野村宗弘の漫画『うきわ』を原作に据え、主演・門脇麦×共演・森山直太朗がお隣同士の危うい関係"サレ妻×サレ夫"を演じる『うきわ--友達以上、不倫未満--』(テレビ東京)の第2話が、8月16日に放送された。
夫「たっくん」こと拓也(大東駿介)の転勤で上京し、東京暮らしを始めた麻衣子(門脇)は、毎晩帰りが遅い夫が浮気していることを知ってしまった前回。きっかけは、夫のスマホに表示された登録名「車修理110番」からのメッセージ「今夜もうちに来ますか?(ハート)」。麻衣子の心象風景として描かれるのは、海辺でプロポーズされた思い出と、そこから不意に海に飲み込まれて溺れる自分、そして投げられた「うきわ」だ。相手を海に突き落とす「うわき」と、そこから救う「うきわ」――似て非なる言葉のリンクが美しい映像で描き出される。
翌朝、夫と食卓で向き合う中、次々に浮かぶ「うわきしてるの?」「あいてはだれ?」のシンプルな言葉が言えず、ご飯と一緒に飲み込む麻衣子。ご飯に海苔の文字で浮かびあがる疑惑の言葉は、海苔文字愛妻弁当のようで、なかなか皮肉が効いている。遠回しの質問「二葉さん(森山)はなんで帰り、早いのかなあ」には「あの人は仕事デキるから」とあっさり返され、「じゃあ、たっくんも二葉さんみたいにデキる人に早くなってね」と精一杯の嫌味で言っても「いや、俺も別にデキないわけじゃないよ」。頑張って踏み込んだつもりが、有効打にならないばかりか、むしろモヤモヤを増幅させてしまうことが多いのはなぜだろうか。
一方、二葉も妻に結婚記念日で夫婦茶碗をプレゼントされるが、それは妻が会いに通う男(田中樹)の陶芸教室のもので、苛立ちを募らせる。二葉も同じく「言いたいことが言えない」タイプだ。
似たところがあるからか、早朝のゴミ捨て場で顔を合わせ、ベランダで壁1枚をはさんで会話する麻衣子と二葉の距離は近づいていく。夫の浮気について探りたい麻衣子が「あのー、えっと」とモジモジしていると、二葉は「中山君(拓也)のことですか?」と察し、仕事ぶりなどを褒めてくれるが、そこで何かが決壊したように夫の浮気について語り、泣いてしまう。
壁ごしに下からそっと差し出されるのは、ハンカチではなくボックスティッシュ。ハンカチより色気がなく、相手の「生活」がすぐ隣にある安心感漂うアイテムだ。二葉という人物を象徴している気がする。
突然泣いてしまったことを後悔する麻衣子は、翌日、二葉の帰りを待ち、ボックスティッシュを持ったまま共用廊下をウロウロするが、いざ二葉と顔を合わせ、「遠巻きに応援してますから」と言われると、再び涙腺が崩壊する。近所の目も気にして家に入れてくれた二葉は、麻衣子を励ますためか、自身も妻に浮気をされていることを話し出す。よくある不倫モノは互いの傷を舐め合うようにここで一気に火が付くが、不器用な2人はあくまで玄関口で話す。その距離感が心地良い。
ところで、第二話ラストでは、早朝のゴミ捨てで会話する麻衣子と二葉の前に、朝帰りのタクシーが乗りつけられる。降りて来たのは拓也と、意外な人物・・・。女性の怖さを感じるラストだった。
(文=田幸和歌子/イラスト=月野くみ)
【第3話(8月23日[月]放送)あらすじ】
たっくん(大東駿介)と愛宕さん(小西桜子)の朝帰りに出くわした麻衣子(門脇麦)と二葉さん(森山直太朗)。しかし麻衣子は、嫉妬や不安とは違うある感情が自分に芽生えていることに気が付く。それは、二葉さんへの思いで・・・。そして、麻衣子と二葉さんの距離が急接近していく中、二人に目を光らせる人物が。大きく動き始めた二人の関係が向かう先は!?
◆番組情報
『うきわ ―友達以上、不倫未満―』
毎週月曜23:06よりテレビ東京系にて放送
地上波放送終了後に動画配信サービス『Paravi』にて配信中。
見逃し配信のほか、Paraviオリジナルストーリー「うきわー他人以上、友達未満ー」を独占配信中。
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