コンビニチェーン「ココエブリィ」スイーツ課の樹木(森七菜)は、共にスイーツ開発を行うパティシエの新谷(仲野太賀)に、「(クリスマスまでに)俺が樹木ちゃんの"特別"になる!」とアタックされ、お試し交際をOK。その後が気になるTBS系火曜ドラマ『この恋あたためますか』の第8話が、12月8日に放送された。

新谷から樹木と付き合うこと聞かされた浅羽(中村倫也)は、その後もどこか心ここにあらず。樹木と新谷はデート中に、浅羽のコンビニカーを発見。新谷は樹木の手を取り、浅羽の元へ。浅羽のそばには彼女の里保(石橋静河)。樹木と浅羽の表情や視線が、お互いを意識していることを物語る。

クリスマスまでに樹木の特別になれなければ"シングルベル"になってしまう、"お試し"な身の上の新谷。新谷からそれを聞いた里保は、「...お願い。樹木ちゃんのこと絶対離さないでね」と応援。その言葉が切実で、取り繕うような里保の笑顔に胸が締め付けられた。

樹木は予算に見合ったスイーツ案が出せず、ついに開発業務から外されてしまう。新谷は、外で頭を冷やしていた樹木の元に駆け付け、冷たくなった樹木の手に自分の手袋をはめてあげて・・・。胸キュンポイント高めの行動なのだが、浅羽が無意識で樹木の手を温めたこと(第7話)を思うと、意識してもなかなか踏み込めない新谷の行動が歯がゆい。

「社長がくれた夢にすごいワクワクして。あの時の気持ち、そう簡単に捨てられない」と遠い目をして語る樹木。樹木の頭のなかが浅羽のことでいっぱいで、やるせない新谷の顔が目に焼き付いた。

暗い顔の里保を見かねた先輩の一岡(市川実日子)が、里保を飲みに誘う。思い悩む里保に「恋愛の正解なんて分かんないけど、後悔だけはしないでね」とアドバイスを送るが・・・。後日、浅羽は里保と2人きりの時間に、樹木のライフワークである新作スイーツのレビューが更新されていないことを、彼女のSNSを見ながら気にかける。それに気付いた里保は、樹木がスイーツの開発業務から外されたこと浅羽に伝える。樹木のことが気になっているも自覚がない浅羽が、自分を諭すかのように「彼女には新谷がいるからな」とつぶやいたのも印象深い。自分といても樹木のことで頭がいっぱいになっている浅羽に、顔が見られないように後ろからそっと抱きつく里保の心情が切なすぎる。

スイーツ開発から外された樹木は、外回りで上目黒店へ。浅羽の姿を店先で探る樹木の姿を店長(飯塚悟志/東京03)が目撃し、プレゼントのスノードームをなぜ返したのか、問いただす。「好きだから返した。持ってるとずっと社長のこと思い出しちゃうから」と目を伏せて言う樹木に、「幸せだね。そんなに誰かを好きになれるなんて」と言った店長の言葉が、何とも染みる! 店長の計らいでコンビニカーの荷積みを口実に、樹木は浅羽と2人きりに。樹木は、コンビニカーで自分が返した(&浅羽が捨てられなかった)スノードームを見つける。ここまでの紆余曲折もあって、今の2人の距離感にどこかもどかしさを感じずにはいられない。

樹木が言葉の使い方を間違い、それに対してちょっと褒めてけなす浅羽に、樹木が思わずニヤニヤ。お互いに「めんどくせー」と言いあえる浅羽との何気ないやりとりが、樹木を(きっと浅羽も)元気にさせていて、微笑ましい。

そして浅羽は "社長の作りたいコンビニを一緒に作ることが夢"だといった樹木に、「だったら、ちゃんと働け」と発破をかけ、「俺が作りたいコンビニ、一緒に作ってくれるんだろ。(中略)君がスイーツを作って、俺が売る」と続ける。こんなにシンプルで強気な言葉は、やっぱり浅羽にしか言えない! あまりにも"らしい"浅羽の言葉が、樹木を安心させるものでもあって、ドラマ序盤の2人の関係を彷彿とさせた。そんな2人の姿を上目黒店に向かった里保が見つけながらも直視できずにいて、心苦しく思えた。

浅羽がコンビニカーで樹木を連れ出したのは、コンビニカーの発案の元ともなった老人ホーム。最初は受け入れられなかったコンビニカーだが、今では人々の新たな居場所になっていることを樹木に伝え、「そのことに気付かせてくれたのは君だ」と浅羽は珍しく樹木に感謝の想いを口にする。浅羽に、そしてお客さんに必要とされて、「やっぱ『ココエブリィ』っていいね」と笑顔になった樹木は、次の日から心を入れ替え、課の職務もこなし、スイーツ開発の知識を勉強し始める。「モヤモヤがふっ飛びました」と言う樹木の晴れやかな表情とは対照的に、モヤモヤしかない里保の、笑顔になり切れない表情が印象的だった。

その夜、里保は浅羽とキャンプデートを満喫。里保は復縁する前に別れた時の本音を、浅羽に語り出す。「強がって別れちゃった。後悔でいっぱいだった。でも、またこうやって再会して、残していた想い、やり直せた。(中略)今回は私、ちゃんと付き合えたって胸張って言えるよ」と。それを聞いて浅羽がうれしい顔を見せたその瞬間、「別れよう」と里保は真剣な顔で浅羽に言う。信じられないというような表情を浮かべ理由を聞く浅羽。「まだ気付かない? 拓実(浅羽)の存在が樹木ちゃんを変えてる。同じように樹木ちゃんの存在が拓実を変えてる。特別な関係なんだよ、拓実と樹木ちゃんは。拓実は・・・樹木ちゃんのことが好きだよ」という里保の言葉を、浅羽はどう受け止めていたんだろうか・・・。

浅羽に告白して振られ、現在は新谷の彼女である樹木と、プレゼントしたスノードームを返された後に樹木が新谷と付き合うことを知った里保の彼氏である浅羽。第8話はそんな樹木と浅羽の"特別さ"が際立ち、里保が自ら身を引く決断をする酷な展開に。里保は新谷に浅羽と別れたことを告げると、強がって「私じゃなかったんだよ、拓実の相手は。(中略)好きだけど別れたの。いい女でしょ」と笑う。でもすぐに笑顔がこわばり、「な~にやってんだろ。つかんでた手、私が離しちゃったよ」と涙があふれその場にうずくまる。"好きな人のために身を引く"ことを恋の正解にしてしまった里保。浅羽と樹木のことを考え始めてから不安しかなかった里保の決断が辛すぎて、涙せずにはいられない。

「後悔だけはしないでね」と言われても、やっぱり多少の後悔がない恋愛の選択はないんじゃないんだろうか。スノードームを返さずにはいられなかった樹木もそうだが、浅羽のために身を引いた里保も、こんなに浅羽を思っているのだから・・・。「何で?」と別れた理由を聞く新谷に、「分かってるくせに」と言う里保の言葉も印象的で、物分かりが良すぎて不器用な2人にしか分からない感覚もまた、ある意味、特別なように思えた。

樹木を元気づけようと新谷は遊びに連れ出したり、ご飯に付き合ったりする一方、浅羽は仕事場に連れ出し、樹木の心に火をつける。やり取りも含めて、心から樹木を元気づけられるのは、やっぱり浅羽。今でもこんなに浅羽のことが好きな樹木の"特別"な存在に、新谷はなれるのだろうか。

里保に別れを告げられ、仕事も放心状態だった浅羽。だが、ラストでは「ココエブリィ」の本社に訪れ、樹木の姿を見つけて腕をつかみ、「君に会いに来た」と意味深発言を。樹木をめぐる浅羽と新谷の関係や展開がどうなるのか。最終章となった今後の展開に目が離せない。

(文・小松加奈/イラスト・まつもとりえこ)

【第9話(12月15日[火]放送)あらすじ】
浅羽(中村倫也)が、ココエブリィ本社まで自分に会いにきたことに動揺する樹木(森七菜)。 スイーツ開発のプロジェクトを巡り、社長室の神子(山本耕史)と浅羽の動向が気になる樹木、新谷(仲野太賀)と里保(石橋静河)。
そんなある日、樹木の元に浅羽から一通のメールが届く―。

◆番組情報 『この恋あたためますか』
毎週(火)22:00よりTBS系にて放送中
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi」でも配信中。
Paraviオリジナルストーリー『その恋もう少しあたためますか』も独占配信中。