――神田を演じる際に、意識されたことはありますか?
相手が人間じゃないものですから、その中で本当に愛するものに対しての芝居っていうのはブレないように全編やってきたつもりです。それがどういうふうに映っているのか、自分自身、とっても楽しみですね。
――共演者の皆さんの印象は?
これがまた素晴らしい。変な人がいっぱい出てくるんです。一人一人のキャラクターが立っていて、皆さん、濃いんです。これがとてつもなく面白い。升(毅)さんが演じる神田の友人・小林夏人は、暗い神田とは真逆で、明るいですし。神田以外に、天才ピアニスト日比野(平山浩行)が出てくるんですけど、これがまた、おかしい(笑)。心の声で、訳の分からないことと言っているのが、おかしくて(笑)。現場でしょっちゅう笑っていました。
キャラとしては一番、僕が沈んでいるのかも(笑)。誰一人として普通な人がいないんですが、それを皆さん普通にやっているんです。非常に皆さん楽しんでやられてたんじゃないかな。でも、神田もふくまると一緒の時はもう、2人で盛り上がっていますよ。
――作品を通して、猫に対する気持ちは変わりましたか?
母がいる時は、家の中で4~5匹、飼っていたんです。それで一つ思い出したんですけど、猫はしゃべるんですよね。これはビックリしました。母と僕が玄関を開けますと、玄関先で待っていて「にゃにゃにゃ、にゃにゃ~」って言って。意味が分かりますか? 「何でこんなに遅くなったんだ、早く帰って来いよ」と、こう言っているんです(笑)。「すごいなぁ」と思ったことがありましたね・・・って何、言ってるんですかね(笑)。でも、本当に猫はしゃべるんですよ。猫好きの人に聞いてください。「あ~、しゃべるしゃべる」と、みんな言いますよ、おそらく。
――動物たちと暮らしていらっしゃるなかで、猫に気付かされる部分はありましたか?
本当にかわいいですよ、動物は。家にいてくれるだけで癒されますし。猫は表情変わらないといいますけど。とんでもない、全然、表情がありますしね。本当に家族ですよね。猫、万歳!なんて(笑)。
――ご自身は、ペットに救われたりしますか?
毎日、しょっちゅうですよ。落ち込んで帰っても、動物たちの顔を見ると、すぐ吹っ飛んじゃう。嫌なことがあっても、家に帰ると癒されます。だから、感謝ですよね。本当にかわいい。娘に「パパちょっと入れ込み過ぎよ」といわれるぐらい、ちょっと何かあると「大丈夫か? 死ぬんじゃないか?」と・・・もう神田みたいに心配性になっていますね(笑)。だから、僕以外に考えられないでしょうね、神田は。ピッタリです、見た目だけじゃなく、中身も(笑)。
――ちなみに、ご自身がもし猫になれるとしたら、何をしたいですか?
ジャンプをしたいよね(笑)。動物バラエティで見たんですが、猫が驚いた時にビョーンとするじゃないですか? あの、ハイジャンプをやってみたいと思います(笑)。
――見てみたいですね(笑)。
想像してください(笑)。おそらく、このドラマでもふくまるが、ビョーンとやってると思います。
――ご自身としては、2020年に芸能生活50周年を迎えられましたが、改めて、ご自身の役者人生で大切にされてきたものは?
「遅刻はしない」とか細かいところはありますけど、やっぱり「死ぬまで役者は止めないぞ」「この仕事で全うする」という気持ちは若い時からあって、それが強かったんでしょうね。50年やってこられましたけど、その気持ちぐらいなんじゃないかな。どんなことがあっても「しがみつくぞ!」と思ってました。山あり谷あり、そういうことに負けないで「最後までやりぬくぞ」という気持ちがありましたね。
――いつまでも若々しい草刈さんですが、若さの秘訣は?
本当は不精な男ですけど、こういう仕事を長くやっているので、やっぱり、ある程度は、見られているという意識が身についているのかもしれない。夜の食事は控えめにするとか、運動もしないといけないとか、そういう基本的なことはちょこちょこやっています。動くことは好きですね。自分が好きじゃないと、なかなか続かないですし。僕が好きだから続いていますね。
――50周年という節目を迎えて、新たな年の幕開けに『おじさまと猫』が放送されます。ドラマを通して感じてもらいたいことや、見どころを教えてください。
ふくまるの動きが見事ですから、それだけでも感心してください。ストーリーも面白くて、素晴らしい俳優さんたちが、濃いキャラをやっています。驚くべきドラマだと思います。は心温まる人間と猫ちゃんの愛情物語、ラブストーリーを、楽しんでほっこりしていただけたら。
(取材・文:齊藤恵)
【衣装】
ジャケット¥23,000(ORIHICA/ORIHICA 池袋東口店)
スラックス¥6,900(ORIHICA/ORIHICA 池袋東口店)
その他スタイリスト私物
【Stylist】九(Yolken)
【Hair & Make-up:】横山雷志郎(Yolken)
◆番組情報
2020年1月6日(水)スタート
ドラマParavi『おじさまと猫』
毎週水曜深夜0:58からテレ東で放送。
動画配信サービス「Paravi(パラビ)」では2021年1月1日(金)21:00より独占先行配信。
(C)テレビ東京
(C)「おじさまと猫」製作委員会
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