――前作の印象はいかがでしたか?

とてもいい作品に巡り合えたなと思いました。シーズン1の時は、桃ちゃん以外とほとんど会えていなかったんですが、キャストの皆さんが魅力的で「このドラマに関われて本当によかったな」と実感しました。

――前作からの続投となりますが、シーズン2への出演のお話を聞いた時のお気持ちは?

「果たしてシーズン2にAくんは登場するんだろうか・・・」と思っていたんです(笑)。無事、登場させていただいたことが素直にうれしかったですし、またAくんを演じられるということだけでなく、今回はAくんにも深掘りがあるんです。前作で演じたキャラクターの内面が見られる脚本を書いてもらったことは、いち俳優として光栄でした。

前回はAくんのバックボーンを想像して演じていたんですが、シーズン2では改めてAくんの背景がわかってキャラクターを知ることができたんです。「スタジオデルタ」のメンバー以外でも何かを抱えているというか・・・ちゃんとストーリーがあるんだなと思って、よりAくんが好きになりました。この作品に、さらに奥深くまで参加できたなという気持ちになりましたね。僕自身、Aくんのバックボーンがあったからこそ、桃ちゃんとの時間が大切だったんだなということを知ることができました。

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――桃ちゃん(内田)の本命・Aくんを演じる際に気を付けたことは?

Aくんは桃ちゃんが惹かれる要素を持っている人物なので、Aくんの持っているドSだけではない柔らかさとか、無理やりなところもあるけど和らぐような瞬間もあったらいいなと思っていました。例えば、シーズン1の1話の、タクシーで桃ちゃんの家に向かうシーンで、桃ちゃんに「今日はどこ行くの?」と聞かれて、桃ちゃんの家に突撃しようとしたところとか。行動は無理やりなんだけど笑顔を見せたりして、桃ちゃんが「もう~」とか思いながらもYESとなってしまう・・・そういうAくんの一面も見せられたらと思いました。Aくんの緩急をのぞかせることで、桃ちゃんがAくんを好きな理由も何となく伝わるようにと意識しました。

――シーズン2では桃ちゃんと松田くん(小関裕太)、Aくんとの三角関係も展開していきますが、今回Aくんに改めて人間味を感じる部分は?

きっと前作を通じて、この作品を桃ちゃん目線で見てくださっている方が多いと思うんです。その桃ちゃん目線でいうと、Aくんって悪い男というか・・・「桃ちゃんに悲しい思いをさせないでよ」っていう感じが強いと思うんですよ。だからAくんを敵視する人もいたんじゃないのかな。けど今回はそんなAくんにも、「こんな事情があったんだ」って思うようなことがあったりして・・・。そういうAくんのバックボーンに関しては、共感できる人が少なくないと思うんですよね。

なので「Aくんにとって、桃ちゃんはどういう存在だったのか」っていうことが、このシーズン2で視聴者の方に気づいてもらえたらいいなと思います。Aくんは桃ちゃんといる時の顔しかほとんど見せてこなかったんですが、シーズン2では外でのAくんの顔が少し見え隠れするんです。「桃ちゃんとの時間って、Aくんの中では幸せだったんじゃないか、居心地がよかったんじゃないか」っていうことを思ってもらえるシーンがあるので、そこはAくんに対して視聴者の方も、必ずしも「それじゃダメだよ」とは言い切れないんじゃないかなと思います。

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――改めてシーズン1の撮影を振り返るとどんなところが大変でしたか?

シーズン1の1話で、三木康一郎監督がAくんの良さを引き出してくれて。僕自身もいろいろ自分からアイデアを出したりして、それに反応してくださったりしたので、すごくやりがいも感じました。最初に台本を渡された時は、Aくんが今後どうなるかということも、まだ見えていなかったんです。役の人物像をいかに短時間で見せられるかを意識しながら挑戦していました。

――この機会に前作を見返すとしたら、おすすめ&お気に入りの場面は?

シーズン1の序盤でのシーンの時、とにかく室内が寒かったんです。それで(内田さんと)2人ともベッドから動かない、ということがありました(笑)。普段はセッティングの邪魔にならないように自分で場所を見つけて待機しているんですけど、ベッドって、すでにセットの中にあるものなので、そこをスタッフさんが通らないんですよ。だから逆にそこから動かない方が邪魔にならないだろうという意味でもベッドにいたんですが、本心は寒いから布団から出たくないという気持ちでした(笑)。

――シーズン1の10話で、桃ちゃんと松田くんがいるレストランで、AくんとAくんの本命彼女と鉢合わせするシーンも印象的でした。

あの時に初めて小関くんとも同じシーンが撮れましたね。あの時はちょっと松田くんに対してAくんがジェラシーを感じるシーン。あの時のAくんはジェラシーを感じているのに、「この気持ちは何だろう」状態なんですよね。桃ちゃんの前では平気なふりをしているけど、そういう部分はシーズン2になるともっと見えてくるというか・・・。Aくんが平気そうなふりをしたいんだけど、それって出来てるのかな、みたいなシーンも出てくるので、楽しみにしてほしいです。

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――タイトルにちなんで、"来世ではちゃんと"したいことは?

そうですね・・・「来世でちゃんとしたいことは今世でちゃんとする」というか。だから「ない」ですね。後悔がないように生きたいです。

――視聴者の皆さんにメッセージをお願いします。

「来世ちゃん」は、どこにでもあるような悩みを持った人たちが、苦しみながらもゆるく生きている様が描かれていると思うので、見ていると共感できる人がきっとみつかると思います。そんな人を見つけられたら、この作品もより一層楽しめると思うので、まだ怖くて見れていない方も一歩踏み出してもらえたら。

そして、シーズン1を見ている方は、シーズン2を見て、「来世ちゃん、帰ってきた!」と感じていただけると思います。1話で「これが来世ちゃんだったなぁ」と思い返してもらえると思うし、その後は「このキャラクターにこんな試練が与えられたらどうするんだろう」という、それぞれのキャラクターの試練みたいなものがあるので、本人たちがそれをどう乗り越えていくか、その先の人生をどう生きていくのかを見ていただきたいです。

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(撮影:高橋将志)

【Hair & Make-up】時田ユースケ(ECLAT)
【styling】山本隆司<style³>

◆番組情報
『来世ではちゃんとします2』
毎週水曜深夜0:40からテレビ東京ほかにて放送中
また、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」で毎週水曜夜9:00から毎話独占先行配信中