――出演のお話をいただいた時のお気持ちは?

ここまでストレートな恋愛作品は初めてなのですが、原作漫画を読んだ時に「撮影現場では、役を通してどんな気持ちに巡り合えるんだろう」と、とてもワクワクしました。

――映画『天外者』(2020年)で脚本を手掛けた小松江里子さんとの再タッグになりましたね

こんなに短いスパンで再びご一緒できると思ってなかったので、嬉しかったですね。小松さんが現場にいらっしゃった際に少しお話しをしたのですが「どんなふうになるのか楽しみにしています」とお言葉をいただきました。

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――宮脇亮監督とも、早くも再びですね

2020年の映画『ヤウンペを探せ!』以来ですね。私が演じる燈子はナチュラルで等身大の役どころなので、作り込んだりせず自然体で演じようと思っていたのですが、衣裳合わせの時に宮脇監督も「ナチュラルにやってほしい」とおっしゃってくださって。

そのほかにも色々相談しながら作品を作っていくことが楽しかったです。プロデューサーの高石明彦さんもそうですが、カメラマンさんや照明さんをはじめ、以前ご一緒したスタッフの方も多くいらっしゃったので、家族に見守られているかのような撮影現場でした(笑)。

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――燈子を演じられてみていかがでしたか?

私は燈子と同世代なのですが、好きという感情だけで動けないところは、共感しながら表現できたのかなと思います。燈子が、この人のことが好きなのかどうかを考える時に、二の足を踏んでしまうところは「分かるなぁ」と。それと「恋愛したら、みんなかわいいんだな」と思いました(笑)。

――燈子を演じていて印象的だったシーンは?

すごくハッピーだったところから、あっという間にすれ違っちゃう、みたいな高低差は、傍から見てると恋愛の醍醐味に思えました。嬉しくて舞い上がっちゃったり、不安になったりも含めていいな、と。そんな大人だからこその恋がもどかしくて好きですね。

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――撮影現場の雰囲気はいかがでしたか?

現場がすごく和やかだったんです。恋愛モノだからと緊張することもなく、自然体でできました。共演者の方々もおおらかだったので、のびのびやれましたね。

燈子の親友である茉莉沙役の藤井美菜さんとは同世代で、すごく話しやすかったです。藤井さんや、瀬戸利樹さん、味方良介さんといた時に、瀬戸さんの「エスカレーターで女性は男性より上と下、どっちにいたほうがいい?」という質問に盛り上がったり。どの役が推しか?という話もしました。私は、漫画家・ミツヤス先生のアシスタントの最賀(平井亜門)くんかな。ミツヤス先生(安藤政信)も、もちろん好きですけど!

――Paraviで先行配信もされていますが、OAをご覧になってみていかがでしたか?

あっという間でしたね。「どうなるんだろう?」というワクワク感や、いい疾走感がありました。分かりやすく説得力のある作りで、すごくいい大人の恋愛ドラマだなって、非常に手前味噌ですけど思いました(笑)。

1話の燈子とミツヤス先生が居酒屋で飲んでいるシーンは、燈子がベロベロに酔っているお芝居だったので、先生がどんな表情を燈子に向けているのか見れていなかったんです。でも、この前の放送を見たら「何かもう、(先生が燈子のことを)完全に好きじゃん!」っていう感じだったので、そこにすごくキュンとしました。

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――安藤さんとの共演シーンで印象的だったところは?

安藤さんが演じるミツヤス先生は、コミュニケーション能力が低くて恋愛に不器用なキャラクターなんですが、たまに安藤さん本人のカッコよさが出てしまう時がありました(笑)。ベースがすごく本能的な方なので、安藤さんと役が同化しているというか。お芝居でも、間合いやテンポに独特の"安藤さんイズム"があったので、不思議なところから球が投げられる感じで、受けていて面白かったです。

――蓮佛さんが思う本作の"胸キュン"ポイントは?

自分の思いを上手く伝えられないもどかしさを抱えている人が、たとえ不器用でも自分で考えて紡いだ言葉を伝えてくれることって、ものすごい愛情表現だなと思って。燈子もそうですが、不器用な人が一生懸命伝えようとする姿はすごくかわいらしいし、美しいし、そういうところもこのドラマの良さだなと思いました。

――本作では燈子の親友・茉莉沙の物語も描かれますが、蓮佛さんからみて茉莉沙の物語はいかがですか?

茉莉沙のパートは、原作だとよりリアルでシビアに描かれていて、私はすごく好きなんです。燈子よりも、茉莉沙の方がより現実的に心が揺れ動いているので。既婚者だけど「本当にこの結婚生活でいいのか」と悩んだり、年下男子に翻弄されたり・・・そういう部分が、すっごく泥臭くていいなと思っています。茉莉沙が出した答えがどんなものだったとしても、自分の生き方や旦那さんとの向き合い方とか、いろんなことを見つめ直しているので、カッコいいなと思いました。燈子とはテイストが違うので、より大人っぽいと思いますね。

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――視聴者の皆さんにメッセージをお願いします

大人だからこそ作れた恋愛ドラマだと思っています。経験値を重ねていろいろな想いを経験してきたからこそ、好きと言えなかったり、踏み込んでいいのか分からなかったり、世間体や結婚が頭をよぎって前に進めなかったり・・・そんな大人たちの、不器用だけど、すごくかわいいラブストーリーになっています。

今回改めて思ったのが、トキメキとかキュンとする気持ちって"癒し"の1つだな、と(笑)。そういう気持ちが散りばめられている作品なので、ぜひ味わってもらって、皆さんの癒しになったらいいなと思っています。

(取材・文/齊藤恵 撮影/高橋)

◆番組情報
ドラマParavi『理想のオトコ』
毎週水曜日深夜24:40より放送中
動画配信サービス「Paravi」にて独占先行配信中

hair&make:宮本愛(yosine.)
stylist:佐藤遥菜(crêpe)
アイテム(ブランド/問い合わせ先):イヤーカフ(warmth/株式会社ユーストン 03-6413-0156)

(C)「理想のオトコ」製作委員会