人気小説投稿サイト「エブリスタ」で話題となった八月美咲の小説でコミカライズ化もされている作品をドラマ化した『私の夫は冷凍庫に眠っている』がテレビ東京にて4月10日から放送開始した。タイトル通りの、夫を冷凍庫に"眠らせた"衝撃的な展開から、次々と思わぬ恐怖が飛び出してくる前代未聞のラブサスペンスが展開されている。

主人公の夏奈(本仮屋ユイカ)は、夫になるはずだった亮(白洲迅)を衝動的に殺めてしまい、昔、祖父が駄菓子屋からもらってきたというアイスを入れる冷凍庫に亮を入れて・・・。「悲しいことがあった時、私は手を洗う。水の冷たさが泡立った気持ちを沈めてくれるから」と冒頭で夏奈が手を洗うシーンや、亮を冷凍庫に詰めた夏奈が仕事から開放されたかのようにダンスする姿・・・そんな衝撃的な数々の描写から物語はスタート。明くる日、目を覚ました夏奈は「そうなんだ。私ってずっと悪い子だったから。どういう大人になればいいかわからなくて・・・」普通の女の子になりたかった」と自分自身を回想しながら、亮を殺した部屋の後始末をしていく。爽やかな朝の日差しとその夏奈の冷静さがどこか不気味で、普段と変わらないような日常な光景だからこそ、ゾッとさせられる。

掃除を終え、夏奈がキッチンに立っていると、突然「おはよー」と声をかけられる。振り返ると、そこにいたのは何と亮で・・・! こ、怖すぎる(MAX)。自分が殺した亮が、首に絞められた跡のある亮がそこに立っていたのだから。幽霊ではないかと思い、恐る恐る亮に触ろうとして、亮に手を弾かれるバチンという音もまた、信じがたい現実に引き戻されるようで、恐怖感があおられる。

動揺する夏奈が思わず外に出ると、偶然、隣人のミステリー作家・孔雀先生(斉藤由貴)がいて・・・。夏奈のささいな変化に、すぐ気がついた孔雀。亮にも近づいたりするなど、孔雀がただの隣人以上に夏奈に関心を持っていることも感じられ、気にならずにはいられない存在だ。娘の婚約者を裏で調査させているなど夏奈の母・木芽(浅田美代子)の過保護すぎる行動もあって、夏奈を取り巻く人間関係がより、夏奈という女性のミステリアスさを浮き彫りにしていた。

外出をして帰ってきた夏奈は、亮がいないことに一安心するがすぐに亮が現れ・・・"悪魔"=亮の現実に改めて直面する。夏奈が愛おしいと思っていた亮は1週間前に突然豹変、"悪魔"になったのだ。そんな亮の酷い所業に耐えかねて殺害してしまったわけで・・・。優しい言葉をかけられても、目の前にいる亮に不信感しかない夏奈の恐怖と憎しみはさらに増幅。「殺すだけじゃ足りない」と冷凍庫を前に包丁を振り下ろすというインパクトのあるシーンで締めくくられ、その後の夏奈の行動が気になるラストだった。

最初から最後まで恐怖と謎に満ちたスリリングな展開を見せた第1話。殺害した夫が生き返る!?という衝撃的な展開のなかに、夏奈をはじめ、様々なキャラクターの謎も見え隠れ。最大の謎は、やはりなぜ亮が生き返ったかというところだが、夏奈の淡々とした佇まいや、孔雀の意味深な言葉、木芽の夏奈を思う異常な行動、そして穏やかだった亮がなぜ豹変したのか謎が謎を呼ぶ展開に惹きつけられる。次回は、恐怖にかられた夏奈が、殺した亮を生き返った亮に食べさせるという行動に!? 衝撃度が増す第2話も見逃せない!

(文/小松加奈)

【第2話(4月17日[土]放送)あらすじ】

如月夏奈(本仮屋ユイカ)が殺したはずの婚約者・佐藤亮(白洲迅)が、なぜか生きている。だが死体は冷凍庫で凍ったままだ。「殺すだけじゃ足りない」――そう考えた夏奈は、死体の一部を切り刻みミンチ状に。それを生き返った亮に食べさせるという、恐ろしい企てを思いつく。ところが翌日、亮は人が変わったかのように、職に就くと言い出す。「いい夫になる」という亮の言葉に騙されまいと、夜中に仕込んだあの肉のハンバーグを弁当に詰め、面接に向かおうとする亮に手渡すが・・・。亮が出かけた直後、向かいに住む孔雀(斉藤由貴)が「息抜きがしたい」と訪ねてくる。それどころではない夏奈は、家にあげたものの、嫌悪感を露わに。しかも孔雀の手土産は、半年前、亮と出会った洋菓子店のケーキだった。偶然にもお互い誕生日だったことで急接近したあの日の記憶が、夏奈の脳裏によみがえってきて・・・。

◆番組情報
サタドラ『私の夫は冷凍庫に眠っている』
毎週土曜23:25よりテレビ東京にて放送。
動画配信サービス「Paravi」で全話配信中。