――『おじさまと猫』の主演のお話を聞いた時のお気持ちや、原作や台本を読まれた時の感想を教えてください。

原作を読ませていただいた時に、「あ、これ、面白い!」と思いました。おじさまと猫の関わり方が、直感的に胸に引っかかるものがありまして。それで、やらせていただくことになりました。「"猫"という言葉がついてると、大体、人気が出る」と僕は確信していますので(笑)。おじさまとしては、便乗して一緒に共演したいなと思いました(笑)。

――"猫"と書いてあると"売れる"という方程式が、草刈さんの中であるんですね(笑)。

日本人は猫、大好きですから(笑)。今回は、本当にふくまるがかわいいんですよ。本読みをやる前に、監督がふくまるの動画を見せてくれたんです。最初は、どういうふうになるんだろうと不安もあったんですけど、これが、よくできていまして。それに感動しましたし、「これだったら、うまくいくんじゃないかな」と思いました。

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――草刈さんは原作漫画の「おじさま」のイメージ通りだと、SNSでも話題になっていますが。

おこがましいんですけど、漫画の表紙を見て、「あ、これ、僕がやらなきゃ」と思ったぐらいでした(笑)。見た目は、何となく似てましたね。性格も大体、似てますよ。マイナー思考とか、ちょっと変なところとか(笑)。だから、僕もあまり考えずに、素直に演じられたような気がします。神田と僕との共通点はいっぱいあって、面白いほど、よく似ていました。

巷の噂は、友人や家族から聞いたりしたぐらいですが、「盛り上がれ! 盛り上がれ!」と思っています。

――猫のふくまるはいろいろな動作をしますが、共演時に苦労したことはありますか?

ふくまるを動かしてくださる方が、プロフェッショナルで素晴らしいんですよ。泣いたり、笑ったり、怒ったり・・・いろいろな表情や動きがあって、不思議なことに、本当に心がある猫ちゃんに見えるんです。これはすごいことでした。ここまで想像していなかったので驚きました。ふくまるが泣いたりすると、こちらももらい泣きするぐらい、ふくまると接しながら自然と涙が出てきたり、笑顔になったり。それぐらい、ナチュラルな動きなんです。俳優さんたちとやっている時と、全く変わらずに芝居ができました。おそらく、視聴者の皆さん、ビックリされるんじゃないでしょうか?

――ふくまるを演じた神木隆之介さんの印象はいかがでしたか?

いやぁ、驚きました、神木さんにも。僕はまず「ふくまるをどういう声でやられるんだろう」と思っていたんですけど、第一声が本当にふくまるのイメージにピッタリで、「うわぁ、これはいける!」と思いましたね。ふくまると共演する時も、神木さんの声をイメージして演じていました。

――今回はピアニストという役柄ですが、ピアノを弾くシーンはいかがでしたか?

天才ピアニストという役柄ですので、相当プレッシャーはあったんですが、カメラの角度ですとか、演出家の方が工夫して画を作ってくました。監督もニコニコしていたものですから、「これはうまくいっているんだな」と思っています。

――そんな天才ピアニスト・神田は、いろんな思いを抱えているキャラクターでもあります。

妻を亡くして、意気消沈している時に、たまたま立ち寄ったペットショップでふくまるに出会って、ふくまるとの生活が始まるんですけど。ふくまるとのふれあいの中で、だんだん、笑顔を取り戻していくというのが、神田の物語の軸としてありました。おじさまとふくまるの愛情物語、大ラブストーリーですね(笑)。

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――草刈さんが思う猫の魅力は?

猫はミステリアスですし。そこがまた面白い。来年は「ふくまる」が大変な騒ぎになると思いますよ(笑)。

(取材・文:齊藤恵)

【衣装】
ジャケット¥23,000(ORIHICA/ORIHICA 池袋東口店)
スラックス¥6,900(ORIHICA/ORIHICA 池袋東口店)
その他スタイリスト私物

【Stylist】九(Yolken)
【Hair & Make-up:】横山雷志郎(Yolken)

◆番組情報
2020年1月6日(水)スタート
ドラマParavi『おじさまと猫』
毎週水曜深夜0:58からテレ東で放送。
動画配信サービス「Paravi」では2021年1月1日(金)21:00より独占先行配信。
(C)テレビ東京
(C)「おじさまと猫」製作委員会