――コナリミサトさんの原作漫画を読まれた感想をお聞かせください。
原作漫画は、何がきっかけだったかは覚えてないのですが、だいぶ前に読んでいて、「連ドラにしたら面白いだろうなぁ」と感じていたんです。人を救いながら自分も救われていく、ミステリアスな男の物語。きっと現代に響くんじゃないか、と。そして、その後にドラマ『凪のお暇』で原作者のコナリさんとお会いした時に、『珈琲いかがでしょう』の話をしてくださり・・・「こりゃあ実写化かな??」と感じ、今に至っています(笑)。物語の前半と後半でガラっとテイストが変わり、物語が深まっていくのが印象的でした。
――今回は原作ファン待望の主人公・青山一役を演じられますが、役作りにおいて原作のキャラクターはどのくらい意識されましたか?
ビジュアルは寄せているつもりですが、実写化に際して、特に意識していることは、青山の"なぜかわからないけど、この男に身の上話をしてしまう感"ですかね。各話のゲストの方々のエピソードを、ホストとして引き出せるような存在を、まずは目指しています。
――そうした、"身の上話をしてしまう"ような安心感を、中村さん自身は人のどんなところに感じますか?
距離感じゃないですかね。適度に僕に興味があって、適度に僕に興味がない人が楽かもしれないですね。
――実際、中村さんと青山は似ている部分はありますか?
一つのものを丁寧に作っていくのが好きなところですかね。でも、青山の言葉に共感するところは多々あります。何というか・・・相手の自己肯定感を高める言葉が多いんですよね。それはきっと、彼の人生でいろんなことがあって、出会いや葛藤の末にたどり着いた言葉なんだと思います。そういうものをアウトプットしたいという願望と、その言葉のチョイスや手渡し方みたいなものは、通ずる部分があるかなぁと思いました。
――青山は物語のホストのような立ち位置のキャラクターの役ですが。演じてみて、いかがですか?
演じていて、楽しいですよ。ホスト的な意味合いで考えると・・・僕は人の話を聞くのが好きな子だったんですよ、4歳から・・・あ、3歳でした。すみません!(笑)。だから、青山の、人の話を引き出すようなところは、やっていて楽しいですね。
――青山を演じるにあたって、役作りでされたことは?
今年の正月休みは、毎日、珈琲ドリッパーと向き合っていました。サボりたかったです(笑)。
ただ、その時間、そのことだけに集中する4、5分の、静かに豆と向き合ってやっていく作業が、性に合っていると思いましたね。
――珈琲を淹れる過程と役作りをする過程で、共通するところはありますか?
何事もそうだと思うんですけど、一生懸命やっていると、それまで気付かなかったものが見えてきたり、それがすごく仕事の上で助けになったりするんですね。だから、どこまで追及して一つのものにどこまで向き合えるかは、どの仕事でも大事な気がする。珈琲を淹れることを丁寧に丁寧にやっていれば、いろいろな変化があったり、反応があったりするので、そういうところは役作りとも似ているかもしれないですね。
――原作のなかに青山を「湯気みたい」と例えられるシーンがありますが、中村さんを珈琲で例えるならどんな存在ですか?
僕自身ですか? ・・・わかんないよ(苦笑)。全部じゃないですか? 珈琲豆でも、器でも、淹れる人でもなきゃいけないし、どれも持っていないといけない気がします。こういう概念的なことって難しいんですが・・・ん~、「バリスタのチョビ髭」にしておきます(笑)。
――ちなみに珈琲はお好きですか?
飲むのは好きですよ。その辺は、3月に発売される僕の書籍に書いてますので、よろしくお願いします(笑)。
――インタビュー後編では、撮影の様子やドラマの見どころについて聞いた。
(取材・文/齊藤恵)
◆番組情報
『珈琲いかがでしょう』
2021年4月5日(月)スタート
毎週月曜23:06よりテレビ東京系にて放送
※初回~3話は5分拡大
出演:中村倫也 夏帆 磯村勇斗 ほか
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」では本編見逃し配信のほかに、Paraviオリジナルストーリー「珈琲"もう一杯"いかがでしょう」が独占配信される。
【公式HP】https://www.tv-tokyo.co.jp/coffee_ikaga/
【公式Twitter】@tx_coffee
【公式Instagram】tx_coffee_ikaga
(C)「珈琲いかがでしょう」製作委員会
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