秋元康×中井貴一&鈴木京香×大根仁という豪華タッグが、あの"テレ東"で実現した奇跡のドラマ『共演NG』第1話が、10月26日に放送された。「共演NG」とは、絶対に同じ番組でキャスティングしてはいけない危険な組み合わせのこと。「一度仕事をしたが二度とやりたくない」「キャラが被る」「事務所同士のトラブル」「過去にいじめられた」など・・・こうした「共演NG」が実際にあろうことは、視聴者の我々もうすうす感じている。
しかし、そんなタブーを、長年にわたって歌番組やバラエティ、ドラマなど、様々な分野で見てきた秋元康が企画・原作を手掛けているのだから、とてつもなく生々しい。なかでも、「一番多いのが過去の恋愛絡み」だそうで、物語はそうした「過去に付き合っていた大物カップル」、実力派大物俳優・遠山英二(中井貴一)と、人気女優・大園瞳(鈴木京香)の再会を巡る騒動からスタートする。
2人が別れたきっかけは、遠山が年下アイドルと浮気していた「二股」が発覚したため。遠山はその後、アイドルと結婚、大園は独身を貫き、2人は25年会っていないのだという。しかし、業界屈指の「共演NG」の二人が、「テレビ東洋」の社運を賭けた大型連続ドラマ『殺したいほど愛してる』主演として、25年ぶりに共演することになったのだ。
人気女優が共演NGの元カレについて、プロダクション社長(猫背椿)相手に「逃亡うんこ野郎!」を連発。「全く逃げることを恥だと思ってない」「星野源見習えって話だよ!」と他局の大ヒットドラマネタをぶちこんでくるわ、「今の日本のドラマは医者と刑事モノばっかりだって」と業界事情を皮肉るわ、おまけに「池の水抜いたり、人の家で充電させてもらったり」「身の丈に合わない新社屋」と得意の自虐ネタをたっぷり放り込むわで"テレ東"の"強さ"を感じる。
「25年ぶりの再会」に向けて、互いのプライドをかけたみっともない小競り合い・罵り合いを交互に見せてきたかと思うと、「再会」の瞬間、二人を乗せた車は衝突――。
そこから降りてきた2人が華麗にハグして見せる"大物感"は、番組AP(小島藤子)が思わず「やだ、ちょっと素敵・・・」とつぶやいてしまうのも納得のゴージャスさだ。あえてバブリーなキラキラ感、ワクワク感を演出するのが、さすが女性を美しく撮ることに定評がある大根監督ならではだと思う。
さらに、「記者会見」でギスギスした2人に浴びせられる芸能デスク(橋本じゅん)の忖度ナシの下衆な質問も、それに対して「ドラマに関係のない質問は~」というMCの制止も「あるある」だし、それがネットで「ズバる(※バズるのこと)」のも「あるある」だ。
そして、悪質なことに、25年前の大園一人が行った「破局会見」の映像が流される。そういえば、昔は芸能レポーターが取り囲む下衆な質問攻撃や、涙の「破局会見」がしばしばあった。SNSでは「結婚もしてないのに破局会見?」と不思議がる声も出ていたが、「結婚もしていない」のに金屏風の前で破局会見したり、「今度生まれ変わったら~一緒になろうねって~」という名フレーズが生まれたりしたのが「現実」だったことを改めて思い出す。
他にもさまざまな「共演NG」ペアが登場。さらに驚いたのが、まさかのスポンサーでキリンとサントリーが「共演」していたこと!
コロナ禍のドサクサに紛れてどこまでNGを見せてくれるのか。この大胆なチャレンジに釘付けである。
(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)
【第2話(11月2日[月]放送)あらすじ】
テレビ東洋の新ドラマ『殺したいほど愛してる』の制作発表は遠山英二(中井貴一)と大園瞳(鈴木京香)のバトルが生配信されるという前代未聞の展開を迎え、終了した。
先行きが不安なまま、ついに本読みの日を迎えるが・・・
助監督・佐々木信也(森永悠希)とAP・楠木美和(小島藤子)らスタッフは英二と瞳以外の、共演NGのキャストが全員集合することに頭を抱えていた。
時代劇の大御所・出島徹太郎(里見浩太朗)とニューヨーク帰りの小松慎吾(堀部圭亮)による元師弟対決。売れっ子アイドル・内田梢(小野花梨)と元アイドル女優・篠塚美里(若月佑美)による元同グループアイドル対決。戦隊モノでブレイクした佐久間純(細田善彦)と2.5次元で人気の加地佑介(小澤廉)によるイケメンキャラかぶり対決・・・。一触即発の現場は果たしてうまくいくのか!?
さらに、ショーランナー・市原龍(斎藤工)から英二と瞳に、とんでもない提案が?
そして・・・ついに出島と小松が激突!果たして、英二と瞳はどうするのか?
◆放送情報
『共演NG』
毎週月曜22:00からテレビ東京で放送中。
地上波放送終了後、動画配信サービス「Paravi」で配信中。
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