観月ありささんの「ありさ」って「あかるく（明るく）」「りはつ（利発）」で「さわやか（爽やか）」って意味だったのねー！　という、プチ情報を知ることになったドラマ24『バイプレイヤーズ～名脇役の森の100日間～』（テレビ東京系／毎週金曜深夜0：12～）。第3話も絶好調です。

執刀医が『メスください』ってお願いしている医療ドラマ、逆に観たい

第3話の舞台は、8チャンの『ドクターZ・5』。平和でポップな医療シリーズだったはずが、第5弾から突然海外ドラマのような過激テイストに路線変更。視聴率こそ好調だったものの、視聴者からのコンプライアンス違反という投書により、元凶である滝藤賢一さんが出番を減らされる事態に･･･。

昨今、業界関係者の頭を悩ませるコンプライアンス問題をちょっぴり皮肉まじりにイジるところが『バイプレイヤーズ』の面白さ。納得がいかない滝藤さんは、自分の代わりに新しく加わることになった寺島しのぶさんに対し、森下能幸さんと宇野祥平さんを使って、「エナジードリンク3本を立て続けに一気飲みするのは良くない」「お弁当の食べ残しは良くない」などほとんどイチャモンのようなコンプラス違反を指摘。

すると今度は寺島しのぶさんがふせえりさんと宍戸美和公さんを使って「『メス』『汗』はパワハラ。『メスください』『汗を拭いてください』ってお願いしないと」「そもそも出過ぎ。明らかに労働基準法違反」などもはや医療ドラマが成立しなくなるような指摘で逆襲。現場はすっかり混乱状態に。

スタジオを追い出された滝藤さんが「お前、何中だ！」ってスタッフに捨て台詞吐いてたり、出番が多すぎると言われて「出たいんだよ、俺は！　削られてたまるか！」と若手芸人ばりの貪欲さを見せたり、いちいち子どもみたいで可愛い。

そんな滝藤さんに寺島さんは大物女優の風格で対抗。常にスタイリストさんやヘアメイクさんを後ろにスタンバイさせ、専用椅子もバッチリ用意。それが状況が悪くなるや「堪え･･･しのぶ･･･！」ってハンカチ噛んでる姿に、今回いちばん大爆笑しました。

形勢が逆転するたびに台車に乗って登場するのとか、キャストもスタッフもノリノリでやっているのが見えて、本当に楽しいです。滝藤さんの説明、「働き過ぎで情緒不安定のようだ」ってご本人がよくオッケーしましたね･･･。実際、今回の滝藤さん大暴れにも程があるし、森の中で「コンプラーイアーンス！」って叫んでる顔、スクショしてネットのおもちゃにされそうなくらい、すごいことになっている。

寺島さんの差し入れが「高級きんつば」なのに対して、滝藤さんの差し入れが「ゆで卵」というちょっとセコい感じなのもなんだか微妙にそれっぽくて、いちいち小ネタが効いている。ラストのあたりとか、いいシーンなのに、滝藤さんの着ているTシャツにプリントされているのが完全に本人で気になって仕方なかったです。

なんとも悩ましげなコンプライアンス問題を適度に茶化しつつ、最後に視聴率や話題性ばかりを重視して安易に過激路線に走りがちな風潮に一石を投じているところも、『バイプレイヤーズ』らしい。暗く不安な世の中で、心温まるひとときを間違いなく『バイプレイヤーズ』は提供してくれています。

それにしても、遠藤憲一さんはなぜフィリピンにいるのでしょうか･･･？　今後、話の本筋に絡んでくることはあるのでしょうか･･･？　その動向がどうにも気になって仕方ありません。が、まずは次の4チャンの学園ドラマ『CTO』では何が起きるのかを、あと1週間、楽しみに待ちたいと思います。

余談ですけど、ふせえりさん、四半世紀前くらいからずっとずけずけしたおばちゃんを演じてません？　バイプレイヤーのみなさんって、ある意味、全然年をとらない感じがする。これからもずっとずけずけしたおばちゃんを演じ続けてください！

（文・横川良明／イラスト・まつもとりえこ）

【第4話（1月29日[金]放送）あらすじ】
各スタジオが高視聴率をマークする中、長谷川京子、りょうW主演で送る4チャンの学園ドラマ「CTO」だけが停滞していた。なんとか視聴率を上げようと奮闘するが、生徒役同士の熱愛スキャンダルが発覚。そんな中、長谷川とりょうは、金子大地には年上の先生役に好きな人がいるという話を立ち聞きしてしまう･･･。2人はそれぞれ金子の好きな人は自分であると確信を持つが･･･。果たして「CTO」の視聴率と禁断の恋の行方は!?

◆放送情報
ドラマ24『バイプレイヤーズ～名脇役の森の100日間～』
毎週金曜深夜0：12からテレビ東京ほかで放送
※テレビ大阪のみ翌週月曜深夜0：12から放送
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi」でも配信。
第1シリーズ、第2シリーズも全話配信中。

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