野村宗弘の漫画『うきわ』を原作に据え、門脇麦×共演・森山直太朗がお隣同士の危うい関係"サレ妻×サレ夫"を演じる『うきわ--友達以上、不倫未満--』(テレビ東京)の第4話が、8月30日に放送された。
早朝のゴミ捨て場や、ベランダで壁1枚をはさんでの会話から交流を深めていた隣人同士の麻衣子(門脇)と二葉(森山)は、初めて社宅を離れ、二人で食事をする。向かい合わせで照れつつも、二葉夫婦の過去の話題に。その頃、二葉の妻・聖(西田尚美)もまた、浮気相手で陶芸教室の先生・田宮(田中樹)に夫婦関係について問い詰められていた。
2人がそれぞれに語る同じ時間――しかし、そこには子どもを持つことや家族観に対する女性と男性の差や、個人差から、別々の景色が見えてくる。30歳までに子どもが欲しかったという聖に対し、二葉は「それは聖さんが欲しいとき。僕はいつでも」「お互いのんびりいこう」と言う。
それを二葉は「言葉選びが下手だった」と、聖は「ツボを押し間違えてる指圧師みたい」と、それぞれ振り返る。おそらくこの時点でもまだ二葉は聖の本当の痛みに気づいていない。言葉の選び方を間違えたわけではなく、痛くない場所ばかりさすり続けていたのだろう。
妻を大切に思うからこその二葉の優しさは、「僕」という主体のなさにつながり、夫婦二人の問題であるはずが、聖一人の問題にしてしまっていた。次第に「笑顔が好きだった」聖は笑わなくなり、「(聖の)気持ちがつかめなくなった。全然とれないUFOキャッチャーみたいに」と言う。
そこに追い打ちをかけてしまったのが、仕事を辞めて不妊治療しようかと言う妻に対する「僕は今のままでも良いと思ってるよ」の言葉だ。大切だから妻に無理をしてほしくなかったという二葉と、大切なら無理して欲しかったという聖。
もっと早く互いに本音をぶつけ合えていたら、こんな悲しいすれ違いは起こらなかったのだろうか。しかし、一番近い存在のはずなのに、一番言いたいことが言えない相手が、実は夫婦なのかもしれない。
しかも、そんな聖に笑顔を取り戻してほしくて、二葉が勧めたのが、田宮の陶芸教室だったのだ。それを聞かされる田宮の気持ちも複雑だろう。
そして、二葉夫婦の歴史を聞いた麻衣子は、思わず二葉の手をとってしまう。すると、二葉はちょっとかたまり、握り返さず、そっと離してタクシーを止めに行ってしまう。
そしてタクシーの中でその行為を二葉にたしなめられる夢を見るほど反省し、二葉を避けるようになる麻衣子だが、ついベランダこしに聞き耳を立ててしまうし、風呂掃除をしながら天井裏づたいに隣室の様子をのぞきに行く妄想をしてしまう。互いに一歩踏み出すことなく、自身の中のモヤモヤと向き合い続ける麻衣子と二葉は思春期の男女のよう。
その一方で、浮気相手(蓮佛美沙子)に「東大出のマッチョ」との恋の噂があることを知り、トレーニングに励む浮気夫・たっくん(大東駿介)の明るい単細胞ぶりは、清々しいほどだ。
(文=田幸和歌子/イラスト=月野くみ)
【第5話(9月6日[月]放送)あらすじ】
二葉さん(森山直太朗)という浮き輪を失った麻衣子(門脇麦)。そんな麻衣子の心ここにあらずの状態に夫のたっくん(大東駿介)は自身の不倫がバレたのでは?と動揺する。一方、麻衣子は佐々木くん(高橋文哉)に「表情には出すくせに言葉にするのが苦手」と痛いところを突かれ、募っていた二葉さんへの思いが走り出してしまい・・・。ベランダで再会した夜、思わぬ行動に出る!
◆番組情報
『うきわ ―友達以上、不倫未満―』
毎週月曜23:06よりテレビ東京系にて放送
地上波放送終了後に動画配信サービス『Paravi』にて配信中。
見逃し配信のほか、Paraviオリジナルストーリー「うきわー他人以上、友達未満ー」を独占配信中。
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