突然ですが、超個人的に考えた今週の「ここがいいよね!藤野駿(横浜流星)」を発表させてください。ダラララララ、ダン!(ドラムロール)
第5位:荒ぶる香子さんを陽ちゃんがソファに連れていくとき、手を交通整理の人みたいに振ってる藤野駿
送金詐欺で留学キャンセル&別れた夫・礼史(生瀬勝久)の出現というダブルパンチを食らった香子さん(夏川結衣)はすっかりガチギレモード。大股広げて座り込み、「もしかしてこの家取り戻そうとしてる?」「いいわよ、くれてやるわよ!」と完全にガラが悪くなっています。そんな香子さんをなだめるべく、陽ちゃん(丸山隆平)はソファへと誘導。
そのとき、こっそりクーラーボックスの位置をズラし、陽ちゃんを誘導するように手を振ってる駿が何とも言えない愛らしさ。こういう地味〜〜〜な小ボケ感、大変に好物です。
第4位:コンコンコンコンと部屋の壁をノックする藤野駿
DREAMS COME TRUEの『未来予想図Ⅱ』に「ブレーキランプ5回点滅 ア・イ・シ・テ・ルのサイン」という歌詞がありまして。それはもう90年代に青春を過ごした若者はみんな真似したものでした。
そんな発想が90年代の藤野駿。隣の部屋のくるみ(川口春奈)に向かって、おやすみ代わりに4回壁をノックします。ここのシーンの何がいいかと言うと、横浜流星の口角です。面白い遊びを見つけた子どもみたいに、きゅっと口角を上げる。そのいたずらっぽい顔が最高にいいので、一刻も早くモールス信号を覚えて、駿と延々壁をノックし合う神々の遊びがしたいです。
第3位:「いいじゃん、2人で」とさりげなくキメ技をかけてくる藤野駿
駿の何が巧妙かと言うと、女心に鈍感なのか、それとも全部をわかっているのか何とも読めないところ。記念に写真を撮りたいというくるみのスマホを奪って、さらっとセルフィー。ここまではいいのですが、後ろには陽ちゃんと羽瀬(中村アン)もいて、2人じゃなくて4人・・・というちょっぴり残念な1枚に。
ところが、そのあとオススメの蕎麦屋に立ち寄るときは、陽ちゃんと羽瀬にも声をかけようとするくるみに、「いいじゃん、2人で」といきなり距離をつめてくるから、うますぎる。
これが、何にもない中での「いいじゃん、2人で」ならそこまでドキドキはしない。その前のセルフィーがあって、ちょうどガードが下がっているタイミングだからこそ、このストレートな一言にノックダウンされるのです。
きっと駿の中では、みんなでシェアするものと、くるみとだけシェアしたいもので明確な線引きがあるのでしょう。最後の晩餐候補にノミネートする特別なお蕎麦に、抹茶モナカ。つまり、おいしいものは2人で独占したい。たぶんそれが駿にとって「好き」ということ。今いち考えていることがわからないぶん、そうやって思考回路が読めてくると、何だか余計にいとおしく思えてきます。
第2位:「俺は好きですけどね」とこっそり店主に打ち明ける藤野駿
毎回、最後に視聴者にとどめの一撃をぶっ刺す、駿目線を描いた"Bサイド"。今回は、くるみのために抹茶モナカを探し回る駿が来ると待ち構えていたら、まさかの蕎麦屋の店主との会話だったー!
くるみのことを彼女と勘違いされた駿は、「彼女じゃないです」と訂正しつつ、「俺は好きですけどね」と本音をポロリ。そうつぶやいたあと、顔を横に向けてくるみを見つめる目がいとおしさに満ちていて、知らないところでこんなふうにくるみを見ているんだー!と見ているこっちの顔が真っ赤になる。バックに映り込ませたシャンデリアも綺麗で、こうした細かい画づくりにも塚原あゆ子監督のこだわりが感じられます。
しかもこの"Bサイド"のいいところは、ここでそんなことを言ってたんだと思いながら、冒頭から見返すとまったく見え方が変わるところ。2人で蕎麦を食べに行ったことに対して、「店狭いからさ」と説明する駿。それにくるみはがっかりしてしまうのですが、本当はその直前に「俺は好きですけどね」と言っていたんだ〜とわかると、素直じゃない駿のことが一層可愛らしく思えるので、これ考えた人に6兆円あげたい。
第1位:くるみと抹茶モナカを食べながら大爆笑している藤野駿
もちろん「ギュウ・・・してもらってもいいですか」からのハグも、「もしかして、マメシバ真柴さん。俺のこと、好きなのかもねえ」「そうだね、たぶん、好き」もいいんですよ! それは前提として、でもさらにその上をいくのが、お互いの想いを確かめたあと、並んで抹茶モナカを食べながら笑い合っている2人です。
絶対に見逃していただきたくないのが、ラストのカット。何か相当面白いことがあったのでしょうか。笑いをかみ殺すように両目をつぶってのけぞる横浜流星が星ひとつ粉砕できるレベルの破壊力。『アルマゲドン』で地球に向かってきた小惑星って、実は横浜流星なんじゃない・・・?
当方、男子の破顔にめちゃくちゃ弱い自覚はあるのですが、あのくしゃくしゃスマイルはヤバい。また素っぽいところがいいんですよね。2人でどんなやりとりしていたのか、副音声で解説してほしい。しかも、笑ってる途中でカットしちゃうところがうまい。あそこでパッと終わることで、より印象に残るのです。これはもう確実に監督は横浜流星の殺傷能力を熟知している。おとなしく手玉にとられます。
『着飾る恋には理由があって』は、まるで葉桜のようなドラマだ
そんな駿の魅力が全開だった第4話。ストーリーとしては、羽瀬の妊娠疑惑をきっかけに、シェアハウスで暮らす5人の結束がより深まっていくのが感じられる回でした。予定外の妊娠をしたかもしれない羽瀬。もし本当に子どもができていたら、自分はもうアーティストとして思うように活動できなくなる。しかも、相手には実は恋人がいて、もう結婚間近だという。たぶんあのときの羽瀬はすごく孤独で、恐怖で。陰性だとわかったとき、流した涙の半分は、安堵の涙だと思う。まだ自分は大好きな絵を描き続けることができる。そのことに、ほっとした。
残りの半分は、きっとさらにもう半分ずつに分かれている気がした。生まれてくる命というものを、思考の何パーセントかでもいらないと思ってしまったことへの涙。そして、その反面、どこかで母親になるかもしれない未来に、希望とか、期待とか、そんなものを感じて、だけどそれが叶わなかったことへの涙だ。
そんな複雑な感情を、中村アンは鼻を赤くしながら、決して力まず、こぼれてくるものをそのまますくいとるように演じてみせた。周りの4人も、それを温かく受け止め合った。
この物語は決して派手なエピソードはないし、起伏に富んだ展開というわけでもなくて、暑くも寒くもない5月のようなお話なんだけど。ピンクの桜が散ったあと、若葉が芽生え、やがて街一帯が新緑に染まるように、移ろう季節の中で少しずつ人が成長し、信頼を築き合う姿を丁寧に描いてくれるから心地いいのだ。
さ〜て、今週の葉山さんは?
そして、すっかり回想シーン要員と化した感のある葉山さん(向井理)ですが、今回は3年前、イスタンブールでプロダクトデザイナーの呉美恵(ウー・メイファン)と出会うシーンで登場。雨に濡れながら、必死に交渉を図ります。向井理というのは不思議な俳優で、本人のパブリックイメージは非常にスマート。今回のように英語の台詞なんて知的な向井理にぴったりなのですが、それよりもグッとくるのは、グラスの入った箱がなかなか開けられなくて、じれったそうに「うああっ」と唸るところだったり、濡れてしまったグラスを一生懸命拭くところだったり、そういう不器用さなんですよね。
そして、もちろんジャケット姿もいいんだけど、最後に出てきたゆるい白パーカー姿に向井理の真価が発揮されまくっているところがズルすぎる。これはもう駿の圧倒的攻撃力にボコボコにされつつ、最終兵器・葉山の帰還を待ちわびる壮絶な耐久レースとなってきました・・・。
はたして葉山はいつ帰ってくるのか。とりあえず「駿と葉山、どっちがいい・・・?」ってアンケートをとったら、『ドラゴンクエストⅤ天空の花嫁』のビアンカVSフローラ以来の激戦になりそうです。
(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)
【第5話(5月18日[月]放送)あらすじ】
お互いの想いを確認しあった真柴(川口春奈)と駿(横浜流星)。真柴は他のシェアハウスのメンバーに知られないように、駿をデートに誘うも、駿からの提案はこうじの散歩。恋人らしい特別感が欲しい真柴と、変化を望まない駿...真柴はお互いの価値観の違いに不満と不安を募らせる。S
一方、陽人(丸山隆平)は、相談者、舟木(黒川智花)からのカウンセリング回数が増えていることを心配していた。そんなある日、陽人のみならず、真柴、駿をも巻き込む騒動が巻き起こる・・・!
さらには、香子(夏川結衣)の元旦那・礼史(生瀬勝久)が現れ、シェアハウスは大騒動に・・・!?
◆放送情報
『着飾る恋には理由があって』
毎週火曜日22:00よりTBS系にて放送中
地上波放送終了後、動画配信サービス『Paravi』にて配信。
Paraviオリジナルストーリー『着飾らない恋には理由があって』も独占配信中。
(C)TBS
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