――久しぶりの民放ドラマ出演が、ドラマデビューを飾ったテレビ東京でということですが、特別な思い入れはありますか?

僕は10歳くらいから仕事をしているんですが、テレビ東京は当時のこと、つまり初心を思い出させてくれますね。子どもながらにスターを目指している中で、大人に怒られたり、へこんだり・・・それでも地下鉄を乗り継いて向かっていた場所です。だからこそ、久しぶりの民放ドラマ出演がテレビ東京さんというのは感慨深いし、ありがたいですね。

――ドラマのオファーを受けられた理由を教えてください。

僕、実はお芝居が苦手で。色々なお仕事をやらせていただく中でも一番難しいなと思うのがお芝居なんです。なので、こんなのやりたい!というものはなくて「ぜひ、一緒にやりませんか」と言っていただけるなら、そこには応えていきたいと思っています。

これまでも本を読んでみて「自分に合わないな、やめよう」とお断りしたことはありません。いつもお互いの熱量で決めているんです。今回も、熱い思いをくださったので「やります」と答えさせていただきました。

20210118_anonymous_02.jpg

――演じられる万丞 渉はワケありの刑事ですが、どんな風に演じられるのか楽しみです。

香取:刑事役という部分も含め、見たことないような僕を見れるのではと思います。民放ドラマが5年ぶりというのもありますし、なにより40代になって初めてのドラマ。周りの刑事役に、僕の子どもでもおかしくないような若い俳優さん達が集まるんじゃないんでしょうか。そこと40代の香取慎吾との掛け合いはどうなるんだろう。年下の「慎吾ちゃん」のイメージが強いので、それがどう変化していくのか楽しみですね。

――今はお芝居だけでなく、アートのお仕事もされていらっしゃいますが、両者の共通点や違いなどは感じますか?

アートに関して言うと、本当に自由でルールがありません。スタートもゴールも自分で決められる。そして、絵を描いている時は全くの一人なので、自分の中にあるものを発散できます。それをお仕事としてやらせていただけるというのは、最高ですよね。対してお芝居は、言われた通りにやらなきゃいけない部分も多いので、うまくできるのか緊張するし、プレッシャーもある。でも、その両方をやれてるからこそ、両方を楽しめている感覚があります。

――お芝居は大人数になりますから、進め方も違ってきますね。

チームならではですよね。現場には監督と僕だけじゃないし、いざセリフを言い合う俳優さんと話してみたら、僕の想像をはるかに超えてきたり、全然違う方向だったり。皆の思いが重なり合うのでスムーズにいくことはなかなかないですが、ぶつかることもいいことだと僕は思っていて。ぶつかって、最後に納得できる何かに向かって進んでいきたいです。

20210118_anonymous_03.jpg

――SNSの誹謗中傷問題に焦点を当てたドラマということですが、香取さんがSNSを使われる際に気を付けていることはありますか?

気を付けているわけではないですが、自分の口では言わないけど、活字だと打ててしまうような内容は発信しないですね。声に出して言えることしか書かないです。Twitter、Instagram、アメーバブログ、YouTubeをやっていますが、思ったことを書いて、送信するかしないか、リアクションのチェックや、あげるタイミングなども全部自分で管理しています。やりながら何のためにここで遊んでいるのか、呟いているのか、写真をアップしているのか・・・多くやっている分、境界線が無くなってきているので、少し整理をしていこうと思っています。

批判が来た際も、やだなあ、と思うことはありますが、マイナスの感情に飲み込まれないようにはしています。スマホから完全に離れることは、時代が変わらない限り出来ないことかもしれないですが、5分、10分だけでも離れることはできるので、その時のリセットが大事ですね。

後編では役作りから2021年の目標まで、深く掘り下げた。

『アノニマス~警視庁"指殺人"対策室~』は2021年1月25日(月)22:00よりテレビ東京系にて放送スタート。毎週地上波放送後に、動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信される。

(撮影:高橋将志)

出演:香取慎吾 関水 渚 MEGUMI 清水尋也 / 山本耕史 シム・ウンギョン(特別出演) 勝村政信

【衣装】
時計¥1,650,000/OMEGA(オメガお客様センター)※税込価格

〈問い合わせ先〉
オメガお客様センター
03-5952-4400

【スタッフクレジット】
ヘアメイク:石崎達也
スタイリスト:細見佳代