――これまでを振り返ってみていかがですか? 印象的だった回などあれば教えてください。

サーヤ:うーん、悩むなぁ・・・総監督はきっと全部印象的ですよね。

伊沢:そうですね、全部が印象に残っています。その中でもやっぱり最初に脱落者が出た時は気持ち的にひとつ高いハードルを超えなきゃなと思いました。でも、基本的には感情移入しないようにしています。

井上:あえてね。

伊沢:はい。インタビューシーンとかも見ないし、あの場面以外で候補生とも喋らない、というのは徹底しています。

井上:僕は(コピー用紙のみを使って制限時間15分でより高いタワーを作る)「ペーパータワー」に取り組んでいる姿が「東大生やな」と印象的に見えて、「東大生の中でもヒエラルキーあんねんな」というのが分かって面白かったですね。コミュニケーション取りたい人、取れない人、1人でやりたい人、みんなでやりたい人というのも見えて。「頭がいい人も同じ人間なんやな」という人間らしさがあそこで感じられたなと思います。

サーヤ:あそこで初めて各メンバーの性格が出ましたよね。

井上:出た出た! 頭いい人の"礎"の部分がそこで見え隠れしたのは良かったなと思います。

――井上さんはVTRを観て、とあるチームの男性陣に怒ってましたよね(笑)。

井上:勝負を決めることになるある判断を、女子1人だけに委ねていたので、僕の中では無いなと思ってしまったんですよね(笑)。

サーヤ:結局それで勝つことが出来ましたしね。

井上:そうなのよ!

サーヤ:あの判断をしなかったら1位になれなかった。それを男子2人はちょっとビビっちゃって「どうぞどうぞ」ってやっていたから。

伊沢:あのシーンはSNSでも話題になって「井上さんよく言った!」という声も多かったですよね。

井上:やっぱりそんな風に思いきれる人、ビビる人、内なる炎を燃やす人、前に出す人・・・というそれぞれの個性が見られて面白いです。

――サーヤさんの印象的だった回は?

サーヤ:一度、フェイクで脱落者を出そうとした回があって・・・それまで個人で競って成績を出していたのに、その回はグループで対決することになったんです。『東大王』で普段見れるような、「他者より優る」という本質の部分がその時に見ることが出来たんじゃないかなと。あるメンバーが負けかけて、ちゃんと気持ちを切り替えた瞬間を観た時にグッと来たんですよね。メンバーみんなに"ロボットらしさ"を強く感じていたので、あそこで人間味を感じる一面が見られてよかったです。悔しい気持ちとか負けん気みたいなのが強いんだなと。

伊沢:完全にその一面がその時に出ましたよね。

サーヤ:この『プロジェクト東大王』を見てれば、テレビに出ている『東大王』のメンバーの方々の感情を知ることが出来るかもしれないですね。

井上:正直、候補生の子たちは『東大王』に出ようが出まいが、この先の人生は変わらないと勝手に思っているんですけど。僕が東大生だったとして、このプロジェクトに出て負けても次の日に仲間内で「うわぁ~、落ちてもうたわ」くらいの感じになっちゃうかもしれないけど、『プロジェクト東大王』に出てる子たちは泣くくらい熱くなってるんです。それにびっくりしたんですよね。俺らやラランドが『M-1』で敗戦するのとは違うというか・・・人生をかけてやっていて、「ここで優勝して結果を残さんと!」という感じではないと思うんです。

サーヤ:東大生というだけですごい"ブランド"ですもんね。

井上:そう。でもすごい真剣に『東大王』というものに向き合っているんだなと感じました。

伊沢:近くで見ていると、1回たりとも負けたくないんだなという気持ちを感じます。

井上:確かにそうやな。

伊沢:勝利へのこだわり、「ひとつたりともスキは見せないぞ」という気合を感じるので、そこがやっぱりありがたいし、番組としては面白いところだなと。

サーヤ:だから、この番組が始まったときに期待していた"色恋沙汰"は全くないんですよね。

井上:でも総監督は分かんないですよ! 総監督は何かやってると僕は思ってますから。

伊沢:全くしてないです! 普段喋らないように気を付けてるのに(笑)。クリーンにやってます(笑)。

井上:本当かなぁ?(笑)。

伊沢:でもメンバー同士はすごい仲良くなって撮影の合間とかに楽しく喋ってるんです。ただ、脱落を決める逆トーナメントをやった時、決勝戦の前に休憩時間を撮ったんですけど、残ってしまった2人にはさすがに誰も話しかけてなかったですね。

井上:それはそうやわな。一対一の勝負やもんね。

伊沢:あの時はピリついてましたね。

――総監督である伊沢さんは『プロジェクト東大王』でも大きい存在だと思いますが、井上さん、サーヤさんから見た伊沢さんの印象は?

井上:伊沢くんは勉強ができるところがクローズアップされるけど、やっぱり人としてちゃんとしてるんだなと改めて感じます。

サーヤ:今までの古い東大のイメージを変えた方ですよね。

井上:だよね。僕はプライベートでお酒を飲ましてもらったことあるんですけど、プライベートはちゃんとチャラチャラしてるから。

サーヤ:(笑)。

伊沢:言い方が悪い(笑)!

井上:ちゃんと学生っぽい遊びをするし、お酒を飲んで仲間内で「ウェーイ!」ってやるような。僕は逆にそっちの伊沢くんしか知らなかったので。今はクイズプレーヤーとして大成していますけど、この番組で候補生たちと接している姿を見ると、人を育てるような、例えば教師などをやっていてもちゃんとした先生になるやろうなと思いました。

サーヤ:多分どこにいっても良い仕事をされるんでしょうね。

井上:な!

伊沢:ありがとうございます!

井上:番組での総監督ぶりを見てると、10年後ぐらいに「上司にしたい芸能人1位」になってそうって思うよね。

サーヤ:きれいに林修先生の立ち位置に行ってそうですよね。

伊沢:滅相もないです!

井上:(笑)。僕は伊沢くんより10歳以上年上ですけど、伊沢くんの話を聞いてすごく参考になるというか、自分に言い聞かせなきゃなということも多いです。すごいなと本当に思います。伊沢くんはもちろん、伊沢くんを育てたご両親がすごいんだろうなと。

伊沢:ありがとうございます。

サーヤ:今、26歳ですよね?

伊沢:はい、26歳です。

サーヤ:相方のニシダと同い年なんですよ。

井上:えぇ!?

サーヤ:私も信じられなくて。あいつは本当に電子タバコ吸ってるだけの奴なんです! 『東大王』に出た時も5時間だんまりだったんです。何もしゃべらないからヒロミさんに「テレビやめちまえ!(笑)」って言われてました。だから信じられないです。同い年でこんなに違うんだって。番組で一緒になって余計に感じてます。

――伊沢さんはご自身の『東大王』での立ち位置みたいなものはどう考えていらっしゃいますか?

伊沢:僕自身はもう1回卒業した身なので、今番組では解説というのが本業だなとは思っています。わかりやすく、「ここが面白いんだよ」「ここがすごいんだよ」というのを伝えていく。特に鶴崎(修功)は"For the Team"の動きが凄すぎて、最強の黒子になっちゃってるんで、誰にも理解できない領域に来ちゃってるんですよ。チームのために誤答するということを平気でやるんです。

井上:確かにやるよね!

伊沢:彼はそういうのを自分からは一言も種明かししないんで、そういうのを僕がちゃんと伝えるというのを意識してます。進化しすぎてるんですよね、『東大王』チームが。それをわかりやすくするのが僕の一番の務めだなと思いますし、あとやっぱり世代交代していかなきゃいけないものだという思いはずっとあって。僕はこういった形で残らせていただいてるんですけど、ちゃんと次世代を育てて、「もう伊沢はいなくても大丈夫だよね」となるぐらいに、今いる10人のメンバーからそういう人たちを出せるようにやっていきたいなと思ってます。なので、少なくとも仕事のときはチャラチャラしないことを意識してます(笑)。

サーヤ:見せてくれないですね。

井上:この番組では見せてくれない。でも俺はみんなで一緒に飲みに行った時に、バーッと騒いだ後、夜中に「ちょっとバンドやってきます」というチャラチャラした姿を知ってます(笑)。

伊沢:(笑)。

サーヤ:それはそれでいいですね、なんか勉強だけじゃない感じで。

――総監督としてはどういう気持ちで臨まれているんでしょうか?

伊沢:『東大王』は本来"知識の壁"というポジションなので、「こいつら腹立つくらい強いな」という要素もあっていいかなと思うんです。今の『東大王』ももちろん強いしすごいんですけど、みんなすごいちゃんとした人で、他人にも優しいから、もう少し"壁"感というか、怖いくらいに強い、というニュアンスを足せると最高なのかなと解釈しています。もちろんそれはそれで素晴らしいことですけどね。特に僕が抜けてからの東大王チームは、水上、鶴崎、光ちゃんがリーダーシップ発揮して「優しくて強いヒーローチームとしての東大王」という形を作り上げていたので。僕のノウハウをちゃんと吸い尽くしてもらえたらいいなと。"腐葉土"のような気持ちでやっています。「酸いも甘いもみんな吸い上げてね」という気持ちで。だから言えることはちゃんと言うし、残せるものはちゃんと残すし。あと総監督としてピリッとさせるからには、公平感を持って務めていければと思います。

――終盤に向けての見どころなど、視聴者の方へメッセージをお願いします。

井上:誰が残るかを見届けていただければと思うんですが、今のこの東大生の人となりが見れる番組というのはこれしかないと思うんです。『東大王』はもう完成されたものを見てますが、いい意味で人間的に未熟な東大生が見られるのがこの番組。「今はこれできないんや」「このクイズで負けたときに、こんな負け惜しみしか言えないんだこの人は」とか、そんな未熟な部分がたくさん出てるし、そこを大胆に使えるというのはParaviの強みだと思うので、その姿を見て、「同じ人間なんだな」というのを感じてほしいです。

サーヤ:裏側が見ることができるのがすごい良いですよね。地上波だけだとどうしても、生まれ持った才能に見えちゃうときがあるんですけど、「あ、これだけ努力してたんだ」という陰で重ねてきた努力みたいなのが見えてくるので。涙とか悔しい顔とかすごいリアルな表情を見せてくれるから、そんな"裏"が見れるというのは魅力だと思います。それが終盤にかけてどんどん濃くなってるので、特別感をぜひ見ていただければ。

伊沢:彼ら、メンバー10人は今いる『東大王』たちの出演前夜、みたいな感じなんですよね。もしくは、収録の日以外の今の『東大王』メンバーの姿なんだと思うんです。こうやって『東大王』が作られていってるんです。そう考えたときに、やっぱり裏にある努力というのを覗ける機会になっていると思いますし、結果的にですけど『東大王』という番組はこんな感じでできているんだなという一端を知ることのできる場にもなったなと。努力を見せれば、「努力しよう!」と思ってくれる後進も出てきてくれるはずですし。やり方ひとつ、態度ひとつ、考え方ひとつ、それぞれのメンバーの個性が今の東大王たちと繋がる部分もあり、今後の東大王を予見している部分でもあり・・・なので、ぜひ『東大王』と一緒に見ていただきたいなと思う番組です。あとやっぱり、今のうちから「この人を応援したい!」と思ってほしいなと(笑)。プロジェクト終わるからこそ言えますけど、すごいメンバーですよ。僕が敵わない部分、いっぱいある。みんなスターです。「最初から見てたぜ」と言えるようになってもらいたいなというのはめちゃくちゃあります。

井上:僕も吉本興業として、「他の事務所には渡さないぞ」という気持ちで早めに吉本興業に言っておきます。「今だぞ!」「これを見て今から声をかけとけよ!」と。

伊沢&サーヤ:(笑)。

◆配信情報
『プロジェクト東大王』
動画配信サービス「Paravi」で独占配信中。