山里亮太の短編小説を原作とし、主演・山里亮太役を仲野太賀が演じるテレビ東京の『あのコの夢を見たんです。』第11話が、12月11日に放送された。今回のヒロインは、池田エライザ。脚本はマンボウやしろ、監督は映画『勝手にふるえてろ』(2017年)や今週末に公開となる『私をくいとめて』などの大九明子というワクワク感ある顔触れだ。

しかも、この物語の舞台は「突如、世界に現れた9人の闇食い」がいる世界。そして、闇食いは、人間の心に巣食う闇を吸収して、争いのない平和な世界を築いているという存在だ。対する山里ならぬヤマ(仲野太賀)は、人を闇に落とす「闇生み」で、その暗躍により、世界中で犯罪や自殺を急拡大させている。

設定そのものも、黒ずくめ衣装のヤマがビルの上から人間たちを見下ろしている様も、人間の中から無数のドットのような闇が溢れ出して、闇食いに襲いかかってくる様も、テレビ朝日のニチアサのようで、わりとベタ。

そんな中、今回の一番の魅力は当然ながら、池田エライザである。
ポイントは、彼女が"闇を浄化する天使"はなく、"人間の闇を食らう闇食い"という、自身の中にも若干の怖さやおかしさを抱えている存在であること。

そんなわけで、人間の闇を食って平和な世界を保っている存在であるにもかかわらず、「正義」ならではの肩ひじ張った感じも、力の入り方も、鼻息の荒い感じもまるでない。重要な役割を果たしているのに、重責を背負っている感も、思い詰めた様子もなく、サクサクと軽やかに、ゆるく、日々のタスクを確かな仕事ぶりでこなしていく。淡々と当たり前に日常生活の中で闇を食うというスタンスが、いかにも池田エライザだ。

自宅に帰ってベッドに入るときに「今日1日おつかれさまでした!」と自分に言って、「あやうく闇抱えたまま寝るところだった」と口から闇を吐き出し、絵画の中のオウム「ピーター」に飲み込んでもらう。そんな独自の世界観にワクワクしてしまう。

しかしついに闇食いと闇生みが対峙するシーンでは、アロママッサージを受けていたところから出現してしまったために紙パンツ一丁姿のヤマが登場したり、冒頭の"スター・ウォーズ"風OPを始め、ラストに向けてさまざまな映画などのパロディがてんこもりになったりと、全体には相当なカオス状態となっていた。

ちなみに、上官・サカザキに、メガネ姿の近藤公園を出すセンスも、闇落ちするのが柳ゆり菜というセンスも、すごく良い。

なんといっても、こうしたカオスな状態も丸ごと引き受けてくれる池田エライザの受容力の高さが改めて際立つ回だった。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

【最終回(12月18日[金]放送)あらすじ】
学校でいつも孤独の山里(仲野太賀)は、ノートに妄想物語を書くことで現実から離れ、生きていくことができた。物語の中では、自分が世界の中心で、決まってヒロインは学園の人気者・愛(橋本愛)。しかし、ある日ノートを開くと、そこには自分の知らない物語の続きが書かれていて...。これは現実か?妄想か?そこには橋本愛と山里のある共通点があって・・・。"あのコの夢を見たんです。"の原点が描かれる、衝撃の最終回!

◆番組情報
ドラマ24 第60弾特別企画『あのコの夢を見たんです。』
毎週金曜深夜0:12よりテレビ東京系にて放送中。
(※テレビ大阪のみ、翌週月曜深夜0時12分から放送)
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信中。