新ドラマ『プロミス・シンデレラ』(TBS系)の第1話は「桂木早梅27歳、アラサー、バツイチ、無一文。無職で宿なしのあげく、このどうしょうもなく性格の悪い10個も年下のクソガキに、運命、握られております」という主人公、早梅(二階堂ふみ)の1人語りからスタートした。
結婚して1年足らず、夫の正弘(井之脇海)に不倫された証拠を突きつけた早梅は「ほかに幸せにしたい人ができた。離婚してくれ」と土下座され家を飛び出すも、職場から解雇を告げる電話を受け、スリに手持ちの金を盗まれ無一文。気が付けば、公園で段ボール暮らしと怒涛の展開。ここからは性悪パラダイスの開幕だ!
金持ちのイケメン高校生の壱成(眞栄田郷敦)がとにかくひどすぎるのだ。数日前、イジメをしていて早梅に苦渋をなめさせられた壱成は、ホームレス生活を送る早梅を見つけ、彼女のサンダルを公園の池に放り投げる。そして万札を見せびらかし「ほら、弁償してやるよ。恵んでやる分も上乗せしてさ」と。最悪の性格にドン引きしてしまうが、この流れから、そのうち早梅とのラブコメ展開になるんだろうな~、と予想。まぁ、サンダルを投げ捨てるシーンは原作になかったものの、かなり忠実に作り込まれているといえるだろう。おそらくタイトルからも分かる通り、ドラマ的には"靴"をキーワードにしていると推測する。
一発、豪快に引っぱたかれた壱成は早梅を忘れることが出来なかったらしい。再び早梅の前に姿を現した壱成は「さっさと付いてこい、野良猫」と連れ出そうとする。寝床を提供してくれるらしいが、こんな性悪高校生の後を簡単についていくわけにはいかない。しかし、ふと見ると、壱成を待っているのは高級車と執事らしき男性。おなかもすいて限界状態の早梅は壱成の車に乗り込み、付いていってしまう。
着いた先は大豪邸。そこで早梅の身の上話を聞いた壱成は住む場所を提供するかわりに"リアル人生ゲーム"をやろうと持ち掛ける。どうやら壱成はドMでもなければ、早梅に同情したわけでもない。早梅というおもちゃを手に入れたかっただけなのだ。"リアル人生ゲーム"とはサイコロの出た目のミッションをクリアすれば賞金をゲットできるというもの。そのミッションがこちら。
1 街で逆ナンを成功させる 5万円
2 水着で買い物に行く 10万円
3 メイドコスプレで交番の警察官を萌えさせる 15万円
4 セレブパーティーで主役に恥をかかせる 20万円
5 駅前で大声でギャグ百連発する 25万円
6 八百屋の親父に「ハゲ!」と叫ぶ 30万円
もちろん、早梅は即拒否。早梅の食べていたカレーを取り上げようとする壱成だが、こんなやりとりの1シーンでバックには炎を燃え上がらせ、アクションさながらの演出をする遊び心が面白過ぎる。しかし、足をひっかけた早梅はダイブして、300万円の掛け軸にカレーをドバッ!「これでやるしかなくなったよな」とニヤニヤしながら、超楽しそうにする壱成がめちゃむかつくはずなのにコミカルな演出のせいか、なぜか腹が立たない。それよりも面白過ぎる展開に、どうなるのか早く続きが見たいと引き込まれてしまった。
結局、サイコロを振って出た目は「4」。出張エステに出張美容室、新しいドレスに靴でピッカピカに磨かれた早梅は壱成とパーティーへ行くことに。「お前、そうやってちゃんとすれば、そこそこカワイイじゃん」と壱成は言っていたけど、そこそこじゃなく、めちゃめちゃカワイイ! 誰もが惚れぼれしてしまうだろう。
このパーティーの主役は壱成に告白したことのあるモデルのめぐみ(柳美稀)。彼女も壱成に負けず劣らずのぶりっ子性悪女だった。しかも、壱成はボーナスチャレンジとして、彼女にある言葉を言ったら賞金30万円にしてやるという。壱成にうながされ、最初は小さい声でボソボソ言っていたが、ついに早梅も覚悟を決める。「お前みたいなビッチと付き合えるか、バ~カ!」。壱成からの伝言だったことで、めぐみに詰め寄られた壱成は冷たく言い放つ。「金とか家柄にすり寄ってきたくせに、俺のことが好きとか言ってんじゃねぇよ。気分わりぃ」「自意識過剰でたいして売れてもない三流モデルなんか、相手にすっか。バ~カ!」。
この言葉に、ついに本領を発揮したのは早梅だった。曲がったことが大嫌いで、真っすぐな性格の早梅はケーキに壱成の顔をめり込ませ「やり過ぎ。もう少し人の気持ちってもんを考えなさいよ、あんたは」。これでこそ早梅ですわ。さらに「金とか家柄にすり寄ってきた? 当たり前じゃん! あんたの魅力それしかないし」「結局旅館継ぐのは優秀なお兄さんのほうなんでしょ。お兄さんに何ひとつ勝ってない落ちこぼれのくせに。偉そうにしてんじゃないわよ」というめぐみにも早梅はケーキをぶちまける。
「あんたたち2人とも性格きついし、特にこいつは根性腐ってると思うけど、この先どう生きていくかなんて自分次第。家柄も金も関係ない。こいつはこいつよ!」。
いつも兄と比べられ劣等感を抱いていた壱成にとって、早梅の言葉は胸に響いたに違いない。この後、壱成の祖母であり、旅館「かたおか」の大女将、悦子(三田佳子)が出てきて、早梅を仲居として雇わせることに。旅館のメンバーも個性豊かだし、人気芸者・菊乃(松井玲奈)はなんか不穏な雰囲気を漂わせているし、壱成の兄・成吾(岩田剛典)と早梅の関係も興味深いし。"リアル人生ゲーム"は来週も見逃せなさそうだ。早く壱成のデレ展開が見たいものである。
(文:MAIMAI/イラスト:まつもとりえこ)
【第2話(7月20日[火]放送)あらすじ】
旅館で働き始めた早梅(二階堂ふみ)に対する仲居たちの態度が冷たい。
女将の座を狙って成吾(岩田剛典)争奪戦に火花を散らす仲居たちは、悦子(三田佳子)の口利きで入った早梅が成吾のお嫁さん候補ではないかと嫉妬しているのだった。
吉寅(高橋克実)から、成吾がそんな早梅のことを気にかけていると聞いた壱成(眞栄田郷敦)は、自分が連れてきた早梅を兄に取られる気がして面白くない。
旅館の仕事を辞めるよう早梅に迫るが、なぜそんなに旅館を嫌うのかと聞かれ、言葉に詰まる。
そんなある日、悦子が新しい掛け軸を旧館の物置から出しておくよう壱成に頼む。
しかし、その物置には幽霊が出るという噂。
旅館嫌いなうえ怖がりの壱成は、早梅にやらせようと「呪われた物置部屋から掛け軸を持って来る」というゲームを思いつく。
ところが、そのゲームに乗った早梅が予期せぬ災難に見舞われ・・・。
◆番組情報
『プロミス・シンデレラ』
毎週火曜22:00からTBSで放送中。
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」で配信。
松村沙友理主演のParaviオリジナルストーリー「シンデレラ・コンプレックス」も独占配信中。
(C)TBS
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