野村宗弘の漫画『うきわ』を原作に据え、門脇麦×共演・森山直太朗がお隣同士の危うい関係"サレ妻×サレ夫"を演じる『うきわ--友達以上、不倫未満--』(テレビ東京)の第6話が、9月13日に放送された。
麻衣子(門脇)はとうとうベランダで互いの間を隔てていた壁を乗り越え、二葉(森山)のもとに行く。しかし、突然、帰りが遅いはずだった二葉の妻・聖(西田尚美)が帰って来て・・・。聖になじられた麻衣子は言う。「自分だって浮気しとるくせに!」
突然きた修羅場。しかも「自分だって」? いやいや、現時点では別に浮気しているわけじゃ・・・と思ったら、これは麻衣子が二葉のことを思う後ろめたさからくる妄想で、気づいたらベランダから飛び降りて外にいた。
一方、そんな思いも知らず、たっくん(大東駿介)は麻衣子の奇妙な言動に、自分の浮気がバレたのではないかと冷や冷やする。それどころか、浮気相手の福田(蓮佛美沙子)に「俺らのこと、誰かに話した?」と直接聞くとは、どこまで自分本位なのだろう。
心ここにあらずの状態で「携帯見られた? でも俺、顔認証だよ。パスワードか? でも、俺、最近パスワード変えたんだよ」と小心者丸出しに呟く姿を見たら、100年の恋も冷めそうなものだ。しかし、残念ながら福田が好きになった理由も、距離感がバグッた"陽キャ"ぶりにあったことが、大学時代の回想シーンでわかる。
真面目で地味な学生だった福田は、フレンドリーで明るいたっくんに惹かれ、同じ会社に入社したところ、たっくんが広島支社から東京本社に転勤になってきたのだった。エリート彼氏を自分が社会で勝つための「武器」と考える福田にとって、たっくんは純粋に「恋」の相手だった。だからこそ、自分の美しい記憶も汚した不倫の代償は大きい。
さらに浮気する側・される側の福田と麻衣子を出会わせてしまうのが、「納涼祭」。社宅で屋台を出すという、前時代的な地獄のイベントである。
麻衣子にとっては、二葉が妻・聖と一緒に仲睦まじく参加する姿を見るのは、面白くない。おまけに、トイレの個室にいるとき、偶然にも愛宕(小西桜子)が福田に不倫についてツッコむ会話を聞いてしまう。欲しいモノをだいたい手に入れていると愛宕に言われた福田は、「疲れちゃった」「来る球全部打ち返してきた」と漏らし、呟くのだ。「中山さんの奥さんにはこんな悩みないんだろうなぁ・・・」
そして、この一言が、トイレから出るタイミングを失っていた麻衣子を奮い立たせる。「悩みだったら、私にだってあります」と福田と対峙し、あなたが羨ましいと言い、お気楽そうに見られる"主婦"としての皮肉をぶつける。
「その高いシャツ似合ってますし」
「気楽」「おっとり」とか「華やか」「仕事がデキる」とかは、どちらも表層的なもので、本質的な苦しみは傍からは分からない。そんな地獄の局面で、愛宕は提案する。「ここはスカッと、ビンタじゃないですか」。そして、福田にはこう言うのだ。
「試合にも放棄権はあるんですよ」
「外野のヤジに振り回されず、打つ球くらい自分で見極めましょ」
SNSを見ると、女性視聴者の中には愛宕を「ウザイ」「苦手」「KY」と嫌う人も多数いるようだが、実際には空気が読めすぎ&頭がキレすぎるゆえの"KYぶりっ子"だろう。気持ちの良いキャラだと思うのだが。
そんな修羅場を経て、たっくんと福田、さらに聖と陶芸の先生・田宮(田中樹)という二組の「うわき」が終わりを迎えていた。
しかし、皮肉にもその夜、二葉は夢を見る。そこには溺れそうな自分と、投げられた「うきわ」、それを引っ張る麻衣子の姿が・・・。感情を表に出さず、自分を守ってきた二葉にとっても、いつの間にか麻衣子の存在は救いになっていたのだ。だが、そんな中、麻衣子が姿を消す。「うきわ」でつながる男女はやはり成立しないのだろうか・・・。
(文=田幸和歌子/イラスト=月野くみ)
【第7話(9月20日[月]放送)あらすじ】
「僕にとっても中山さんが"うきわ"でした」二葉さん(森山直太朗)からの言葉に、自分も誰かの救いになれていたんだと、喜びを感じる麻衣子(門脇麦)。しかし、二葉さんの妻・聖さん(西田尚美)は田宮(田中樹)と別れ、麻衣子の夫・たっくん(大東駿介)も福田さん(蓮佛美沙子)と別れ...。「お互い元通り」だと言う二葉さんに、麻衣子は新たな決意をしていた。そんな中二葉さんから衝撃の事実を打ち明けられ・・・!
◆番組情報
『うきわ ―友達以上、不倫未満―』
毎週月曜23:06よりテレビ東京系にて放送
地上波放送終了後に動画配信サービス『Paravi』にて配信中。
見逃し配信のほか、Paraviオリジナルストーリー「うきわー他人以上、友達未満ー」を独占配信中。
- 1