――実写ドラマ化が決まった時のお気持ちは?

本当に驚きました! メディア化という話が出てもいつの間にか白紙になってしまっている・・・ということもあるので、最初は期待半分でいようという気持ちでいたんです。でもいろんなことが徐々に決まっていくんです! さらに実際に撮影された 映像をいただいて、ふくまるが動いているのを観た時に「あぁ・・・ドラマ化するんだ!」「ふくまるが動いてる!」と感動してどんどん実感 が湧いた感じでした。

――キャスティングが決まった時のお気持ちは?

お話いただいたときに設定資料を見せていただいたんですけど、「こんなキャスティングで考えている」というところ で、草刈正雄さんと神木隆之介さんの名前が書いてあったんです。「すごい!」と驚いたのですが、豪華すぎて多分この通りにはいかないだろうな・・・とも思っていて。「無理だろうな」と思っていたんですけど、そのおふたりに決まったと聞いて「え!?本当に!?」とびっくりしました!

最初に草刈さんと聞いた時は 本当に嬉しかったです。まさに原作のおじさまに合う方を選んでくださっていたので。なので、受けていただいたと聞いた時は飛び上がって喜びました! 本当にありがとうございます。

――ドラマ化が発表された時、ファンの方々の「すごいぴったり!」という声が多かったですよね。

そうなんです。皆さんも喜んでくださってとっても嬉しかったです。「でしょう!?イメージそのままですよね!?」と一緒に喜んでいました(笑)。

最初に映像が出た時は「ふくまる、ぬいぐるみで大丈夫かな」というような意見も多くてざわざわしている感じもあったかと思うんですが、事前に動いているふくまるを見せていただいた 時に「可愛い!これは絶対に喜んでもらえる!」と思っていました。なので、実際に放送が始まって 「可愛い!」「泣けた!」という声が多く出て、「でしょう!?」って(笑)。皆さんも楽しんでくださっていて本当に嬉しかったです。

――1番驚いたところは?

升毅さんの小林があまりにも小林だったことですね。「小林そのまんまだ! 役者さんはすごいな」と感動しました。それと、さきほど話しましたが、動いているふくまるを初めて見た時ですね。「ふくまるが生きてる・・・!」と思いました。とても可愛くて、何度も見ては感動していました。

――本作を書き始めたきっかけは?

前作の連載が終了して「新作どうしようかな」と考えている時に、よく漫画家さんがTwitterで漫画を載せていたので、その話を担当さん としていたんです。そしたら「桜井先生も描いてみては?フォロワーさんが増えるかもしれないし、次の漫画が描けたら宣伝もできるし」と提案していただいたんです。そうは いっても何描こうかなという感じだったんですけど、「好きに描いてみたら?」とも担当さんに言われていたので、気分転換に気の向くままに、好きな猫を題材にした漫画を描きました。本当に連載のことは考えずに描いたので、主人公の年齢も高めで・・・ほうれい線がしっかり描かれた珍しい少年漫画の主人公になりました (笑)。

猫もぶちゃいくな子で・・・ちょっと闇も抱えたキャラクターじゃないですか。ペットショップで売れ残ってしまった猫。しかも連載会議だったら「保護猫か捨て猫に修正して」と言われそうな、ペットショップでかうんです。以前からペットショップで売れ残ってしまった猫が気がかりで、そのもどかしい気持ちを描いたんです。それで読んでくださった方の感想を読んで、同じことを感じている人はたくさんいたんだ、みんな同じことを思っていたんだなと知りました。切ないような嬉しいようなそんな気持ちになりました。

ただ気持ちを作品に込めただけなんですけど、こんなに愛していただいて本当嬉しいです。「読者の皆さまありがとうございます」という気持ちでいっぱいです。

20210222_ojisamaneko_02.jpg

――毎話心温まるエピソードで視聴者へ感動を与える本作。ドラマ版の魅力はなんだと思いますか?

やっぱり役者さんが演じている、生身 の世界を映像で観られるというところですかね。

まるで『おじさまと猫』の世界が現実に存在したら、こんな感じになるかもしれないというワクワク感、映像と感情が一緒にワッとくる感じが、本当見ていて楽しいです。漫画とドラマのキャラの見た目が全然違うことに気づいた人も多いと思いますが、動き出すと違和感がまったくないんですよ。実は役者さんの髪形や服装には一切何も言っていないんです。何故かというと、漫画の中の見た目をそのまま持ってくることが、正解だと思ってなかったんです。リアル感を大切にしたくて。そのおかげで、ドラマを見た時は「正しかったな」と思いました。

――何回も観てしまうお気に入りのシーンはありますか?

ふくまるのシーンは、もう一回見ようと繰り返し何度も観てしまいます。例えば第3 話の鏡に映った自分と戦って、パンチしているところとか。かわいすぎてふくまるのシーンは「もう一回観よう!」となってしまいます(笑)。声もすごくかわいいんですよね、本当に。

――最後に、終盤に向けて視聴者の方へメッセージをお願いします。

今後、登場人物がもっとどんどん絡み合っていくので、どう絡んでいくか楽しみにしていてほしいです。
ふくまるや周囲の方々のおかげで、おじさまが前を向けるようになっていくお話なんですが、終盤には、それによってさらなる感動がやってくるので、ふくまるやおじさまを応援してあげてほしいです。

自分の描いた漫画が原作なんですけど、いろんな方々が力を合わせてくださって役者さんが演じることで、また新しい作品になったような気がします。なので、いち視聴者として心から楽しめるんです。本当に毎週楽しみで、皆さまと同じが気持ちで見てます 。なんだか優しい気持ちになって、人との繋がりは大事だな、人に優しくなれるなという部分は最後まで絶対に裏切らないので、楽しみにしてほしいなと思います。

◆番組情報
ドラマParavi『おじさまと猫』
毎週水曜深夜0:58からテレビ東京ほかで放送中。
動画配信サービス「Paravi」では各話放送前週水曜21時から独占先行配信中。
(C)テレビ東京