――ご自身の役の印象と、東野圭吾さんの作品の印象を教えてください。
伯朗さんは東野さんの作品の中でも特に女々しく、とても人間らしいキャラクターだなと最初に読んだ時に感じました。そこが魅力なのかなと。物語はやっぱりミステリー要素が特に面白くて、後半にかけてずっと突き進んでいく謎が謎を呼ぶ感じがとても印象的でした。僕自身、小説はもともと得意な方ではなかったんですけど東野さんの『白夜行』を読んでから小説がすごく好きになったこともあって、東野さんの小説には思い入れが強かったので主演を務められるというのはすごく感慨深いです。
――撮影を進めてきていかがでしょうか?
想像以上にセリフが多いなと最近思い始めていて・・・最初はセリフ量が多いというのはあんまり意識してなかったんですけど、先日小日向さんに会って「セリフ多いよね」と言われたときに「やっぱり多いんだ」って気づきました(笑)。毎日セリフ覚えるのに必死になっているのですが、吉高さんがムードメーカーとなって現場を盛り上げてくれているので、撮影は和気あいあいとした雰囲気のなかでやっています。"謎が謎を呼ぶ"という面白さは黒岩(勉)さんが書かれた脚本でも十分に発揮されていて、ドラマならではの「次が早く見たい!」という感じになっていると思うので、僕も出来上がりが楽しみです。
――ミステリアスな物語の中で、コミカルな妄想シーンが挟まるのも面白そうですよね。
ずっとミステリーだと疲れてしまうこともあるかもしれないんですが、唯一ほっとできる部分になっていると思います。妄想シーンは伯朗のキャラクターを形作る要素でもあると思うのでそこは思いきり演じています。監督と相談しながらみんなで笑いながら(笑)。中村アンさんは特に妄想に付き合ってくださる相手役なので、最後まで付き合っていただいて・・・楽しんでいきたいです(笑)。
――16年ぶりの日曜劇場の主演ですよね。
よく「『オレンジデイズ』子供の頃見てました」と言われて「子供の頃?」と思ってたんですが、自分もそれくらい年を重ねたんだなと感じます(笑)。僕は連続ドラマの初主演がTBSさんの『ブラックジャックによろしく』(2003年)で、デビューしたての頃から『池袋ウエストゲートパーク』(2000年ほか)など、自分の転機を迎えるタイミングはTBSさんと一緒にいたという気持ちがあったので、またこの作品でも今までとは違う自分を見せていければと思います。
――12月で40歳に。30代最後の作品になりますね。
あ、そういえばそうですね。意識してなかったです・・・(笑)。伯朗さんは大人になり切れてない大人みたいなところがあるので、30代にお別れする前にこの役が演じられるというのは良いかもしれないですね。40代だと伯朗さんもう少ししっかりしなよって思うところもあるけど・・・伯朗さんと共に40代を迎えるのはすごく嬉しいです。伯朗さんも色々と抱えているものがあると思うんですけど、ドラマの中で少しずつ成長していってて、吉高さん演じる楓とともに謎に立ち向かっていく中で新たに生まれるものがあるんじゃないかなと。そういうものを伯朗さんと一緒に感じながら40代を迎えられればと思います。
――共演される吉高さんのご印象は?
今回初めてご一緒するんですけど、イメージ通りの方でした。スイッチが入る瞬間というものを持っていて、シリアスなシーンでの切り替わり方が凄くてドキッとさせられました。楓という謎の美女を演じられるんですけど、小説よりもキュートな部分があって、それは吉高さんの持ち前の人懐っこさだったりそういう人柄っていうのは出てるんじゃないかなと思います。
――作品の見どころを改めてお願いします。
一つ謎が解決するかと思ったらまた謎が出てくるんです。原作を読んで大体の結末知ってるはずなのに、本当にそんな風になるのかって自分を疑ってしまう位に脚本が素晴らしいので見ていて飽きないと思います。予告さえも見逃したくないと思うくらい。今回はキャラクターが多く集まる場面が結構あるんですが、バチバチとしているその空気感も感じてもらえるんじゃないかなと。皆さんにも段々と熱量が大きく、熱くなっていく姿に注目していただけたらうれしいです。
◆番組情報
日曜劇場『危険なビーナス』
10月11日(日)21:00からTBSで放送開始。
地上波放送後には動画配信サービス「Paravi(パラビ)」でも配信される。
また、Paraviオリジナルストーリー『安全なビーナス』も10月25日(日)の第3話放送後から配信予定。
(撮影:高橋将司)
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