――台本を最初に読んだ時の印象は？

桜井ユキさん演じる年上の女性と僕が演じる年下男子が家で繰り広げるラブコメディで、題材として"離婚"というものがあるんですけど、僕自身、両親が離婚したこともあって少しマイナスなイメージがありました。でも本編の『リコカツ』やParaviオリジナルストーリー『リコハイ！！』では、離婚によって新たな出会いとか新たな価値観が生まれてくるというのが描かれていて、最初に台本を読んだときにそこがすごく面白いなと思いました。僕の中で概念が変わったというか･･･両親の離婚も別々の新たな人生を今歩んでいる最中なんだなと前向きに捉えることができるようになったので、僕にとってはとても良い出会いだったなと思います。

――健太はどういう人物なのでしょうか？

一途なんですけど、愛情表現がちょっと下手な一面があると思います。そこには両親が高校生の頃に離婚してしまって･･･というバックボーンがあって、元カノとの結婚になかなか踏み出せないというか、「結婚なんて紙切れ1枚じゃないですか」みたいなタイプで。でも希恵は逆に「その紙切れ1枚がどれだけ大事か！」というタイプなので、その2人のバトルも見どころの一つかなと思います。

――本作を通して恋愛観に変化などありましたか？

言葉とか行動でちゃんと示してあげないと女性は不安なんだなというのはすごく思いましたね。「好き」とちゃんと伝えるとか。目に見える愛情表現が、いかに大事かということ、意外と女性はそういうところにシビアなんだなというのは、改めて強く思いました。

――希恵を演じる桜井さんのご印象は？

クールで芯の強い女性という印象があったんですけど、いざ撮影が始まったらすごく気さくに話しかけてくれるし、すごく雰囲気が柔らかくて素敵だなと思いました。カメラが回っているときは希恵と健太という間柄で、希恵がちょっとツンツンしてるんですけど、カメラが止まるとセッティングの時とかも何気ない会話をしてくださってすごく優しいんです。健太の部屋は緑が多いので「こういう部屋はいいですよね」って話からお互いに観葉植物が好きなことが分かって。「最近ちょっと集めてるんですよね」って言ったら「良いお店知ってるから教えてあげる！」って教えてくださったりして。

あと、僕にとって力を入れなきゃと思っていたシーンの撮影では「黒羽くんがやりやすいようにやって。合わせるから」って言っていただいて。自由にやらせていただいたのですごく楽しかったです。実は初日に、セットをぶっ壊してしまって（笑）。希恵が部屋にワーッと入ってくるシーンがあって、僕の元カノを暴れ散らかしながら探してて、僕がそれにすっ飛ばされるみたいな芝居があったんですけど、すっ飛ばされたときに、扉が後ろにあって。引き戸だから大丈夫かなと思っていたら勢いが良すぎて扉が外れてバターンって（笑）。なんかドリフみたいな感じになってしまって反省しました。

桜井さんや他のキャストさんもそうですけど、スタッフさんもあたたかくて、常に笑いのある現場だったので、すごく恵まれているなと。撮影のスケジュール自体はパンパンで大変だったんですけど、全然なんか苦じゃなくて。楽しい充実した日々を送れています。

――黒羽さんご自身は年上女性お好きですか？

年上なのにちょっと弱い部分が見えたり、年下だけどすごくしっかりしている面を見ると「おっ」って思っちゃうので、それこそ希恵みたいに目の前で泣かれちゃうちゃうと守ってあげたくなりますよね。あと僕は基本的に甘えん坊なので（笑）、年上女性も好きです。

――印象に残っているシーンやここを見てほしいというおすすめのシーンは？

僕の年下加減ですね！　すみません、ちょっと調子に乗りました（笑）。最近舞台などで演じていた役は自分よりも少し歳が上だったり大人びたタイプが続いていたんですけど、加賀谷健太は僕と同じ27歳なんです。でも歳上女性との差を出すために、実年齢よりも精神年齢が低いというか･･･重いものをあまり重いと捉えてないようなフラットに考える若さみたいなものを意識しながら演じました。監督から「今ちょっとおじさん臭かったよ」とか指導していただきながら作り上げていったので、その年下感溢れる部分を楽しんでいただければと思います。

希恵との会話劇が中心なのでその会話でどうやってナチュラルに物語が進んでいくのかも観てほしいですね。あと男女の物語なので、お互いの元旦那、元カノが絡んでドタバタ劇を展開しながら一緒に住むことになった希恵と健太がどうなっていくのかを見守っていただたらうれしいです。

（撮影＝能丸健太郎）

◆放送情報
Paraviオリジナルストーリー「リコハイ！！」
毎週金曜夜22：00からTBS系で放送中のドラマ『リコカツ』地上波放送後に独占配信中。

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