本作は、負けん気が強く一生懸命だが、手柄を取りたいがゆえに空回りしがちで、鼻息荒く頑張っている女性刑事・望月彩子(綾瀬)と、表向きは周囲から親しまれている若き経営者だが、裏の顔はサイコパスな殺人鬼・日高陽斗(高橋)の、魂が入れ替わるという前代未聞のスイッチエンターテインメント。『世界の中心で、愛をさけぶ』(2004年)、『白夜行』(2006年)、『JIN-仁-』(2009年、2011年)、『天皇の料理番』(2015年) 、『義母と娘のブルース』(2018年)など数々のヒットドラマを手掛けてきた森下佳子によるオリジナルストーリーだ。

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男女が入れ替わる本作の物語に関わる奄美大島の"月と太陽の伝説"にちなみ、月と太陽、両方の神様が祀られている東京・阿佐ヶ谷神明宮で制作発表が行われ、4人の巫女が"スイッチ"してキャスト陣が登場。帯に月があしらわれたワインレッドの着物で登場した綾瀬をはじめ、4人が着物姿で晴れやかに会見を彩っていた。

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『義母と娘のブルース』(2018年)以来、2年半ぶりの連ドラ主演で刑事役に初挑戦する綾瀬は、「森下さんの脚本で、同じスタッフさん、そして新たなスタッフさん、キャストの皆さんとの連ドラを楽しんでほしいと思って、励んでいます。手錠とか、慣れないものが多いので頑張っています(笑)」とコメント。

また、男女の魂が入れ替わるという難しい役どころについては、「今回は男性だけでなく、殺人鬼という役どころでもあるので、高橋さんだったらどう演じられるのかを教えていただいたりして、試行錯誤しながらやっています。足を開いたり組んだりする男性の座り方や、携帯の打ち方、高橋さんの話すテンポ感なども意識しています」と語った。

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日曜劇場初出演、綾瀬との共演も初となる高橋は、「楽しく現場を過ごさせていただいているので、それが皆さんに伝わればいいなと思っています。ただ、天国ではないような状況がいろいろと自分の身の回りに起きていますね。まず、女性を演じさせていただくのが僕にとってはちょっとハードルが高い。綾瀬さんのようなキュートな女性を演じるので、やりすぎてしまうと反感を買いかねないので、針の穴に糸を通すかのように(笑)、繊細に、繊細に、女性を演じようと思っています。最初の頃は、綾瀬さんの日常的な動きを取り入れさせていただいたいていました」とコメント。

会見で流れたダイジェスト映像にも内心ドキドキだったようで、「ほぼ全編、薄目で見てみてました(笑)」と明かし、笑いを誘った。また、最近は女性の所作が馴染んできたようで、「日常生活も内またで過ごしています(笑)。日々新たな発見がありますね」と手応えも明かしていた。

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2人とは対照的に、「かなりノー天気で自由な役」「彩子とは友達以上恋人未満の関係性」と語る彩子の同居人・渡辺陸役の柄本は、「彩子さんの癒し的な存在になれればいいなと思っています」と意気込みを。「(陸は)彩子と一緒に暮らしていても、スイッチしても気が付かない。綾瀬さんが彩子からクレバーな陽斗になると、カッコよくて妖艶な感じに。綾瀬さんの新たな一面を間近で見れているなと思います。皆さんにもそう思ってもらえるんじゃないかなと、自分のことでもないのに自信があります(笑)」とコメントした。

『世界の中心で、愛をさけぶ』で10代の頃に共演経験があり、「親戚のよう」(柄本)、「安心します」(綾瀬)という関係性の2人。柄本は「(2話で)陽斗が、自分が女になったことを楽しんでいるのか、ふと女っぽいしぐさをするところがあるんです。そういう時に『佑くんだったら、このセリフどう言う?』ってセリフを僕に振るんですよ(笑)。しかも、わりと何気ない、難しいセリフを・・・でもとっても楽しい」と綾瀬との共演裏話を暴露。すると、綾瀬は「なるほど、かわいいと思って見ていました(笑)」と笑顔を見せていた。

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彩子の先輩であり天敵とも言える刑事・河原三雄を演じる北村は、「昭和の叩き上げの刑事といいますか・・・ドラマを見ていると、きっと嫌な刑事に見えるかも。望月とは対立関係に見えますが、自分では正義感あふれる男だと思って演じています。好感度下がるかなと思いながら、必死に頑張っております(笑)」とコメント。

さらに「(3人の話を聞いていると)みんな楽しそうに撮影しているな、と。僕はだいたい望月に厳しい意見をぶつけているから、もっと爽やかな笑顔を見せたい(笑)。綾瀬さんのキッ!という顔ばかり見ていて、かわいいところはあんまり見せてもらえてない(苦笑)」と嘆き節を。「ただ綾瀬さんの顔を見ると・・・これまたキレイなんですよ。2回ぐらい、わざとNG出そうかなと思うぐらいでした(笑)」と明かし、周囲の笑いを誘った。

そんな北村だが、「北村さんが来る日は、みんなにぎやか。すごくリーダーシップを発揮されています」と綾瀬が太鼓判。すると北村は照れながらも、「こういう状況なので、本当にチーム感はすごく大事だと思う。みんなでコミュニケーションを取るようにしています」と語った。

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終盤では「異性に生まれ変わったら何をしてみたいか」を聞かれ、「女性のほうが、柔らかいし、いいかなと。(男性にはなりたくない?)そうかもしれません」と綾瀬。すると高橋も「僕も男性がいいです。今、身に染みて思い知っているので(苦笑)。どうにか早めに男性に戻れないものかと・・・(笑)」と続けた。柄本は「男性の人生をやってきてるし、(長身ゆえに)女性になるなら小柄な女性がいいです。着られる服の種類が多いので」とコメント。着たい服を聞かれると、「制服とか着てみたいですよね。スカートは短めで、ブレザーみたいなのがいいです!」と妄想を膨らませ、「俺、何言ってんの?」と自分でツッコむ一幕も。北村は「女性に生まれ変わるとしたら、(自分の周囲がどうスイッチするか)人間観察を楽しみたい」と語っていた。

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またタイトルにちなみ、自身にとっての"天国""地獄"と思うことを聞かれ、綾瀬は「寒いので、家に帰ってお風呂に入った時に、本当に『あ~!』ってなりますね。それと、現場でスタッフさんが足湯たんぽを用意してくださっていて。そこに入れるだけで、お風呂に入っているかのように包まれる感覚があって、天国だなと思っています」とコメント。すると「僕もちょうど『お風呂が天国』って言おうと思っていた」と高橋。「だいぶ(綾瀬と)スイッチしてきているんだなと思って。そういうところで、自信をつけていこうと思いました(笑)。綾瀬さんが履かれている足湯たんぽが、すごく良さそうなんです。歩くたびにポチャンポチャンと音がする。それも含めて、綾瀬さんがかわいい。僕もトライしてみたいです」と語った。

柄本は「僕が思っていた"天国"は、お米を食べる時。おかずと一緒に米を食っていると幸せかもしれない」とコメント。3人連続で"天国"の話が続き、北村は「僕も"天国"のことを言って好感度を上げたかった(苦笑)」と再び嘆き節。「あまり地獄を感じることはないんですけど、朝、寒いんですよ。これが毎日だと、結構辛い。(顔が)カピカピになるんです」と吐露。柄本が「(朝一の)化粧水、辛くないですか?」と尋ねると、「温かい化粧水を誰かが発明してくれないかなと思うぐらい、本当に化粧水が冷たいんです。メイクさんはすごく優しいんですけど、たまに敵に見えることがある(笑)」と北村が答え、周囲も共感していた。

そして、最後に綾瀬は、「サスペンスではありますが、男女が入れ替わることでコミカルな部分もあり、さまざまな謎が物語に加わっていて、本当に究極のスイッチエンターテインメントになっています。日曜夜9時、皆さん、ぜひご自宅で見ていただけたらと思います」と作品をアピールした。

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『天国と地獄 ~サイコな2人~』初回は、TBS系にて1月17日(日)21:00から25分拡大で放送。放送終了後には「Paravi(パラビ)」で配信される。また、女性シンガー・手嶌葵が歌う主題歌の『ただいま』を含むシングルが、2月24日(水)にリリースされることが決定。本曲や岡崎体育提供曲などが収録されるという。

(取材・文:齊藤恵/写真:(C)TBS)