杉野遥亮が『直ちゃんは小学三年生』に続き、2作連続主演を務めるドラマ『東京怪奇酒』(テレビ東京)の第1話が2月19日に放送された。

原作は、清野とおるが心霊話を体験した本人に聞き、そのスポットに行って飲酒するという体験談を描いた漫画『東京怪奇酒』(KADOKAWA)。監督・プロデュースは、『山田孝之の東京都北区赤羽』(テレビ東京)をプロデュースした太田勇で、ホラーが苦手な杉野が原作と同じように毎回さまざまなゲストから心霊話を聞き、怪奇酒を体験するという。

正直、よくわからない。しかし、実際に観て思ったのは、直ちゃんに続いて、杉野遥亮×テレビ東京は、ずいぶんチャレンジャーで、クセモノだということ。

事の発端は、杉野に海外ホラー映画の主演オファーが来たこと。「ホラー、苦手なんすよ」と断ろうとすると、マネージャーは言う。

「俳優にはターニングポイントになる作品というのがあるの」「気鋭の若手俳優から、一気に日本を代表する俳優に仲間入りだ!」――現状、かなり売れっ子の杉野だが、なかなか痛いところを突いてくるフレーズである。

そうした流れで自身のラジオ番組『杉野遥亮の「今度は長ズボン」』に漫画家・清野とおるが出演し、「怪奇酒」の話を聞くことになる杉野。

清野は真剣に怪奇酒について「オバケとの戦いではなく、己との戦いだと思ってるんですよ」と語るが、「この人は何を言ってるんだろう・・・」と困惑する杉野は「なるほどねーと、興味深いですねー(棒読み)」と全く興味が無さそうだ。
にもかかわらず、そんな杉野に対して清野はグイグイいく。

「恐怖心アリの怪奇酒なので、怖がりの人は楽しめる」「素質あると思いますよ、絶対!!」

半ば押し切られるテンションでLINE交換をし、芸人のチャンス大城を紹介され、心霊スポットを教えてもらうことになる。

チャンス大城によると、その場所は、彼が前、住んでたアパートの201号室で、そこで数々の不気味な心霊現象が起こったという。さらに、芸人のBBゴローが泊まりにきたときに「白い服着たおばあさんが歩いてたよ」と言ったこと。芸人・三浦マイルドが写真を撮ってくれたら、黒い影がうつっており、霊媒師にみてもらうと「霊穴」で、「この世とあの世をつないでる境目になっている」「この穴の前に人気ラーメン店みたいに霊がズラーッと並んでる」と言われたこと、などなど・・・。

しかも、別れ際に「お酒とか、さっきの話に合うつまみ、選んでおきました」とビニール袋を渡し、怪奇酒に送りだしてくれるのだった。

深夜0時。アパートの前で怖くなり、「絶対帰る! すぐ帰る! 一人で心霊スポットで酒飲むなんて、頭おかしいって!」という杉野だが、その度に、チャンス大城のとある言葉が頭の中で何度もリフレインされる。

「引っ越してから運勢上がって、仕事が増えましたね」

杉野は結局、恐怖心とは裏腹にアパートに足を踏み入れるのだ。芸能とは、なんて因果な商売なのだろう。
しかし、「さっきより闇が深まった」「シーンとし過ぎて耳が痛い」など、早速に"素質"を感じさせる言葉が続々と出る杉野。仕方なく一人乾杯して、ビールを飲むのだが、

「あれ? うっま~い! いつもより断然うっま~い!」

そこから日本酒もあけ、「あー、怖い! でもドキドキするー! なんだろう、この気持ち?」から始まり、「杉野、おどりま~す!」のハイテンションに到達、しまいには「もっとくれ! もっと!!」。そしてとうとう"入ってはいけないはず"のチャンス大城の部屋の中へ――。

どんどん壊れていき、最終的には「俺、生きてる~!」と完全に新しい扉が開かれた笑顔を見せる杉野の一人芝居は見事だ。ある意味、怪奇酒の趣旨「己との戦い」を体現してみせてくれたのだった。

(文・田幸和歌子/イラスト・たけだあや)

【第2話(2月26日[金]放送)あらすじ】

今回、杉野が向かったのは、オカルト研究家に聞いた東京都S区にある"猫塚"。怪談マニアの間では有名で"この世のものとは思えないほど可愛い猫の声"がするという。杉野は軽い気持ちで猫塚に行くが、いきなり怨念のこもった立ち札にビビると、ペットボトルが突然、草むらに転がってくる。すると、どこかからとんでもなく可愛い猫の声がしはじめた。そこに猫がいると確信した杉野は、エアで猫と戯れはじめると、とんでもない結末に・・・。

◆放送情報
『東京怪奇酒』
2021年2月19日(金)深夜0:52からテレビ東京で放送開始
動画配信サービス「Paravi」では1週間前に先行配信。