清野とおるの体験談を描いた同名漫画を原作とし、杉野遥亮が本人役で主演を務めるドラマ『東京怪奇酒』(テレビ東京)の第4話が3月12日に放送された。これは杉野が原作同様に毎回さまざまなゲストから心霊話を聞き、心霊スポットに行って酒を飲む「怪奇酒」を体験する物語である。

今回は、ドラマ25の前作『直ちゃんは小学三年生』のオープニング担当だったOKAMOTO′Sの紹介により、Creepy NutsのR-指定が登場。ホラーは好きだが、酒が飲めないために「怪奇酒」は経験がないし、自身には霊感がないというR-指定だが、元カノが"視える"タイプだったと語る。

そこで紹介してくれたのは、ラブホテル。元カノが部屋に入り、トイレの戸を開けた途端に閉め、戻ってきて言ったのは、「トイレん中、(霊が)ぎゅうぎゅう詰めやった」。

さらに、部屋には大きなノートがあり、最初のほうは付き合い始めくらいの書き込みだったが、そのうちに秘密の関係などが書かれ、白紙がずっと続いた後、急にすごい筆圧で書かれた文字が登場する。

「あんなに好きだったのに」

「最終的に一番怖かったのは人間の念やった」と笑うR-指定。しかし、杉野は全く笑わずに、脅す風でもなく、真顔でこう返す。

「それってそもそも人間の仕業なんですかね?」「白紙のページを何枚もめくり続けたR-指定さんもおかしいですよね」「めくらされていたんじゃ?」。完全に"あっち(霊)側の人"の顔になっているのだ。そして当たり前のようにその場所を聞いていた。オリジナルTシャツまで作って"完全にハマっちゃった"杉野である。

そして、口コミなどを調べて件のホテルにたどり着く。見た目は普通だが、4階が封鎖されているようでエレベーターのボタンがなく、エレベーター内の隅には不吉な感じに大量の盛り塩があった。

行先の部屋は5階で、誰もいない廊下には「ウフフ」「アハハ」などの女性の笑い声が響いているが、もはやそれくらいでビビる杉野ではない。それどころか、屈んだ姿勢で笑い声が床(封鎖された4階)から聞こえることを確認すると、「おいおいおい、なかなかですぞ、このホテルは。大当たりの可能性、大!」。

突然、名探偵のように、妙にキリッとしていて高揚感に溢れる顔で言うのだ。
いざ508へ。今回は「嫉妬深い女性の霊」を予想して、スパークリングワインとマカロンを用意しているが、甘いお酒とスイーツというのは、杉野にとっては新境地だ。

「ぜひ試してほしいです」と霊に語り掛けつつ、ふと思いつき、霊現象がある部屋に貼ってありがちなお札を探し始める。すると、冷蔵庫の中に大きなノート、そしてその下にお札が!

吸い寄せられるようにノートをめくる杉野は、聞いていた通り、何枚も白紙をめくり続けた後、筆圧の強いあの文字に出会う。

「あんなに好きだったのに」

念の強さにはじかれたようにノートを放り出す杉野だが、そこからノートに新たな書き込みをするのだった。

「あんなにって、どんだけ好きだったの?」

すると、風呂のお湯が勝手に溜まりはじめ、ノートが勝手にひっくり返り、中のページを見た杉野はまた、キラキラの笑顔でもはや恒例となっている謎の言葉を放つのだ。

「ま、まざる~~~~!」

ちなみに、今回、この「まざる」について、杉野がOKAMOTO′Sに説明するシーンがあった。

「怖いんですけど、恐怖と酔いとで体の中、グルグルグルグルしてきて、まざるんですよー、それがすごくて」

若干目を血走らせながら静かに興奮した様子で語るその言葉を聞くうち、なんだかムズムズしてくる。そして、ちょっと思うのだ。

「怪奇酒、ちょっとだけやってみたいかも」

(文・田幸和歌子/イラスト・たけだあや)

【第5話(3月19日[金]放送)あらすじ】

杉野は岡山天音と一緒に、ヨシモト∞ホールへ。人気怪談家芸人・ありがとうぁみや、生き霊が見える芸人・シークエンスはやともに怪談話を聞くと、その日の深夜、劇場で怪奇酒を始める。怪奇酒初心者の岡山天音は、子どもの霊がいたという舞台で酒を飲み始めると、ありえない現象が起こり続け、恐怖のどん底へ。一方、怪奇酒上級者となった杉野は、霊相手にしてはいけないことを全てして、霊を呼び寄せようとする・・・。

◆放送情報
『東京怪奇酒』
毎週金曜深夜0:52からテレビ東京で放送開始
動画配信サービス「Paravi」では1週間前に先行配信。