野村宗弘の漫画『うきわ』を原作に据え、門脇麦×共演・森山直太朗がお隣同士の危うい関係"サレ妻×サレ夫"を演じる『うきわ--友達以上、不倫未満--』(テレビ東京)の第7話が、9月20日に放送された。

前回、会社の納涼祭で夫「たっくん」こと拓也(大東駿介)の浮気相手が福田(蓮佛美沙子)だと知ってしまった麻衣子(門脇)。しかし、麻衣子は自分がそれを知ったことを夫には言わないでくれと福田に言い、その夜、家を出る。麻衣子が今守ろうとしているのは、たっくんとの夫婦生活ではなく、「壁1枚隔てた二葉(森山)さんとの日々」なのだろう。その一方で、やりきれない思いが溢れ出しての「家出」だったのか。

その頃、麻衣子がいなくなったと拓也に聞いた二葉は、必死で走って探し回る。河原でしゃがみこむ麻衣子の姿を見つけた二葉の律義な行動――麻衣子に声をかける前に夫・拓也に電話で知らせる――が、なんとも言えず「二葉さん」らしい。

そこで二葉は、麻衣子に自分がうきわだったと言われて嬉しかったと言い、こう告げる。「僕にとっても中山さんが"うきわ"でした」

そこに拓也が現れ、自宅に連れ戻された麻衣子だが、二葉のその一言が心の中でリフレインしている。すると、二葉の妻・聖(西田尚美)がパート先のクリーニング屋にやってくる。聖が去った後、二葉のジャケットをふんわりと自然に抱き寄せる麻衣子の仕草には、「友達以上、不倫未満」の愛おしさが溢れていた。たっくんに憎しみや怒りを抱いている時期ならともかく、心の中にもういない今、中山家は修復不可能に見える。

にもかかわらず、そのとき、それぞれの夫・妻の二つの「うわき」が終わろうとしていた。

福田に会社の会議室に呼び出された拓也は「もう私たち終わったのに?」「ただの同僚ですよ」と言われる。実は福田は、「武器」としていた東大出のエリート彼氏とも別れていた。周囲の評価を気にして、社会で勝つことばかり意識していた福田にとって、打算の埒外にある「恋愛」として既婚者の拓也を利用していた部分もあったのだろう。その割り切りに、年下ながら達観した愛宕(小西桜子)の存在があるのは、一種のシスターフッド的でもある。

一方、聖は、出産後すぐに仕事に戻り、管理職になることが決まった同僚に嫉妬やしんどい思いを抱く。福田と聖――どちらも不倫スル側の女性だ。

しかし、「仕事もデキてエリートの彼氏もいて何でも持っている」ように見えて、素直な気持ちの逃げ場として不倫していた福田と、「仕事も子育てもどちらも捨てず、全部持っている」ように見える同僚に嫉妬して、そこから逃げ出すように不倫に走った聖と--―二人の対比は実に皮肉で、生々しい。

サレ妻×サレ夫の二人の気持ちとは別に、2つの浮気が一気に収束し、元通りになったかに見える中山家と二葉家だが、実は二葉に転勤の話が・・・。精神的な「うきわ」で結ばれた麻衣子と二葉はこのまま離れるしかないのか。

(文=田幸和歌子/イラスト=月野くみ)

【最終話(9月27日[月]放送)あらすじ】

麻衣子(門脇麦)は二葉さん(森山直太朗)と離れたくないという思いで、たっくん(大東駿介)との離婚を留まり、遠巻きに二葉さんを応援すると決めた。しかし、二葉さんが福岡に転勤!?そんな中、二葉さんから「来週の火曜日は空いてますか?」というメッセージが届いて・・・。二葉さんは、麻衣子に伝えたいある思いを秘めていた。麻衣子と二葉さんの決意が招く二人の未来とは!?

◆番組情報
『うきわ ―友達以上、不倫未満―』
毎週月曜23:06よりテレビ東京系にて放送
地上波放送終了後に動画配信サービス『Paravi』にて配信中。
見逃し配信のほか、Paraviオリジナルストーリー「うきわー他人以上、友達未満ー」を独占配信中。