――出演が決まったときのお気持ちは?
最初にお話を聞いたときにすごくやりがいのある役だなと思いましたし、脚本の小松江里子さんは僕の連続ドラマデビュー作である『友達の恋人』(1997年)や『青の時代』(1998年、ともにTBS系)を手掛けられたのでとても思い入れがある方なんです。芝居スキルが全くない頃から育てていただいた方なので、それから今までの自分が経験してきたことや身についたスキルを"ミツヤス"に詰め込んで恩返しできればと思いました。脚本を実際に読んでみたら小松さんらしい可愛らしくてピュアな印象の作品でした。ご本人もそういう雰囲気の持ち主なので、それが作品にも滲み出ているんです。
――ミツヤスはどんな人物として演じていらっしゃるんでしょうか?
1点に集中していて他のことは何も目に入らないという感じの人だなと思いながら演じています。その1点が漫画で、それをずっと突き詰めて穴が空くほどなんかずっと見てた中に、燈子という存在ができて変化する部分もあるんですよね。
――ミツヤスとご自身は似ていると思いますか?
僕も芝居と写真のことくらいしか考えてないから似ているかもしれないですね。常にそのことを考えていて、どこに行っても台本を読んで、台本に書かれた言葉からどういうふうに芝居をするのかを考えたり、人や光の具合を見て写真を撮りたくなったり・・・人生の中でそういう興味のあることが僕も少ないのでミツヤスの性格に近いかもしれないです。
――主演を務める蓮佛さんの現場でのご印象は?
芝居が上手いの一言です。リアクションや目の動き、言葉の受け方にしてもスキルがあって、ナチュラルに表現できるんですよね。感情をバウンスさせてちゃんと届けるし、それを拾ったり吸収もしてくれるからご一緒していて居心地が良いです。蓮佛さんが演じる燈子だからこそ、自分がミツヤスという人物を演じられているなと思います。
――本作では大人の恋の難しさが描かれていますが、安藤さんが恋の難しさを感じることはありますか?
大人の恋の難しさ・・・実は感じたことがないんですよね。大人になってできるようになることが増えたというのは感じたことがあっても、難しくなったことは無いなって・・・大人だからこういう恋をしなきゃとか、好きという気持ちをコントロールしなきゃとかも考えたことがなくて。そういう考え方も昔から変わらないです。
――本作では"本当の幸せ"とはなんなのか・・・ということも描かれますが、安藤さんにとって幸せなことは?
やっぱり芝居をしている時と写真を撮ってる時、映像や音楽などクリエイティブなことに触れ合っているときですね。本当にそのこと以外に考えてないというか・・・興味がないんです(笑)。良い家に住んで、良い車を買って世界中を巡りたいとかもないし・・・お金は欲しいですけど(笑)。でもとにかく基本的に他のことには興味がなくて、写真が好きだから個展を開いたり、芝居が好きだから役者を続けたり・・・その中で、関わってきた方にもらったエネルギーやインスピレーションを自分のものにして、きちんと全力で返す。それでまた巡り合えたらいいなというようなことしか考えてないんですよね。
――では、安藤さんが目指す"理想のオトコ"像は?
いいなと思うのは、仕事があって自由で何かに縛られることがなくて、帰れる家があることですね。好きな人がいれば何かを気にすることなくその人と一緒にいられて・・・そんな自由に憧れます。
――最後に、改めて本作の魅力と放送を楽しみにしている方へのメッセージをお願いします。
まずは脚本の素晴らしさです。脚本を読むだけで面白くてそれだけで成立するドラマなんです。それをさらに面白く見てもらえるように立体化するのかということを考えながら撮影に望んでいるんですけど、改めて蓮佛さんがすごく魅力的ですね。蓮佛さんのお芝居を正面に立って横に立って、一番良い席で見られるのが本当に嬉しいです。そんな蓮佛さんが演じる橙子の姿を見守ってほしいです。
また、燈子は30代の女性なんですけど、30代って人生の岐路だと思うんですよね。仕事や結婚のことを深く考える年代というか・・・仕事はちょうど面白くなってきて、自分の意見が通るようになったりを実感する時だなと思いますし。このドラマが放送される時間は疲れて帰ってきて着替えやお風呂など一通りのことを済まし、一日の終わりにリアルタイムで見てもらい、そのまま就寝すれば良い夢がみれると思います(笑)。すでに寝ている時間であればParaviで見てください。元気が出たり、恋に対してポジティブになったりするんじゃないかなと。人に優しいドラマになっていると思うのでぜひ見ていただければと思います。
◆番組情報
ドラマParavi『理想のオトコ』
毎週水曜日深夜24:40より放送中
動画配信サービス「Paravi」にて独占先行配信中
(C)「理想のオトコ」製作委員会
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