おじさまと猫の心温まる日々を描いた桜井海のコミックを原作とした、草刈正雄主演のドラマ『おじさまと猫』第11話が3月17日に放送された。窓に鍵がかかっていなかったことから、外に出て、迷子になってしまったふくまる(声:神木隆之介)。帰宅後、ふくまるの姿がどこにもなく、窓が開いているのを見た神田冬樹(草刈)は、たまたま鍵をかけ忘れたことに気づき、「私は飼い主失格だ」と落ち込む。しかし、すぐに思い直し、「絶対見つかる」と自分に言い聞かせながら、猫がいそうな場所を探し回るのだった。

本で読んだ「時間が早いうちは近くにいる、時間が経つにつれ遠くへ行く」という情報は、冬樹にとって頼みの綱であり、不安要素でもある。つまり、時間が経てば経つほど遠くに行くだけに、時間勝負なのだ。

そんなとき、衰弱している別の猫を見つけて放っておけず、病院に連れていく冬樹。ここで衰弱している猫を見捨てられない冬樹だからこそ、ふくまるも大好きになったのだろうけれど、ふくまるが見つかる可能性は残酷にも低くなっていく。

一方、迷子になり、不安な気持ちのふくまるは、パパさんのさまざまな姿を思い出していた。

「そういえばパパさん、結構泣き虫にゃ。でも、(親友の)小林(升毅)の前では絶対泣かないにゃ。ふくまるの前でだけ涙ポロポロにゃ。にゃんでか不思議だったけど、今、わかったにゃ。ふくまる、頼れる猫だからにゃ!」

そこから「負けるなふくまる、立ち上がれふくまる、きっとパパさん、心細くて泣いてるにゃ」と歩き出す。

それにしても、少し前まではペットショップで売れ残り続け、下を向いて、何も希望を持たなくなっていたふくまるが、愛されることを知り、さらに「守りたいもの」を持ったことで、こうも強くなれるとは。

変わったのは、ふくまるだけじゃない。ふくまるがいなくなってしまったことを知ったことで、ペットショップの店員・佐藤(武田玲奈)も、小林も、音楽教室の同僚・森山(小関裕太)も、ふくまるきっかけで友人になったピアニスト・日比野奏(平山浩行)も、ビラ配りに協力してくれていた。

これは「もっと周りを頼っていいんだよ!」と小林に言われたことがきっかけだが、自分の性格的弱点を変えられたのは、ふくまるがいたからでもある。

しかも、ここで初めて顔を合わせた面々がまたつながり、チームとなっていく。どんどん仲間が増える、ふくまるアベンジャーズのようである。

そして、8日後。ふくまるが見つからず、寝ていないのではないかと音楽教室で心配される冬樹のケータイが鳴った。電話をくれた主のもとに行くと、30分ほど前にふくまるの姿を家の裏で見たという。

必死で探す冬樹の声により、倒れて前も見えなくなっていたふくまるが起き上がり、懸命に歩き出す。そして必死で声を絞り出すことで、ついに感動の再会が。
ホッとするとともに、残り1話という事実にちょっと打ちのめされそうだ。

(文・田幸和歌子/イラスト・月野くみ)

【最終回(3月24日[水]放送)あらすじ】

神田と再会し、無事におうちに帰ってきたふくまる(声:神木隆之介)。安心するも、ふと孤独に過ごした日々がこみ上げ、泣き出してしまう。そんなふくまるに神田(草刈正雄)はそっと寄り添うのだった・・・。
一方、森山(小関裕太)のライブが翌日に迫っていた。ふくまるの捜索に協力してくれた皆のためにも、神田はライブに行くことを決意する。しかし翌日、会場で神田が目にしたのは、仲間に見捨てられ、ステージで1人立ち尽くす森山の姿だった・・・。そんな彼のために神田ができること、それは・・・。

◆番組情報
ドラマParavi『おじさまと猫』
毎週水曜深夜0:58からテレ東で放送中。
動画配信サービス「Paravi」では全話配信中。