いったいどこの世界に「きくらげ」を鷲掴みした写真をインスタにアップするイケメン俳優がいるのだろうか。ドラマ24『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』(テレビ東京系/毎週金曜深夜0:12~)第4話もツッコミどころが満載。腹を抱えて笑っていたらあっという間に終わっていた腹筋泣かせの40分でした。

におわせ連発!金子大地が恋をしたのは・・・?

第4話の舞台は、4チャンの学園ドラマ『CTO』。各局のドラマが高視聴率を記録する中、『CTO』は数字を伸ばせず現場は焦り気味。そこで、視聴率アップを狙い、教師と生徒の恋愛ネタを盛り込もうとするが、生徒役の金子大地さんが年上の先生役に好きな人がいるという話を聞いてしまった長谷川京子さんとりょうさんがすっかり自分のことだと舞い上がってしまい、思わぬバトルが勃発する・・・という内容です。

この『バイプレイヤーズ』、毎回、いい感じに世の中を茶化してくれるところが魅力なのですが、今回のネタは「におわせ」と「文春砲」。昨今の芸能界を賑わせる二大ワードを盛大にイジりながら、思いがけない恋模様に翻弄される俳優たちを描きます。

そんな恋のさや当てゲームに躍り出たのは長谷川京子さんとりょうさん。金子大地さんのインスタを縦読みし、自分に告白しているのだと思い込んだ長谷川さんとりょうさんは、以来、金子さんを見ると胸がドキドキ。スマホカバーに財布、腕時計にハンチングと、どんどんおそろいのアイテムを買い揃えては、「におわせ写真」をアップします。つか、あまりにも露骨すぎて「におわせ」どころか「ダダ漏れ」です。

しかし、そんな長谷川さんとりょうさんの「におわせ写真」を見て、今度は村田雄浩さんが自分に気があると勘違い。生じる必要のない恋の矢印があっちこっちに伸びていって、もはや収拾がつかない状態。

そして、その裏で暗躍するのが、石丸謙二郎さんです。今回は石丸謙二郎さんがめちゃくちゃ面白かったー! このドタバタを週刊誌に売って話題集めをしようと、ものすごく渋い声で「もしもし、文春さん、石丸謙二郎です」とタレコミ。やってることは外道なのに声がダンディすぎて笑ってしまう。

今回の石丸さん、持ち前の美声をフル活用。「あの子たちではまだまだ小粒だ。もっと大物がスクープされれば話は別だけどね。と思うりょうであった」「村田雄浩は葛藤した、ハセキョーをとるべきか、りょうにすべきか」と次々に他の人の心の声をナレーション。だてに33年間も世界を車窓から覗いていません。

しかも、石丸さんが連れてきた文春記者もめちゃくちゃ曲者。生徒に見つかりそうになるや、天井に張り付いて身を隠します。お前は吉田沙保里さんか。文春さんのあの他誌を寄せつけないスクープ力は、こんな忍者並みの身体能力に裏打ちされていたんですね(違います)。

そして、その裏で負けていないのが安藤玉恵さん。ドラマ名は『CTO』なのに、完全に日テレ名物のあの熱血先生の衣装で登場してきたかと思ったら、最後の最後でおいしいところを全部かっさらっていったー!!! 実は金子大地さんが想いを寄せていたのは安藤玉恵さんというオチで、金子大地さんにダッコちゃん人形のように抱きつく安藤玉恵さんが最高にがっついてて面白いし、勢い余ってシャツを脱ぎ出す金子大地さんに「ここは屋上・・・!」とついドキドキしてしまいました。

毎回、ベテランのバイプレイヤーたちがさすがの演技力を発揮する『バイプレイヤーズ』ですが、今回は若手代表の金子大地さんが大健闘。『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)や、現在上演中の舞台『ザ・空気 ver. 3 そして彼は去った・・・』などで披露してきた"ちょっとズレてるけど一本気なおバカキャラ"はもはや天下一品。今回はそこに"コミュ障"要素もくわえてきて、憧れの村田さんを前に柱の陰に引っ込むところとか思わずニヤニヤしてしまう。

つか、村田さん、キューブリックに褒められたことあるんですね! 年下の奧さんの尻に敷かれながら、義理の父親とおやじバンドをやっているイメージが強すぎたけど(他局です)、やっぱりめちゃくちゃすごい人だった・・・! そんな出演者のプチ情報を随所に入れてくれるのも『バイプレイヤーズ』のいいところ。たぶんスタッフはWikipediaをめちゃくちゃチェックしている。

松重さん&光石さん&遠藤さんも相変わらずいい味出しています!

そして今回で言えば、これまでシリーズを観てきた人たちが思わずクスッとしちゃうシーンもたくさん。まず冒頭のナレーション録りのシーンでは、松重豊さんが光石研さんに演技指導。ここなんて第1シーズンで松重さんが遠藤憲一さんに「え?」の演技指導をしていたくだりを彷彿とさせて、ちょっとなつかしく思えました。光石研さんのナレーションも絶妙にふざけていて、このやりとりだけであと30分は観ていられる。ちょっと素笑しているように見える松重さんの計算し尽くされたリアクション含め、長年一緒にやってきているふたりだからこそ成立する至高の間合い。後半は、久しぶりに博多弁で喋る松重さんと光石さんが拝めて幸せすら感じました。

一方、フィリピンにいる遠藤さんはというと、なんだかすっかりわけのわからない方向にいってしまい、気づけばムービースターのはずがYouTuberになっていた・・・。遠藤さんのこのくだりはいったいラストどうつながるのか。そして、すっかり暗礁状態に乗り上げている『アウトローの森』は本当に完成するのか。

とりあえず「鎖鎌のムラタ」の横に書いてある「現代に生きる宍戸梅軒」でつい笑っちゃったので、何としてでも本編を観させてください!!

(文・横川良明/イラスト・まつもとりえこ)

【第5話(2月5日[金]放送)あらすじ】
視聴者の「いいね」が少なければ殺されて降板!?究極のサバイバルゲーム開幕!5チャンのサスペンスドラマ「わたしの番です」は、毎回殺人ゲームが引き起こされるストーリーと視聴者の考察合戦で盛り上がり、好調だった。しかし、自分がいつ殺されるのか分からず役者たちは終始不安で・・・。そんな中、主演の原田龍二が殺され、生き残りを懸けたなんでもアリのアピール合戦に発展!

◆放送情報
ドラマ24『バイプレイヤーズ~名脇役の森の100日間~』
毎週金曜深夜0:12からテレビ東京ほかで放送
※テレビ大阪のみ翌週月曜深夜0:12から放送
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi」でも配信。
第1シリーズ、第2シリーズも全話配信中。