――主人公・青山役の中村倫也さんとの共演はいかがですか?

物語の前半は、ぺいが青山(中村)を探しているというシーンが多いので、中村さんとの共演シーンは少ないのですが、現場で中村さんに何度かお会いした時は、すごく優しい方だなと思いました。壁がなくて、ドキッとするような素敵な声で、「おはよう」(※中村さんの口調に似せて)と、話しかけてくれました(笑)。『今日から俺は!!』(2018年、日本テレビ)の時に、中村さんがゲスト出演されて、その時に共演は少しだけあったんですけど、ここまでがっつり共演するのは、今回が初めて。中村さんは、僕のイメージと変わらないですね。お会いした時に感じた、柔らかい雰囲気のままでした。

――役作りでされたことはありますか? 髪も金髪にされたり、メイクでそばかすも足されたりしていると伺いました。

ぺいを演じるために髪を染めて、切りました。そばかすは、監督やメイクさんがプラスで作ってくださいました。クマも足していますね。少し、怖さというか、不健康さがほしいなということで。肌のざらつきとか、汚れ感とか、ペいが生きてきた人生を肌で語っているのが、面白いですね。

――メイクから役のイメージがふくらむこともありますか?

そうですね。メイクしていただいて、出来上がった顔をみると「これがぺいなんだ」と思うので、それでスイッチが入る感じはありますね。

――『今日から俺は!!』で演じた不良・相良のように、今回もダークな役どころですが、久々にこうした役を演じてみて感じることは?

僕に相良役のイメージを持っている人もいると思うので、ビジュアルで、そこをイメージさせないようにというのは悩みました。あくまでも、ぺいはぺい。確かに、ダークな役ではありますけど、すごくオラオラしているかというと、そうでもないので、もう少しぺいの人間らしさを大切にしていきたいと思って演じています。

――実際に、ぺいを演じてみての感想を聞かせてください。

最初のぺいの登場シーンは、何を考えているか分からない怖さがあって、青山をただ探しているただのチンピラに見えると思います。でも、ぺいはぺいなりに、青山に対して本来の目的があって・・・。それが周囲にばれないように演じなきゃならなかったので、心の中と表面がリンクしていないのが、難しいところだなとは思いましたね。異様なキャラクターだとは思うので、彼がなぜそこまで、青山を追っているのかというところを、注目して見てもらえたらと思います。

――台本を読まれた時に、感じたことは?

原作の画がかわいらしいタッチだなと感じたんですが、内容は画のタッチとは真逆で・・・。生きづらさを感じている人たちにフォーカスを当てていて、人間の暗い部分や想いが描かれていたので、画とのギャップが面白いと思いました。

――中盤からは、ストーリーも変化していきますが・・・楽しみにされていることは?

結構、ハードなシーンが多いという印象です。なので、楽しいかどうかは終わってからじゃないと分からないですね。

――本作は珈琲が題材になっている作品ですが、磯村さん自身は、珈琲はお好きですか?

珈琲は大好きなので、毎日2~3杯は飲んでいます。珈琲には助けられていますね。

――"サウナ"以上に好きですか?(「サ道」※2019年放送のテレビ東京ドラマにかけて)

それは難しい質問ですね(笑)。でも、サウナの方が好きかもしれないです。

――ご自身を珈琲で例えるなら、何になりますか?

そうですね・・・どうでしょう(熟考)・・・「ブラック」って言うとすごく性格が悪い人に聞こえるかも(苦笑)。難しいですね。あ、あれかな! 練乳が入った甘いベトナム珈琲! 理由は、何となく・・・が正直なところですけど(笑)。滑らかさが欲しいな、と。苦いだけじゃなく、口当たりもいい珈琲がいいなと思いました(笑)。

――青山とお客さんのやり取りのように、磯村さんが飲食店での店員さんとのやり取りで、印象に残っていることはありますか?

今はなかなか外で食べることができないので、よく出前を頼むんです。同じところで頼むことが多いのですが、ある日商品が届いて袋を開けたら手紙が入っていて。「おめでとうございます。今回は10回頼んでくれた記念として、鶏の半身揚げをプレゼントします」と、手紙付きで鶏の半身揚げが入っていたことが印象に残っています。

それと、お腹が空いていた時に、おかずをいろいろ頼んだ時があったんです。その時も、「こんなに買っていただいてありがとうございます。おまけで枝豆の浅漬けをプレゼントします」と、サービスをしてくださって。手紙も印刷したものを入れているのではなく、手書きで書いてくれているという心遣いに、温かい気持ちになりましたね。

――改めて本作への意気込みと、磯村さんが思うドラマの見どころを教えてください。

社会でうまく生きられない人たち、人生で苦しい思いをしている人たちが、青山の珈琲に出会って救われていく物語。今は、どこか生きづらい世の中ですから、この作品を見て、まさに珈琲を飲んでいるかのような気持ちになって、少し心がホッとする瞬間を作れたらいいのかなと思っています。ドラマでは、オリジナルで付け加えられている部分があったりして、原作とは少し変化をつけているので、原作とドラマで違った楽しみ方もできると思います。

(取材・文/齊藤恵)

◆番組情報
『珈琲いかがでしょう』
毎週月曜23:06よりテレビ東京系にて放送中
※初回~3話は5分拡大
出演:中村倫也 夏帆 磯村勇斗 ほか
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」では本編見逃し配信のほかに、Paraviオリジナルストーリー「珈琲"もう一杯"いかがでしょう」を独占配信中。

【公式HP】https://www.tv-tokyo.co.jp/coffee_ikaga/
【公式Twitter】@tx_coffee
【公式Instagram】@tx_coffee_ikaga

(C)「珈琲いかがでしょう」製作委員会