益田ミリの同名人気漫画を原作とし、原田知世が主演を務める連続ドラマ『スナック キズツキ』(テレビ東京)の第2話が10月15日に放送された。傷ついた客だけがたどり着く不思議なお店"スナック キズツキ"に、今回訪れるのは「安達さん」(平岩紙)。前回、成海璃子演じるコールセンターのオペレーターに、購入したローテーブルの脚が1本短いとクレームをつけてきた女性だ。

クレームの内容自体は「正論」だが、逃げ場なく相手を追い詰めていく話の運びを聞いていると、ちょっと他人事と思えず自省の念に駆られてしまう。実はこういう責め方は職場で、家庭で、よく見られる光景ではないか。しかし、キズツケていた安達さんも実は普段は誰より「言いたいことが言えず、キズツイている人」だった。

職場のお総菜コーナーでは、サバの竜田揚げを注文した客から、欠けている身が多く入っているから入れ直してくれと言われたり、グラムきっちりに入れることを要求されたり。同僚からはいつも前日にシフトを代わってくれと言われ、歯医者の予約があるからと断っても、やんわり押し切られたり、余りものの総菜も好きな方を先に選ばれたり、挙句、交代してあげたシフトを相手の都合で元に戻されたり。バスに乗っても、隣席の大股開きのサラリーマンに場所をとられ、隅っこで小さくなるという憂き目に遭い、思うのだ。「損してばかり」と。そうした日常の中のモヤモヤが積み重なって、フラフラと迷い込んだように誘われたのが、スナック キズツキだ。

路地に入るときの劇伴は、ちょっと魔法の国に迷い込んでいくようなファンタジー感あるワクワクする雰囲気だ。そして、地下に入ると現れるのが、お酒を出さない不思議なスナックと、ファンタジーな不思議な空気感のあるママ・トウコ(原田知世)だ。

「今日もおつかれさん」と言われ、美味しいラッシーに癒されつつ、安達さんが振り返ってしまうのは子どもの頃から損ばかりしている日々。お姫様役をやりたいから代わってと言われ、自分はモブキャラになったり、妹は新しい服を買ってもらったのに、自分は姉のお古をもらったり、パン屋で買おうとしたラスト1個のクロワッサンを子どもが欲しがっていたために譲ったり。自己主張の激しい人に押し切られ、つい愛想よく振る舞ってしまう性質は、何かと損ばかりだ。

「あんた、ピアノやってた? そういう指してるね」不意にトウコに聞かれ、驚くと、小さなクルリと巻かれた「ロールピアノ」が2つ。そこでトウコは弾き語りを始め、安達さんも自然に歌ってしまうのだ。

「今日も~客は~主張する~♪」

コールセンターへの問い合わせで怒り出したら止まらなくなってしまったのも、「だって、みんなもっと主張してる~」からだ。そして思う。「こんな私じゃなかった・・・」

不思議な店で、小さなモヤモヤを吐き出し、スッキリした表情の安達さん。こうなると気になるのは、リレー方式になっている次のゲストだ。

お総菜屋の客として「主張」してきた西田尚美(テレビ東京前クールドラマ『うきわ』出演)か?と思ったら、正解は「バスの座席で大股開きという主張をしてきた」隣席の男(塚地武雅)だ。

豪華なワンポイント出演もあるだけに、キズツケ→キズツキのリレーの紡がれ方を読むのも楽しみの一つである。

(文:田幸和歌子/イラスト:たけだあや)

第3話(10月22日[金]放送)あらすじ】

今回スナック キズツキを訪れる傷ついた客はサラリーマンの佐藤悟志(塚地武雅)。会社では後輩(小関裕太)の態度が気になるが口に出せず、自宅では母親(丘みつ子)との地味な二人暮らし・・・。スナック店主のトウコ(原田知世)が佐藤に勧めるのは、なんとエアギター! 『人生の成功ってなんだ!?』今までため込んでいた不満をシャウトする。

◆放送情報
『スナック キズツキ』
毎週深夜0:12からテレビ東京で放送。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」でも配信されている。