本作は、累計発行部数36万部超を誇る近藤史恵の人気小説シリーズ「タルト・タタンの夢」「ヴァン・ショーをあなたに」「マカロンはマカロン」が原作で、グルメな人がこぞって訪れる噂のレストラン『ビストロ・パ・マル』を舞台に、西島演じるシェフ・三舟忍が、人並み外れた洞察力で訪れた客たちが巻き込まれた事件や、不可解な出来事の謎をあざやかに解いていく、今までにないグルメミステリーだ。

レストラン『ビストロ・パ・マル』を舞台に、ほぼ1シチュエーション行われた撮影の様子について聞かれ、「毎朝、同じところに行っていたので、撮影なのか、レストランに就職したのか分からなくなるぐらいでした(笑)。次の仕込みをするようになりました」と周囲の笑いを誘った西島。「(スーシェフ[副料理長]・志村洋二役の)神尾さんと、料理の途中でお芝居をしているような不思議な感覚でした」と感想を述べた。ギャルソン(給仕)の高築智行を演じた濱田も、「本当にレストランに就職したかのような気分。謎のリアリティがありました(笑)」と西島に同感。

神尾も「従業員として生活していた撮影期間でした(笑)」と語り、「お店のセットが地下だったので、昼も夜も分からず過ごして、野菜を切ったりしていました。バイトしていた頃を思い出しましたね(苦笑)。撮影は楽しかったですけど、いろいろな感情が入り混じりました」と明かした。ソムリエの金子ゆき役・石井は、「1シチュエーション・ドラマは初めて。ずっと現場で同じメンバーでいるという経験はなかったので、毎日、苦楽を共にできてうれしかったし、楽しかったです。新しい挑戦をたくさんさせていただきました。大変なこともあったけど、自分の中ではいい経験でした。お三方の面白さに笑わせていただきました」と笑顔を。そうした撮影もあってか、会見は終始、キャスト陣の和やかな雰囲気が漂っていた。

会見では、物語にちなみ、キャスト陣の誰が洞察力のある"名探偵"か?という質問も。すると、「誰も向いてないんじゃないですかね?(笑)」と西島が指摘し、共演陣は大爆笑。濱田を推す神尾に対し、「そう? 本当ですか?」と西島が聞き返し、「それ、僕が言うことでしょ? 何で先に言っちゃうんですか?(笑)」と濱田がツッコむ一幕もあった。そんな濱田だが、「せっかく言っていただいたんですが、僕は向いてないと思います。かなり、事なかれ主義なので(笑)」と自己分析。「(謎解きへの)好奇心という面でいうと、(『ビストロ・パ・マル』の)オーナー・小倉大輔役の佐藤寛太くんの、あの無邪気な好奇心は探偵というものには向いているかも」と続けた。

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また、ドラマの見どころを聞かれた西島は「料理を通して、その人の悩みがわかるというのは、すごくよくできたトリックだなと思いました。第1話では、チョコレートの詰め合わせがなぜか素数であったことで、作っている人がどんな想いを持っているかと洞察するんですけど、それがすごく面白いな、と。料理で謎解きをするというのは、こういうことか!と思いました」とコメント。

さらに濱田は「三舟シェフ(西島)の意外な一面が見えるお話があって、そこは傍から見て好きでしたね。僕は結構好きな話でした」、神尾は「僕は『かき氷』のお話かな。複雑なトリックでしたね」、石井は「同世代ぐらいの方が5人ぐらい、レストランにくるんですけど、"本当の友情とは何か"を確かめるシーンがあって。結構、二転三転して本当の友情を見つけるというところが、共感できるなと思ったり、この世代にはあるあるだろうなって思ったりしました。その世代の方に見ていただきたいお話だなと思いました」と語った。

そして、濱田は「なかなか見たことがない、温かい番組になっていると思います」、神尾は「とても楽しいドラマに仕上がっています」と自信を。最後に西島は、「やっぱり近藤先生の原作が、とても素晴らしいストーリー。料理で謎を解き明かすという発想は、なかなかできないもの。そのアイデアを丁寧に忠実に汲み取りながら、ドラマ的な部分を付け加えて作りました。皆さん、夜中に、『ビストロ・パ・マル』というレストランに、(お客さん役の)ゲストの皆さんと一緒に店に来てもらうようなつもりで見ていただけたら。おいしい料理と温かい人間ドラマを楽しんでいただけたらなと思います」と視聴者にメッセージを送った。

(取材・文/小松加奈)

◆放送情報

『シェフは名探偵』
2021年5月31日(月)スタート
毎週月曜23:06~23:55 テレビ東京系にて放送(初回は5分拡大のため、深夜0:00まで)
放送終了後、動画配信サービス「Paravi」にて配信。
Paraviオリジナルストーリー「ソムリエは迷探偵」も独占配信される予定。
(C)テレビ東京