【前編はこちら】『アノニマス』清水尋也インタビュー!「若い世代に特に響くような作品」
――オリジナルストーリー『アノニマチュ』では四宮が主人公ですが、何か意識して撮影に臨んでいることはありますか?
『アノニマチュ』は『アノニマス』とは全く違う、別作品という印象ですよね(笑)。
最初はスピンオフだし、本編のどのラインを攻めればいいんだろうと思っていたんですけど、台本を読んでみたらコメディに振り切っている物語だったので少し気が楽になりました。良いのか悪いのか分からないですが・・・本編の四宮は若干忘れて、普段本編では絶対見せないような表情だったりテンションを意識して撮影に臨みました。あたふたしてる姿とか本編では見ないじゃないですか。それをいろんな方に良いって言っていただけたので、そっちで行こうと心を決めることが出来ました。本編よりも楽しいキャラであることを重視しつつ、本編が映像のトーンだったりストーリーがグッと低い感じで淡々と進んでいくので、そんな見終わった後に気持ちをふっと緩めることができるような雰囲気を作りたいなと思いました。本編と切り離すことを意識して「忘れちゃおう!」というぐらいの思い切りの良さを持ってやっています(笑)。
――撮影中の印象的なエピソードはありますか?
毎日楽しいんですよね。そんな中、個人的に悩まされているのが、勝村(政信)先輩のアドリブが面白すぎることでして・・・(笑)。スピンオフでの話なんですけど、結構みんな好き勝手にアドリブをポンポン投げ込んでいて、スタッフさんやプロデューサーさんからも「アドリブが面白いからどんどんやってください」というふうに仰っていただいたのでみんな意気揚々とやっているんですけど、特に勝村さんがすごいんです。本当に何回NG出したかわからないです(笑)。自分が映ってないときにすごい派手なことをやるんです! それを見てる僕たちがカメラで抜かれているので、笑っちゃって何回もNG出して「ごめんなさい! でも悪いのは勝村さんなんです!」って。「この人をどうにかしてください!」って大先輩に向かって言っちゃいました・・・(笑)。おかげで毎日楽しく笑いながらやらせていただいています。
――とても良い雰囲気なんですね。
すごく仲良くさせていただいてると思います。時期的に寒いので撮影時間外はストーブの周りで待機してるんですけど、そこでいろんな話をしたりして。香取さんもそこに混ざってお話してくださったりしていて、大先輩揃いなので、いろんなお仕事の話を聞いたり、プライベートの話で相談に乗っていただいたりしています。皆さん本当に気さくで、初日から打ち解けられました。すごくいい現場だなと感じてます。
――最後に視聴者へメッセージをお願いします。
今の時代だからこそ響くドラマだと思いますし、最近だとClubhouseなど新しいものが出てきてこれからもっともっとSNSは普及していくと思うんです。いい部分がある反面、悪い部分ももちろん出てくるし、その良い部分を作るのは人間だけど悪い部分を作るのも人間だと思うので、そういうのを意識して僕も今後SNSに向き合っていきたいですし、今で終わりの話じゃない、これから先に向けて必要な"意識"としてもこのドラマが少しでも根付いてくれればいいなと思います。
あとはやっぱり同じ世代の人たちには特に見てほしいなと思います。SNSという枠組みの中にずっと自分がいると気づかないけど、一歩外に出て考えてみると、「もしかしたら自分も加害者側にいたかもしれない」とか気づきがあるかもしれない。指でポンとボタンを押すだけで、誹謗中傷ができてしまう時代、面と向かって会いに行って「ふざけんなよ」っていう手間がないじゃないですか、今。手紙を書いて、投函することも減っていると思います。携帯をポケットから出して、二、三文字打って送るだけで、相手の心を傷つけられる時代になってきているわけで、僕たちの世代はそういうのをきちんと意識する前にもうSNSというものが生活の一部になっている世代なので、それをもう一度改めて考え直す機会となる作品になればいいなと思っています。もちろんフィクションとして、物語を楽しんでいただきつつ、今の社会や自分の生活に投影して見てもらえたらうれしいです。
◆放送情報
『アノニマス~警視庁"指殺人"対策室~』
毎週月曜22:00からテレビ東京系で放送中。
放送終了後には「Paravi(パラビ)」で配信中。
また、「Paravi」では、オリジナルストーリー『アノニマチュ!~恋の指相撲対策室~』が独占配信されている。
(C)「アノニマス」製作委員会
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