山里亮太の短編小説を原作とし、主人公・山里亮太役を仲野太賀が演じるテレビ東京の『あのコの夢を見たんです。』第3話が、10月16日に放送された。実在する女優やアイドルを題材に、山里が様々な妄想を繰り広げるオムニバスで、今回は原作にないドラマオリジナル回で、ゲストは森七菜である。

冒頭で、台車に積んだダンボールに乗り込んだ森七菜が、台車を男子に押させて、廊下で大はしゃぎしている。「ホント、七菜っておバカだよね」と笑う女子の声には、明らかに愛情がある。そう、彼女は"モテモテ女子"ではなく、まだ大人には程遠い、元気いっぱいの「みんなの人気者」なのだ。

一方、山里(仲野)は教室の隅っこにいて、「僕は透明人間」とつぶやく。そんな山里のことを「唯一見えているヤツ」が、幼馴染で、「顔は正統派ヒロイン」なのに「歩く大音量スピーカー」と言われている森七菜だ。山里は言う。

「みんなには見えてなかったっとしても、七菜には見えている。僕はそれだけで十分だった・・・」

まさしく王道にて最強。逆にこのシチュエーションが嫌いな人なんて、いないんじゃないだろうか。
しかし、小学生のような七菜は、「面白かっこいい人」が好きで、次々に男子に告白しては「友達としてしか見れない」と言われ、玉砕。その都度、「冗談だよー」と笑って見せるが、山里相手には連敗ぶりをぶっちゃけて、「どうせ悲劇のヒロインタイプが好きなんでしょ?」とボヤく。そこから始まったのが、「悲劇のヒロイン宣言」だ。山里は七菜の「HHP(悲劇のヒロインプロジェクト)」に協力させられるハメになる。

とはいえ、七菜に「悲劇のヒロイン」の何たるかが、わかるわけもない。そこで、"悲劇のヒロインは複雑な家庭環境であることが多い"というパターンに気づいた七菜は山里に「どんなことが思い浮かぶ?」とムチャぶり。しかしせっかく山里が提案した内容に「ハ? そんなことあるわけなくない?」とキレ気味で、そこから「いいこと思いついちゃった~~」とニヤリ。しかし、七菜はほとんど"小学生男子"だ。小学生男子の「いいこと思いついた」の「いいこと」くらいアテにならないことはない。

案の定、玄関の靴を左右逆にしたり塩と砂糖を入れ替えたり時計を逆にしたり・・・頓珍漢な"複雑な家庭環境"を作り出し山里を困惑させた。意見を求められた山里は「親に反抗してみるとか、ケンカを売ってみるとか」と提案し、練習として"お母さん役"をやらされることに。しかも、「なんか声質違うんだよー。もうちょっとお母さんの練習してきてもらっていいかなー」とムチャぶりされ、七菜から送られた母の動画を観ながら練習する山里。 

だが、七菜はすでにその作戦に飽きていて、次の「心霊スポットで軽くはしゃいで、"ちょっと呪われる"」を計画している。ポイントは、あくまで"ちょっと"というところ。もはや「悲劇のヒロイン」というより、小田扉の漫画『団地ともお』的発想である。とはいえ、山里を振り回す七菜は、ちゃんと「ヤマが呪われないように」とお守りを渡してくれる(そのお守りはなぜか「安産御守」だが)。

夜の校舎に忍び込む2人。しかし、あっという間に守衛さんに見つかり、七菜が山里の手をとり、2人は手をつないで逃げる。色っぽい展開じゃなく、「手をつないで逃げる」がMAXであるところが、めちゃくちゃこじらせていて素晴らしい。

しかし、「明るく人気者の七菜」と「透明人間」の意外な組み合わせは、クラス中の噂になり、山里は「透明人間」どころか七菜のストーカーと勘違いされ「キモイ病がうつる」と言われるまでに。そこで山里は七菜に「僕なんかと仲良くしないほうが良いと思う。変な噂が立つから」と言うが・・・。

すべての男子の夢が詰まった第3話。青臭い青春好き・少年少女好きには、たまらない回だった。

(文・田幸和歌子/イラスト・まつもとりえこ)

【第4話(10月23日[金]放送)あらすじ】
大好きだった拓海(佐藤寛太)への告白に失敗したまりえ(飯豊まりえ)。後悔していると、突如、謎の男(仲野太賀)が目の前に現れ、後悔を消して思い通りの人生を歩めるという"リセットボタン"なる物を渡してきた。疑いながらもボタンを押してみると、全てをやり直すことができた。その日から何か選択を失敗する度にボタンを押して人生をやり直すまりえだったが、ふとした瞬間から後悔する大切さを実感していくのだった・・・。

◆番組情報
ドラマ24 第60弾特別企画『あのコの夢を見たんです。』
毎週金曜深夜0:12よりテレビ東京系にて放送中。
(※テレビ大阪のみ、翌週月曜深夜0時12分から放送)
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信中。