離婚に向けた活動(離婚活動)がテーマとして描かれる、北川景子と永山瑛太によるドラマ『リコカツ』(TBS系)の第3話が、4月30日に放送された。

ファッション雑誌編集部に勤務する水口咲(北川景子)は雪山で遭難し、自衛官の緒原紘一(永山瑛太)に救出された出会いを経て、「交際0日婚」を果たす。ところが、ライフスタイルや価値観の違いから、すぐ離婚を決意。「リコカツ」をスタートしたものの、何度かのトラブルを経て、二人の心は近づいていた。

そんな矢先、咲の両親にも、紘一の両親にも、離婚の危機が訪れる。咲の両親は、父の度重なる浮気がきっかけだが、紘一の両親の場合、母・薫(宮崎美子)が突然離婚届けを残して家を出ていた。しかし、箱根の温泉旅館で働いていることがわかり、咲と紘一は二人で会いに行くことになるのだった。

目的はあくまで薫を連れ戻すためだが、二人にとって、これは初めての旅行だ。サイトを確認する二人を見て新婚旅行の計画だと思った咲の母・美土里(三石琴乃)に「楽しみねぇ」言われ、内心ハラハラしつつも平静を装って「僕はそれほどでも・・・」と口にご飯を詰め込む紘一だが、箱根のガイドブックで熱心に「予習」する姿はなんだか可愛らしい。咲もやはりウキウキ気分が隠せずにいた。そんな折、咲はファッション誌から「文芸部」への異動を命じられ、沈んだ気分で旅行を迎えるのだった。

いよいよ薫の働く旅館へ。しかし、そこで二人が見たのは、生き生きと働く薫の姿だった。紘一は言う。

「わからなくなった・・・今まで自分が見てきた母さんの姿はなんだったのか。ずっと不幸せだったのかもしれない。ずっと我慢していたのか、自分がいたから」

そんな紘一に、咲は「子どもの頃さ、雨が降った時、お母さん、傘持って迎えに来てくれた?」と問いかける。実は中学でも迎えに来てくれて、恥ずかしかったと話す紘一。料理もうまく、本当は甘い卵焼きが苦手なのに、父のためにずっと作っていたという過去も。さらに「ああ見えて、躾には厳しい。困っている人がいたら助けなさいとよく言われた」と振り返る。

最初は強烈キャラにしか思えなかった紘一が、実は咲の言葉に素直に耳を傾け、歩み寄ろうとするなど、優しい面がたくさんあるのは、厳しくも愛情たっぷりに育てられたからなのか。母の話をする紘一の言葉には、やはり優しさが詰まっていた。

咲は紘一に、妻であり母である人生も幸せだったけど、他にも自分の人生があったかもしれないと思うことはあると言い、「離婚するための旅行だったのに、思わずウキウキしちゃうとか」と本音を漏らす。

そして翌日、黙って宿を去ろうとする紘一の背中を咲が押してあげることで、薫と話をする機会を得るのだ。

そこで薫が語ったのは、「緒原さんの奥さんでもなく、紘一君のお母さんでもなく、『薫さん』と呼ばれる」ことの喜びである。この思いに共感する女性は多いのではないか。そして「一人の人間としての居場所が欲しかった」と言う薫に紘一は「今の母さん、すごく良い顔だ」と伝える。

しかし、その報告を父が認めるわけがなかった。紘一を責め、「連れ戻せ!」と怒鳴る義父に、たまらず咲が紘一をかばう。そして、「言いすぎた」と反省しつつ、「黙ってられなくてつい」と言う咲は、その理由を問われ、こう返すのだった。

「だって私、まだあなたの妻だから」

第1話、第2話と、咲を助けてくれた紘一が言った決めゼリフ「だが、まだ君の夫だ」のレスポンスを、まさかここで聞くとは。しかも、咲は薫から、紘一が「この人を守るためにこの仕事についたんだ」と雪山の遭難で出会った時に運命を感じていたことを聞いていた。直接本人から言われるよりも、間接的に告げられるこの思いは、着実に咲の心を溶かしたのだろう。

紘一のバックハグに対し、初めて咲も体を紘一の方に向け、抱き合う姿勢になる。もう離婚する理由なんてどこにもないような気がするが・・・。

(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)

【第4話(5月7日[金]放送)あらすじ】

咲(北川景子)は紘一(永山瑛太)が自分と結婚した理由に心を打たれ、紘一も自分を理解してくれている咲のことを愛おしく思う。紘一の実家の騒動を機に初めて気持ちが通じ合えた2人。夫婦仲良く帰宅すると、家にはなぜか咲の元カレである貴也(高橋光臣)がいた!
咲の母・美土里(三石琴乃)が、弁護士である貴也に自分の離婚を相談したのがきっかけだったが、貴也はそこが元カノ・咲の新居であり、その夫がスポーツジムで仲良くなった紘一だと知り、凍り付く。そして、この一件を機に再び咲と紘一の間に距離ができてしまう。

翌日、咲は異動になった文芸部に初めて出勤し、小説家・水無月連(白洲迅)の担当を命じられる。連は若者に絶大な人気がある"恋愛のカリスマ"だ。しかし、その言動は身勝手極まりないもので、異動して早々に仕事にも暗雲が立ち込めていた。

一方、紘一は紘一なりの思いで、咲との離婚を真剣に考え始めていた。そんな時、美土里が自分の誕生日パーティーを咲たちの新居で開くことを勝手に決め、知り合いに招待状を送っていた。そのパーティーで再び咲と紘一と貴也が顔を合わせ、そこにさらに紘一に思いを寄せる同僚の隊員・純(田辺桃子)もやって来て・・・。

◆放送情報
『リコカツ』
毎週金曜夜22:00からTBS系で放送中。
地上波放送後には、動画配信サービス「Paravi」で配信。
Paraviオリジナルストーリー「リコハイ」も独占配信中。