離婚に向けた活動(離婚活動)をテーマとした、北川景子と永山瑛太によるドラマ『リコカツ』(TBS系)の第7話が、5月28日に放送された。

前回ラストで、とうとう離婚届けを提出し、突然無表情+ロボットのような棒読み喋りになった紘一(永山)と涙を流す咲(北川)の姿が描かれた。お互いを思いつつの別れにモヤモヤはあるが、咲は翌朝、早速、父・武史(平田満)と母・美土里(三石琴乃)らに離婚したことを告げる。しかし、そこに紘一一家がやってきた。3人揃って床に手をつき、紘一の父・正(酒向芳)が「娘さんを傷モノにして申し訳ありません!」と言う。両者合意のもとなのに、一方的に「傷モノ」って・・・。

しかも、咲の父母、紘一の父母のどちらもすでに離婚していたことがわかり、その上、咲の姉・楓(平岩紙)まで離婚する予定だと告げる。自分の親を含め、「全員離婚」という状況を見ている咲の姪・梓(夏野琴子)は、「私が一番大人だから」と淡々とした口調だが、まだ8歳の子に与える影響が気がかりではある。

互いの両親に報告した後は、職場への報告だ。結婚も離婚も、個人同士だけで済まないところが、実に面倒くさい。咲は同僚に、名字が元に戻ることについて「赤っ恥ですね」と言われるし、一方で紘一は律儀さゆえに、結婚祝いを一人一人に返そうとするも拒まれてしまう。

そんな中、美土里が年下の編集者である"新しい彼氏"に騙され、2000万円をとられたことが発覚。さらに"暗躍"するのが、お待ちかねのヒール・紘一の同僚の一ノ瀬(田辺桃子)だ。髪をおろし、ワンピース姿でいつもの自衛官スタイルと印象がだいぶ違うのは、なかなか古典的な攻めで、「煮物を作りすぎてしまって・・・」と言うのも、なかなか古典的。

しかし、一人暮らしの相手ならともかく、「実家」に押しかけるところはかなり斬新だし、紘一の父・正と将棋を打ち、「次は負けません!」とさりげなく(?)また来る約束までするしたたかさには舌を巻く。しまいには、紘一に「私の今までの悪事についてご報告いたします! 1つ!・・・」と3つまで挙げ、「私のせいで離婚に」と言って謝罪する。バーベキュー会場で、自衛官が一般人を森の中に置き去りにするというのは"悪事"レベルじゃないし、「私のせいで」と言えてしまう自意識過剰ぶりも、なかなかのヒール感だ。

一方、咲はクリーニングに出したままだった紘一のYシャツをわざわざ実家に届け、その帰り道にもしかしたら会えるかもしれないという期待から、紘一のデートプランで行き、当時はボロクソに言った"大盛りの定食屋"に一人で入る。その願いが届いたのか、奇跡的に紘一が現れる。そして「もしかして君は・・・本当は・・・この店の唐揚げが気に入ったんだな」「君の考えや気持ちは手に取るようにわかる」と相変わらずのド天然&真面目ぶりを発揮し良い雰囲気になるのだが、予想通りそこに現れるのが一ノ瀬だ。

それを見て店を出る咲、咲を追う紘一、紘一の腕をつかんで引き留める一ノ瀬・・・。さらに、咲の元カレも、咲が担当している小説家も二人の間に割り込んできて、まさかの5角関係のようなカオスぶりに発展している。ちなみに、SNSには「筑前煮女」が長時間トレンド入りしていた。今の時代でも、やっぱりわかりやすいヒールはみんな大好きなんだな・・・と改めて確認した回だった。

(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)

【第8話(6月4日[金]放送)あらすじ】

咲(北川景子)と紘一(永山瑛太)の離婚をきっかけに、周囲がにわかにざわつき始めた。
貴也(高橋光臣)は、結婚を前提に付き合うおうと咲に告白し、連(白洲迅)は紘一の実家を訪ね、紘一を挑発する。

ある日、咲が働く編集部に連がやって来た。連の新しい作風は、咲が編集担当になってから文芸部でも評価が高く、咲も仕事にやりがいを感じている。咲を外に誘い出した連は、自分の孤独な身の上を打ち明けながら、「咲のために小説を書きたい」と素直な気持ちを伝える。

一方、連から「水口咲は俺がもらう」と宣言された紘一は、咲にふさわしい人は誰なのかと考えていた。咲の幸せを願うあまり、紘一は貴也を知るために尾行を開始。紘一が自分なりの結論を連に伝えるため連の仕事場を訪れると、そこに咲がやって来て・・・。

◆放送情報
『リコカツ』
毎週金曜夜22:00からTBS系で放送中。
地上波放送後には、動画配信サービス「Paravi」で配信。
Paraviオリジナルストーリー「リコハイ」も独占配信中。