【前編はこちら】金曜ドラマ『恋する母たち』奥平大兼「10代の僕にはまだまだかけ離れた世界」

――役者になろうと思ったきっかけを教えてください。

実はもともと俳優という職業に興味はなかったんです。他にやりたいこともあったので最初は俳優になりたいという気持ちはなくて・・・(スカウトされたことを母に相談すると)母から「入ってみれば?」って言われて事務所に所属することになって。映画『MOTHER マザー』に出ることになったのも、事務所の方がオーディションに出る機会を作っていただいたから...流されるまま、俳優の道に足を踏みいれたんです。

でも『MOTHER マザー』の現場で自分的にいい芝居ができたとき、すごく気持ちが良くてうれしかったんです。役者ってこういう瞬間があるんだ!ということを知りました。そのとき、この感覚が味わえるなら、やめちゃうのはもったいない!と思ったんです。これからきっとつらいこともあると思うんですけど・・・役者でしか体験できないことを知って「役者になりたい!」と強くはっきりと意識するようになったので出来る限りがんばっていきたいです。

――ほかにやりたかったことというのは?

以前から、好きなことを仕事にしたいと思っていたんです。その好きなことというのが服、絵、音楽で。アーティスティック(なものが好きで、服も絵も音楽も)共通する部分があって。とりあえず、好きなモノに関わっていく仕事をしたいと漠然とした思いを持っていました。そこに突然、役者という新たな選択肢が出てきたんです。でも「待てよ!役者も大きく分ければ、アーティスティックな職業だぞ!」と考えるようになってからは、役者になりたいという思いも強くなりました。

――ちなみに奥平くんは空手大会で優勝したこともあります。そちらの道に行こうと思ったことは?

正直、小学生のときは空手でご飯を食べていくつもりでした(笑)。僕より強い人はたくさんいましたが、(わりと結果を残せていて、)多少なりとも勝負にはなっていたので。

――どのぐらい空手は習っていたんですか?

幼稚園の年長から小学5年生ぐらいまでですね。今はもうやっていないので、体もかたくなっていそうで(笑)。でも、今でも格闘番組があると見ちゃいます。自分の人生の大半を空手とともに過ごしてきたので今でも「K-1」とか「総合格闘技」などYouTubeで見ることが多いです。

20201030_hahakoi3_03.jpg

――将来はどのような俳優になりたいですか?

具体的にどのような俳優になりたいって人はいなくて。それよりも自分だけにしかなれない俳優になりたいんです。僕の好きな服や絵、音楽も個性が出るものじゃないですか。そういう自分にしか表現できない人になりたいんです。まだまだ役者としてのスキルも未熟ですし、何ができるのか、何ができないのかも分かっていません。でも、目指すのは自分にしかやれない芝居のできる俳優になることです。

――好きな俳優や憧れの俳優もいないんですか?

憧れる俳優さんは阿部サダヲさんや長澤まさみさん。初めての映画の現場で、阿部さんと長澤さんとご一緒して、本当に教科書みたいな存在だったんです。そんな方たちと共演して、とても勉強になりました。僕にとっては大きな指針となる俳優のお2人です。

――『恋する母たち』の現場で学んだことというと?

ドラマの撮影ではカメラの位置を変えて何度も同じ演技をしなきゃいけないことも多くて。今、ドラマの猛勉強中です。同じ演技を繰り返すのも、まだうまくできませんし、学ばなきゃいけないことが多すぎて。ですが、ドラマの基礎を学べるチャンスだと思って一生懸命取り組んでいます。


――現在、高校2年生の奥平くん。学校ではどのように過ごしていますか?

中学生まではうるさくしていたんですけど、最近は静かに本を読んでることが多いですね。なぜかこの年にして落ち着いてしまいました(笑)。

――どんな本を読んでいるんですか?

最近まではゴッホの本を読んでいて、今は近代美術についての本。とにかく知識を付けたくて。それに絵や描き手、いろいろなことを知ってから絵を見ると、とても面白いんです。

――ちなみにドラマや映画はご覧になりますか?

映画はよく見ます。洋画が多いんですけど、先日まではウディ・アレンの映画とか。芸術性があって、音楽もすごくいいし、おしゃれな映画ばかりで。ただ、役者を目指すと決めてから映画の見方が変わってしまいました。今まではストーリー重視で見ていたんです。どういう物語で、最後はどうなるんだろう?って。それが、この人の芝居すごい!こういう芝居もあるんだ!って勉強のつもりで見てしまうので、ストーリーが入ってこないときがあるんです。友だちと映画館に行ったら、みんなで感想を言い合うじゃないですか。そのとき友だちの会話に付いていけないことがありました(笑)。

20201030_hahakoi3_02.jpg

――最後に金曜ドラマ『恋する母たち』をご覧になる視聴者の方たちにメッセージをお願いします。

メインはお母さんたち3人の物語。波乱に満ちたラブストーリーになっていると思いますので、ぜひご覧になってください。そしてParaviではオリジナルストーリー『恋する男たち』を配信します。僕たち男性陣のエピソードも面白く見ていただけると思うので、楽しみにしていてください。

(文・撮影:MAIMAI)

◆放送情報
金曜ドラマ『恋する母たち』
毎週金曜22:00よりTBS系で放送中。
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」でも配信。
さらに、Paraviオリジナルストーリー「恋する男たち」も配信中。