――原作が柴門ふみさん、脚本が大石静さんという数々の名作を生み出してきたお二人のタッグですが、出演のお話があった時の率直な感想をお聞かせください。

漫画を読んでいたので、もうびっくりしました。「私でいいんですか?」って。まずドラマ化することもびっくりで、とにかくお話いただいた時に本当にびっくりしました。あと、私実は演じるとしたら優子さんだと思ったんです。これまで強いお母さんやセレブママを演じたことがあって、なんとなくそのイメージがあると思うんですけど・・・一番杏がやったことがないタイプの役でした。初めての役なので演じていて楽しいです。

――大石さんの台本を読まれた時はどのような感じでしたか?

「さすが」としか言いようがないですよね。柴門さんがお書きになった漫画のセリフをお使いになってるところもあるんですけど、漫画の世界をものすごくうまく文字に変換なさっていてとても読みやすかったですし、一話の中の起承転結や3人の母のエピソードの入れ方も何もかもものすごく隙がなくて完璧だと思いました。

昔、『愛と青春の宝塚』(2002年)というフジテレビさんの単発ドラマで初めて大石先生とお仕事させていただいたんですけど、その時も素晴らしい台本で。今回、柴門さん原作で大石先生がお書きになった物語のドラマに出れるというのが幸せです。言うのが楽しみなセリフがいっぱいあります。

――杏さんという役柄を演じられてみていかがですか?

杏って実は一番普通というか・・・結構素直でまっとうな人なんです。結果的に婚姻関係を結んでいるときに斉木さん(小泉孝太郎)と関係を持ってしまうのですが、自分から積極的に誰かと恋に落ちるというよりも、旦那さんに出て行かれてしまって、たまたま斉木さんと会ってそういうことになってしまって。最初は衝動的だったんですけど、そこからだんだん気持ちが伴うという、どちらかというと渦に巻き込まれている女性なので、なるべくフラットに演じることを心がけてます。

酷い目にいっぱいあっているんですよね。ある日旦那さんがいなくなって、その日に旦那さんが会社のお金使い込んでますと言われて、その後に実は女の人と逃げたというのが判明して・・・パンチくらいまくって、それでも一人で子供育てて頑張っていると思います。けなげですよね。

――今回3人の異なるタイプのお母さんが登場しますが、佳乃さんが一番共感できるのはどのタイプのお母さんですか?

うーん・・・どのお母さんも共感できるところがあるんですよね。三人三様なんですけどどの部分にも共感できるところがあって。例えば(吉田羊演じる)優子さんだったら仕事を持ちながら子育てをする姿に共感しますし、(仲里依紗演じる)蒲原さんの子供をすごく愛して、母性の強いところに共感しますし、杏さんが一番すごい状況に置かれてますけど、働いた経験もなかったのに仕事を見つけて、健気に一人で息子を育ててるっていうのもすごく共感しますし、それぞれ共感できる部分があります。

――吉田羊さん、仲里依紗さんのそれぞれの印象を教えてください。

羊さんは映画やドラマでご一緒したことがあって結構お話したことあるんですけど、仲さんはがっつりご一緒したの初めてだったんです。話題になっている仲さんのYouTubeも面白く拝見したことあるんですけど、ポップでかわいい方で。年も10個以上違うんですけど、話してても新鮮で楽しいです。といってもしっかりした小学生の子供のお母さんでもあって、面白い子だなってお話してます。すごくユニークな方です。

――阿部サダヲさんと小泉孝太郎さん、磯村さん、お母さんたちを魅了する男性側になると思いますが、その男性たちのキャラクターの魅力はどこにあると思いますか?

やっぱり阿部さんが演じる丸太郎さんは包容力でしょうね。経験豊富で大人の遊びをいっぱい知っていらっしゃる。蒲原さんもそういうところに魅かれるんでしょうね。旦那さまがわかりやすい浮気をしていることもあって、優しさに触れるとさみしい心の隙間を埋めてくれるというのもあるんじゃないでしょうか。

磯村君演じる年下の後輩・赤坂くんもやる気に満ちていて、お姉さんに対してガツガツ来る感じがいいんでしょうか。まだ若くて頼りにならないところもあるけど、急に男を見せて頼りになるところもあって。そういうところに惹かれるんでしょうね。

斉木さんは、杏の旦那さんが一緒に逃げたお相手の旦那さんですから・・・そんな複雑な状況からそういう関係になるってこれもご縁というか、運命ですよね。そこから本当の恋に落ちていくわけですけど。斉木さんは淡々としてるんですよね。すごい優しいわけでもなく、淡々と「あなたの旦那さんとうちの奥さん逃げました」と言ってくるので、最初は冷たい、この人なんだろう・・・って感じだったんですけど、ふとした瞬間にそういう関係になって。最初は杏もそんなに魅かれているわけではないんですけど、気になる存在から恋に変わっていくんですよね。旦那さんと全然違うタイプだから恋に落ちちゃったんでしょうね。

――最後に本作の魅力や見どころ、視聴者の皆さまにどんなことを受け取ってもらいたいかメッセージお願いします。

三者三様の家庭を持った母が恋をするという禁断のテーマですが・・・とにかく皆さんに楽しんでいただきたいという思いでいっぱいです。本当に面白いと思います。ドキドキハラハラすると思います。「ああ!そっちに行っちゃダメ!」って感情移入しちゃうと思うんですよね。夢物語として、金曜日の束の間のひととき、ご夫婦で見るには気まずいテーマかもしれませんが(笑)、楽しんでいただけたらうれしいです。

◆放送情報
金曜ドラマ『恋する母たち』
2020年10月23日(金)22:00よりTBS系で放送開始。(初回は15分拡大)
地上波放送後に動画配信サービス「Paravi」でも配信予定。
さらに、Paraviオリジナルストーリー『恋する男たち』も配信開始する。
(C)柴門ふみ/小学館 (C)TBS/TBS スパークル