杉野遥亮が本人役で主演を務めるドラマ『東京怪奇酒』(テレビ東京)の第3話が3月5日に放送された。原作は、清野とおるの体験談を描いた同名漫画。ホラーが苦手な杉野が原作と同様に毎回さまざまなゲストから心霊話を聞き、心霊スポットに行って酒を飲む「怪奇酒」を体験するという内容である。

今回、新たな「怪奇酒」スポットに誘うのは、「事故物件住みます芸人」の松原タニシだ。
紹介されたのは、70代手前の男性が孤独死した物件だ。松原は、離婚後に母方に引き取られた娘が亡き父の遺品整理に行くところに同行させてもらい、一泊させてもらったと話す。

娘によると、厳格な父で、離婚後ずっと一人で暮らしていたそうだ。家には家族が幸せだった頃の思い出がたくさん詰まっていた。しかし、寝室には大量のエロ本、しかも女子高生などの制服モノの切り抜きがあり、それを娘に見られてしまったことで成仏できず、今もその部屋にいるのだという。

話を聞きながら、「もしいるならそのお父さんと"怪奇酒"できるってこと?」とすでに心の中でソワソワしている杉野の様子を見逃さず、松原がこう詰め寄る。

「いま、お父さんの霊に興味持ったでしょ?」「わかります。あなた、僕たち側の人間ですよ」

もはや"怪奇酒の素質がある"ことを普通に受け入れ始めている杉野。

「酒とつまみ、霊へのお供えを入れたビニール袋」を片手に心霊スポットに向かうのも、3度目にしてすでにルーティン化しつつある。しかも、「お父さん、すみません。失礼します」と挨拶し、エアの霊にむかって「松原タニシさんのご紹介で・・・」「あっ、松原タニシさんっていうのは」と普通のテンションで丁寧に説明し始める。恐るべき順応性の高さだ。

発見まで時間がかかったために、「ちょっとひどい状態だったらしい」と聞いた遺体の発見現場の風呂場に行っても、もはや浴槽にフタがしまっていることに違和感を覚える程度。
霊が出ると揺れると聞いたことから、わざわざろうそくを立てたうえで、「お父さんとの怪奇酒、始めてみるか」と、霊が好きだったらしい日本酒を2つのグラスに注ぐ。

「一緒に飲みましょうよ」。そこからはもはや杉野の一人芝居の見せどころである。霊が肝硬変だったことを思い出し、「もう死んじゃってるんだから、いいじゃないですかー」と妙に馴れ馴れしい。お酒で気が大きくなり、調子に乗り始めるのも、もはや恒例だ。

しかし、杉野がお供えを取り出したところから、おかしな事態が起こる。霊が生前好きだったという制服モノのエロ本を出したが、「変なモノ出しちゃってすみません」としまおうとすると、どこからか「カーン!」。ラップ音だろうか。ろうそくも揺れている。

さらに、娘にHな本を見られたときの気持ちを尋ねると、「カーン!」。しまおうとすると、「カーン!」、「見たいんですね?」、「カーン!」。ここからは頁をめくりながら「お父さん!」「カーン!」の"会話"が続く。まさかエロ本が「最高のおつまみ」だったとは・・・。カーン!という音の頻度も音も絶頂になり、ついには風呂のフタも揺れ始め、そのフタを開けて中を見た杉野は、「混ざる~~~!」という恒例の謎の言葉を発し、キラキラの笑顔でまだ薄暗い街を駆け出すのだった。

本作で新しい扉を開けたと思ったが杉野だが、もしかしたらもう戻れないところまで行ってしまっているのかもしれない。

(文・田幸和歌子/イラスト・たけだあや)

【第4話(3月12日[金]放送)あらすじ】

今回、杉野はOKAMOTO'Sから紹介してもらった怪談好きミュージシャン、Creepy NutsのR-指定に話を聞く。R-指定は元カノと昔訪れたラブホで強烈な心霊体験をしたという。そのホテルに杉野が行くと、山盛りの塩で清められていて、4階は封鎖され、女性の笑い声が突然聞こえてきた。部屋に入ると、不気味な絵、大音量のお経、消えない電気・・・そしてR-指定が話していた不気味なノートもあった。ノートをめくると、心霊現象が立て続けに起き始める・・・。

◆放送情報
『東京怪奇酒』
毎週金曜深夜0:52からテレビ東京で放送開始
動画配信サービス「Paravi」では1週間前に先行配信。