第2話で楓(平手友梨奈)の毒親っぷりが発覚してから、とんとごぶさただったが、ついにきました楓回。『ドラゴン桜』(TBS系)第8話では理事長退任と学園売却計画も徐々に動き出していた。今回は桜木(阿部寛)からオーダーメイド勉強法を伝授された東大専科メンバーの愛すべきシーンに迫ってみたい。
バトミントン部の顧問と共謀していた清野(吉田美月喜)の陰謀で足の故障を悪化させた楓は、桜木(阿部寛)の言葉で東大専科に入り、東大を目指すことを決意。しかし、楓を絶対にオリンピックに出場させようと厳しくする両親に楓は東大受験のことを言えないでいた。そんな両親は実業団の日本ユニシスに夏休みの間の1か月間、楓を参加させることを勝手に決めてしまう。練習と勉強で疲労がたまった楓は倒れて病院へ運ばれる。
ここで楓と両親の直接対決の前に、生徒たちの愛すべきシーンを紹介。まずは桜木が専科の生徒たちを講師として教壇に立たせる授業を開始したときのこと。講師役を務めた瀬戸(髙橋海人)は教卓をバンと叩くと「よし、じゃぁ授業を始める」と特別講師になりきっているところが可愛い。生徒に向かって「Yes!」と言ったり、指を指したりして「must」の使い方を自信満々に説明(ここはちょっとアイドルっぽい)。かなりのイキり系講師という感じだが、しっかり間違えているところは、さすがおバカ系生徒の代表である。
そしてなぜか天野(加藤清史郎)に向かってデレる藤井(鈴鹿央士)は今回も健在。藤井のノートを見て「僕のとは大違いだ」という天野にめちゃくちゃうれしそうにする藤井。しかも「当たり前じゃん、ほしけりゃコピーしてやってもいいけど」と返していて、天野の模試の採点を藤井がしたときも「へぇ~、天野のくせに英作文しっかりとれてるじゃねぇか」って、心の中で褒めていた。第7話のラストで落ち込む藤井に天野が寄り添う姿が印象的だったが、それからしっかりと友情を築いていってるようだ。
そんな藤井に「やるじゃん、藤井きゅん」「しびれる~」とほっぺをぐりぐりする岩井(西垣匠)と小橋(西山潤)も大活躍。水野(長澤まさみ)からアイスの差し入れをもらって、2人も東大専科のメンバーに馴染んでいる様子。そこで早瀬(南沙良)から「水野先生と桜木先生に、あんなひどいことをしたくせに」とツッコミが入ると「それは楓のためじゃんかよ」「楓がヤバいって輝から聞いたからさ」とまさかの巻き込み事故で瀬戸の秘密がバラしてしまう。もちろん、楓も知らなかったことで、瀬戸も本当のことを楓に知られてしまい、そわそわ状態。この微妙な瀬戸の表情がたまらん。
また専科の授業をいつものように教室の窓越しから見ていた岩井と小橋に桜木は「なんならお前ら、スペースあるから後ろで見学したらどうだ?」と誘い、東大専科の"練習生"として2人も授業を受けることとなる。めっちゃうれしそうにする岩井と小橋だが、こんなに勉強したがってるんだから普通に東大専科の生徒として迎えてあげればいいのに。まぁ、それでも窓越しではなく、ちゃんと教室で2人が勉強できることになって、ほっとひと安心。
いよいよ本題となる楓の両親問題。病院に運ばれて目覚める楓(この病院を背景に7月期の日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』のERカーがこっそり出ていたところは、製作スタッフの遊び心といえそう)。いまだ両親に東大を目指すことを言えない楓に桜木は「専科はクビだ」ときっぱり。それでも東大に行きたいう楓は「うちの親は私の夢を応援してくれてるの。一生懸命かなえようとしてくれてるの」と言い、だから東大受験することを言えないと嘆く。
だが、桜木は「お前が背負う必要があるのは、お前の人生だけだろ」と言い放ち「親っていうのは化け物だ。誰よりも強く長くお前のことを思ってる。そいつに理解させるには親子の縁を切るぐらいの覚悟が必要なんじゃないのか」。この言葉を真摯に受け止めた楓はついに覚悟を決める。父親の明人(駿河太郎)からビンタをされても、まっすぐに目を見て東大に行きたいことを告げる楓。熱血スポーツ少女らしい本来の強さが戻ってきて、なんとか説得はできたようだ。それにしても何も言わずに楓の前を去っていく明人は分かるが、母親は残ってもいいんじゃないかと思うのは筆者だけであろうか。
今回はオマージュもたっぷり。楓を演じる平手友梨奈が欅坂46時代、センターで歌っていた『不協和音』のミュージックビデオと同じようなシーンがあったのだ。楓が倒れたときのポーズはMVのシーンと手足の位置まで正確に一緒だった。元ダブルスを組んでいた清野に右こぶしを振り上げるシーンも『不協和音』の振り付けと一緒。さらに両親が迎えにくると言われ、病室を抜け出した楓を追いかけて「待てよ」と言って捕まえる瀬戸。このシーン、2005年版でもそっくりのシーンがある。第10話で東大受験をやめると言い出した水野(長澤まさみ)を勇介(山下智久)が追いかけるシーンを彷彿とさせた。
次回は大学入学共通テストまでのカウントダウンが始まり東大専科メンバーたちにプレッシャーがかかる中、水野が弁護士として先代理事長と直接対決する姿も描かれることに。やっとのことで坂本(林遣都)や米山(佐野勇斗)たちの目的もはっきりしそう。来週が待ち遠しくてたまらない!
(文・MAIMAI/イラスト・たけだあや)
【第9話(6月20日[日]放送)あらすじ】
大学入学共通テストまでのカウントダウンが始まった。
今までに招へいした特別講師陣たちと試験に向け追い込みに入っている生徒たちに、桜木(阿部寛)はいよいよ共通テストの出願書を渡す。
そこで決意の表情を見せる専科メンバーに、桜木は「共通テストの心構え5か条」を授ける。
そして迎える共通テスト本番。
6回の模試を乗り越えてきた瀬戸(髙橋海人)をはじめとする、東大専科の生徒たちの決戦の時が来た。
しかし、彼らをただならぬ緊張とプレッシャーが襲う。
共通テストを終えた瀬戸に襲いかかる試練・・・藤井(鈴鹿央士)の決断とは!?
一方、水野(長澤まさみ)は弁護士として、学園の売却を阻止する方法を必死に探っていた。
学園の先代と直接対決を迎える桜木たち。
さらに、桜木・水野に襲いかかる驚愕の真実が・・・。
◆放送情報
『ドラゴン桜』
毎週日曜21:00からTBS系で放送中。
地上波放送後、動画配信サービス「Paravi」で配信される。
2005年放送『ドラゴン桜』も配信中。
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