主人公となる番組ディレクター・玉岡直人を演じる竜星は、テレビ東京系の連ドラ初主演。 第1話ゲストの志田未来ほか、馬場ふみか、研ナオコ、川島海荷、剛力彩芽、坪倉由幸(我が家)、鈴木杏らが出演することでも話題になっている。今回、主演として前代未聞のドラマに挑戦する竜星へのインタビュー前編では、撮影の様子や共演者の印象などを聞いた。

――出演のお話を聞いた時のお気持ちを聞かせてください。

素直にびっくりしました。"バラエティ発信のドラマ"というところが面白いと思いましたね。驚きながらも、以前、僕もバラエティに出させていただいたんですが、本家のバラエティの内容がドラマチックだったので、「いずれドラマになっても、おかしくないものだったのかな」と思いました。縁あって僕がこのドラマに出られるということに、ワクワクした思いがありましたね。

――出演が発表されて、周囲の反響はいかがでしたか?

皆さんもよく知っている番組をドラマ化するということで、「それをやるんだ!」という驚きの声をいただいたり、「どういう撮影をしているの?」と興味を持ってもらえたりしました。

――今回、竜星さんは、番組ディレクターとして取材をしてカメラも回す役どころ。普段のドラマとは撮影方法も異なったと思いますが、どんな撮影だったんでしょうか?

僕が実際に取材をするという、本家のバラエティに似せた作りになっているので、僕が撮影をしたり、実際のディレクターさんが撮影している真後ろで僕が声のお芝居をしたりするという形でした。そのため、僕が取材をしているところや、取材対象者の方の家に上がらせていただいているところでは、ほとんど僕は出ません(笑)。

撮影に入る時も、あえてドラマ化される本家のバラエティの回の映像は見なかったんです。ゲストの方々と違って、僕はディレクターとして、その場で感じたこと、素直に聞きたいなということを聞こうと思って、取り組んでいました。僕がその場でいろいろな質問して、相手が何を答えてくれるかという、本家のバラエティのように展開の読めないものがあったほうが魅力的だなと思っていたんです。「そのほうがきっと面白いし、リアリティが生まれると思う」という話を監督ともして、この方法で撮影しました。

撮影の段取りも、何となくの雰囲気というか...普段のドラマや映画の撮影だと、テストをして本番に入る形だと思うのですが、今回は基本的な流れはありつつも、リアルさも意識して、あまり段取りを固めすぎずに、その場で起きたことを大事にしようとしました。「じゃ、ちょっと回していきますねー」みたいな感じで撮影を始めて、時に話が脱線したり、脱線したら修正したり、アドリブも入ったり...ということを、僕がディレクターとして指示をして、立ち回りながらの撮影だったんです。

周囲のスタッフさんが映り込んでしまうかもしれないので、家のシーンの撮影は本家のディレクターの上野(健)さんと僕の2人だけ。なので、毎回ゲストの方々は、びっくりしていましたね。「いいね、面白いね」と言ってくれたりもしたので、俳優の皆さんも楽しんでいたんじゃないかなと思います。台本はありますけど、セリフの前後で僕がいきなり台本にない質問をするので、ゲストの方も戸惑った顔をされていて。それでよりリアルさが出たんじゃないかなと思います。

20210814_ietui_02.jpg

――本家のバラエティのディレクターさんとの撮影はいかがでしたか?

ドラマ演出を補佐した本家のディレクターの上野さんがベースで撮影してくださっていたんですが、その後ろに影武者のように立ちながら、少しでも上野さんの姿を盗めるようにと思ってやっていました。上野さんの仕草やカメラの持ち方、ズームインの仕方など、いろいろと間近で見させていただくことが、役作りには欠かせなかったです。

――実際にカメラを持って撮影した感想は?

カメラ、重いんですよ(苦笑)。重いからこそ、少しでも手首の負担を軽減しようと、自然と体が楽な持ち方をするようになってくるんです。ディレクターさんの動きを見ながらもそうですけど、僕自身も実際にカメラを持っていると、「脇を締めたら少しは楽になるな」とか、そういうことを撮影しながら習得できました。

僕自身がカメラを回して、ゲストの方には台本にない部分もインタビューして、取材対象者を演じるゲストの方とコミュニケーションを取るんですが、カメラを持っていると無敵だなと思いました(笑)。カメラを持つと何でも聞ける気がして。「いいコミュニケーションツールだな」と思ってやっていましたね。

――本作では毎回ゲスト俳優陣が変わりますが、撮影で楽しかったことは?

今回、取材対象者を演じるゲストの皆さんは、それぞれの回想シーンと、僕に対して過去の話をしている撮影をしているんですが、共演は僕がインタビューするところと、インタビュー後のコミュニケーションぐらいだったので、もっと一緒に共演したいなと思っても、すぐ終わってしまう寂しさがありました。

でも、毎回違う方々とお会いできて、お芝居ができるのはワクワクしましたね。お話を聞いていて、「どういうふうにくるんだろう」「あ、それはどういうことなんだろう」と思って。僕も"ディレクター心"じゃないですけど、ご一緒させていただいてる時に、少しでもいろいろなことを聞けたらと、ゲストの皆さんに撮影の合間もインタビューしていました。それが役作りでもあったんです。

取材することやカメラに慣れるためにも、実際に話してみたり、カメラでアップしたり引いてみたりとか。カメラを動かしながら「どんなことを聞こうか」とも考えていて...。「ディレクターさんはやることが、いっぱいあるなぁ」と思いましたね。そういうことをしながらスキルアップしていくのが、一番役につながっていくことだなと思ってやっていました。楽しかったです。そう思えたのが収穫だったと思います。

20210814_ietui_03.jpg

――ゲストの皆さんとの共演で印象深かったことは?

共演シーンのほとんどが、僕の質問に答えてくださる形。台本もあるんですが、アドリブもかなりあったんです。その部分は本編では使われなかったけれど(第3話ゲストの)研ナオコさんとのお芝居のなかで、台本には書かれていないんですが、「ご主人は何のお仕事をされているんですか?」と聞いたら、研さんは「知らん!」って(笑)。それが絶妙に面白くて。知っているのにそう言っているようにも聞こえるし、本当に知らないようにも聞こえるし...。

臨機応変にポンっと言葉が出てくる瞬発力は、「先輩、さすがだな!」と思いました。監督からも「この作品のほとんどは、俳優の皆さんと上野さんの力です」と言ってもらえるぐらい、自由にやれました。それが本家に近いリアルさへつながっているんじゃないなと思います。

(取材・文=齊藤恵)

◆番組情報
サタドラ ドラマ「家、ついて行ってイイですか」』
2021年8月14日(土)スタート テレビ東京系 毎週土曜23:25から放送
地上波放送後には、動画配信サービス「Paravi」で配信予定。
(C)テレビ東京