亡き妹・春(桜田ひより)の 婚約者・冬吾(工藤阿須加)への思いに揺れる夏美 (髙橋ひかる)は、 冬吾や夏美に対する春の本音を知り、 やはり冬吾への思いを断ち切ろうとするが・・・。"呪われた恋"の行方はどうなるのか!? テレビ東京系ドラマ『春の呪い』の第5話が6月19日に放送された。
2020年秋、病気で入院中の春は、もし自分が死んだら・・・冬吾は他の誰かと一緒になるのか、その相手は姉・夏美なのか・・・と思っていた。夏美と冬吾の気の合う様子を見て嫉妬を覚え、2人が一緒になるのは嫌だという思いから、春は自分が死んだ時に冬吾と自分が映った写真を棺にいれてほしいと夏美に頼んだのだった。そんな春の気持ちを知らなかった夏美は、春が自分の死を予感していることに対して、悲しみを覚えいたのだが・・・。
でも、春は「冬吾さんにはいつまでも幸せに生きていてほしい。でも、冬吾さんには私以外の誰とも付き合ってほしくない。(中略)ずっと私だけのものでいてほしい。もしも私が死んでその後お姉ちゃんが冬吾さんに近づきでもしたら、私は間違いなく二人を引き裂く...。どちらかを連れて行けるものなら、私は迷わずお姉ちゃんを選ぶ」という春の回想が、次第に明るくなっていくのが怖い。それほどまでに、冬吾を渡したくないという強い想いの表れなのだろう。そして、「お姉ちゃんを地獄に道連れにしてでも、私は絶対冬吾さんはお姉ちゃんには渡さない」という想いにいたり、亡くなった今も、春は、冬吾との距離が近くなっていく夏美の傍に、亡霊として現れているのだった。
一方、冬吾は見合い相手とのデートでも心ここにあらずで、夏美のことばかり考えていた。同時に母・聖美(高島礼子)から呪いのように刷り込まれた相馬一族の血のつながりについても・・・。心が揺れ動く冬吾だが、やはり、血筋のことを考え、夏美との別れを決意していたようだった。
その後、夏美と冬吾は再びカフェで会うことに。デートで行った場所を巡りたいとお願いし、その場所に連れて行ってもらっていた夏美は、そのカフェも春とのデートの場所だと思うが、「春と行ったところはもうない」と冬吾は告げる。それは、冬吾と夏美が会う理由がなくなることを意味していた。思い出の場所を巡るだけで、冬吾とは今後一切関わることはないと思っていた夏美だが、その気持ちがいつしか変化していたことに気づく。
そんな中、夏美は自分が花嫁候補になったことを冬吾から聞かされるも、聖美が反対していることを知り、冬吾がなぜそんなことを言ったのか気になって、本当の気持ちを確かめようとする。冬吾は自分の意志で夏美に近づいたことを認めるのだが、冬吾の自分への好意に気づいている夏美は、「やめて、今でも春を好きだと言って!」とその言葉を遮ろうとする。だが、冬吾は「僕は、あなたにずっと前から好意を抱いていた」と素直に告白。「今まで黙ってきたなら、最後まで黙っていてほしかった」という夏美の気持ちと言葉が裏腹。複雑な心境が垣間見られて、見ている方も胸を締め付けられる。
自分の気持ちを言葉にする必要があったと冬吾は語る。春との初めてのデートの時に撮影した写真に、春を心配して隠れてデートについていっていた夏美が映りこんでいた。その写真を夏美に見せ、冬吾は「あなたが春を思う気持ちに僕は勝てない」と、夏美が自分に振り向くことはないと思っていたのだ。初めから終わりを覚悟していた関係だったが、自分の想いを伝えたのは夏美に春の後を追って死ぬなんて考えてほしくなかったからだという。それほどまでに自分のことを思ってくれる冬吾の優しさに触れた夏美は、思わず涙。それは冬吾への想いが溢れてしまったからなのだろう。
冬吾が夏美に好意があることを伝えるも、やはり夏美は春のことを一番に思っていた。だが冬吾はその涙で、夏美の冬吾への想いに気づいたのかもしれない。そんな互いを思いあう不器用な2人のやりとりが本当に切ない。新しい花嫁候補が迎えに来て、席を立つ冬吾。夏美は笑って送り出す。以前冬吾に「あなたは様子がおかしいときほどよく笑う」と夏美が言われたことを思い出し、夏美の心がぐちゃぐちゃになっているのがよくわかる。冬吾もその笑顔に、夏美の複雑な心情を悟ったことだろう。その後、店を出た冬吾は若い女の人が電車に飛び込んだ事故の騒ぎを耳にし、それが夏美ではないかと不安に思って、新たな花嫁候補をおいて騒ぎのもとへ駆け出すのだった。
一方、夏美は帰り道で一人、「こんなことになるとは思ってなかったんだよ」と、春に問いかけるかのように、自分の気持ちを整理しながら歩いていた。自分も一度は冬吾を好きになったことを認め、ふと服のポケットに自分の手を入れる。春に、猫背になるからポケットから手を出してと言われて、じゃれていたことを思い出し、ふと笑みがこぼれる夏美。「春を忘れることなんてできない」と思い出に浸っていた。
夏美が無事だとわかり、そして自分の夏美への思いの強さも改めて知った冬吾は、道路沿いの歩道を一人、ふらふらと歩いていた。すると、後ろから来た自転車を避けようとして、冬吾は車道に出てしまう! 家に帰ってきた夏美は、冬吾が事故に遭った話を夏美には伝えないよう、父が継母に口止めしていたという話を聞き、家を飛び出す。春が冬吾を連れて行ってしまうのではという不安で必死に走り続ける夏美の姿が、夏美のことを想って走り出した先の冬吾の姿と重なって見える。相手を想う気持ちにブレーキが効かないかのように・・・。「春、お願い・・・冬吾さんを連れて行かないで」とつぶやきながら、病室のドアをあけた夏美に待っている運命やいかに!?
夏美と冬吾が、互いの好意と自分自身の相手への想いを再確認した第5話。これだけ強く互いを想いながらも、2人は結ばれないのだろうか・・・、春の、相馬一族の血のつながりの"呪い"から解放される日はくるだろうのか・・・。「呪われた恋の結末は...悲劇と決まっている」というラストの夏美のモノローグが何を物語るのだろう。2人の運命はどうなってしまうのか、そして、相馬一族の血のつながりの謎も気になるところ。謎満載、ハラハラの展開で迎える最終回をお見逃しなく!
(文/小松加奈)
【最終回(6月26日[土]放送)あらすじ】
柊冬吾(工藤阿須加)が交通事故に遭ったことを知った立花夏美(髙橋ひかる)は、「春!冬吾さんを連れて行かないで!」と強く願いながら、急ぎ病院へ向かう。そこで冬吾が事故に至った思わぬ経緯を聞き、夏美は冬吾の愛の深さを噛みしめる。
「お姉ちゃんには冬吾さんを渡さない」――そうブログに真意を綴っていた春(桜田ひより)に罪悪感を抱きながらも、"呪われた恋"に飛び込んでしまった夏美。冬吾との幸せな未来は訪れるのか・・・?
◆番組情報
サタドラ『春の呪い』
毎週(土)土曜23:25よりテレビ東京系にて放送。
動画配信サービス「Paravi」にて全話配信中!
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