。しかし、忘れようとする中、怜子が教官室を訪ねてくる。しかも、周囲の目も気にせず、「このあいだはご馳走様でした!」と明るく言い、慌てる雅也が「あらぬ誤解が・・・」と部屋をわざと開けておこうとすると不思議そうな顔。さらに「お礼」としてクッキーを渡す。
ますますうろたえ、固辞する雅也に「硬すぎます!」「早くしまって!」と強引に渡し、さらに飲みかけの缶コーヒーを「これもらっても良いですか?」と飲んでみせる。マイペース美女に強引に押し切られることも、"間接キス"も、大昔から少年漫画などで描かれてきた男子の妄想ド定番だ。
ただし、大きく異なるのは、主人公が既婚者であること。
だからこそ、盆栽教室で「今日どうします? またご飯でも行きますか」と誘われても、めいっぱい理性を保って断るのだが、「じゃ、間をとって連絡先だけ交換しましょ」と意味不明なことを言われて、つい応じてしまったり、LINEのやり取りで浮足立ってしまったり。
しかし、雅也の場合、妻(小西真奈美)は明るく可愛く、夫婦仲も悪くないだけに、罪悪感は募るばかり。だからこそW不倫中の講師で大学の先輩(山崎樹範)に対して、唐突に大声で「いいかげん不倫なんてやめたらどうですか!? 愛する家族を裏切るなんて絶対ダメですよ!! 僕はね、絶対に先輩みたいにならないですからね!!」と自分に言い聞かせるような妙な「宣言」をしてしまう。
そして、その気持ちを必死で保ちつつ、怜子と距離をとろうとするが、盆栽教室の飲み会で、思いがけず距離が近づいてしまうのだ。大学のレポートで遅れて飲み会にきた怜子とは席が遠く、会話もなかったが、酔った雅也が千鳥足で帰るところを追いかけて来て、水をくれる。そして、あと1時間で20歳になるから、一緒に乾杯してくれと言うのだ。
男性の様々なベタな妄想胸キュンを詰め込んだ同作において、一緒に彼女の二十歳の瞬間を祝うのは、ちょっと斬新。これは思春期男子には手が届かない、二十歳をとっくに過ぎた男性だからこそ味わえる妄想である。
しかし、そこまでならまだ罪は軽かったが・・・気づけば雅也は見知らぬ部屋のベッドにパンツ一丁で寝ていた。そして、隣には穏やかな顔で眠る怜子が。一線を越えたかどうかはともかく、これは完全にアウト。山下美月の小悪魔えくぼと、濱田岳の絶品のうろたえ芸が早くも笑えないステージに突入したのだろうか!?
(文:田幸和歌子/イラスト:月野くみ)
【第3話(10月25日[月]放送)あらすじ】
雅也(濱田岳)は怜子(山下美月)の20歳の誕生日を公園でお祝いしていたはずが、目が覚めると横には怜子の姿が・・・。昨夜の出来事が思い出せない雅也。二人に関係はあったのか? なかったのか? 雅也は怜子とはきっぱり一線を引こうと決めるが・・・。そんな中、妻・麗(小西真奈美)からは「やましい事あるんじゃないの?」と言われてしまい・・・。さらに、怜子からも思わぬ言葉が! 運命の恋が新たなピンチを迎える!?
◆放送情報
『じゃない方の彼女』
毎週月曜23:06からテレビ東京系で放送。
地上波放送終了後には、動画配信サービス「Paravi」にて配信中。
Paraviオリジナルストーリー「じゃない方の夜~恋は突然、生まれない。」を独占配信中。
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